トップ > 中日スポーツ > 芸能・社会 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【芸能・社会】

甘く酔わせる増位山太志郎 新曲「ごめんよ麗子」リリース

2019年6月21日 紙面から

歌、相撲、絵と人生を謳歌する増位山太志郎=名古屋市中区で(板津亮兵撮影)

写真

 元大関で歌手の増位山太志郎(70)が新曲「ごめんよ麗子」をリリースした。1970年代後半にミリオンセラーを記録した「そんな夕子にほれました」「そんな女のひとりごと」の流れをくむムード歌謡。一世風靡(ふうび)した多才な男に聞きました。 (増田護)

 -新曲はまさに昭和のムード歌謡。甘い声、ビブラートも健在ですね。

 「『そんな女のひとりごと』につながる歌なんです。ボクのことをイメージして作ってくださっているようで、気に入っています」

 -ネオン、酒、女性、遊び人のイメージそのまま(笑い)。現役時代はイケメン力士で、歌がうまくて、絵も描けて(二科展入選)、モテモテでしたね。

 「いや、先代(父の大関増位山)の方がモテたようです。その先代から、趣味を持てと教えられたんです。『刀だって硬い鉄に軟らかい鉄を包むから切れ味が鋭い。相撲だけを考えていては幅がでない』と」

 -誰にでも通じる話かもしれませんね。

 「そう思います。考えすぎると煮詰まることもある。がむしゃらもいいけど、逃げ場も必要ではないでしょうか。リフレッシュして、また戻る。趣味はあった方がいいですね」

 -趣味が高じた歌手デビュー(1972年)のきっかけは?

 「部屋の打ち上げで歌うのを聴いた評論家の元力士、小島貞二さんに勧められたんです。小林旭さんの歌も作詞もした人です。そもそも小学校のころコーラス部にいて、NET(テレビ朝日)の取材を受けたことがあるくらい歌が好きだったんですね」

 -そして『そんな夕子にほれました』が大ヒット。作詞は海老名香葉子さんなんですね。

 「そう、林家三平師匠(初代)の奥さん。香葉子さんのお母さまが先代からのファンだったようです。初めての作詞で、夕子というのはお手伝いさんの名前で、♪キャベツをきざむ~という歌詞も、台所で見たままだと」

 -あの歌で二刀流がブームになりましたね。琴風(現尾車親方)もデビュー。入院中に見舞ったら自分の「まわり道」を聴きながら、「いいなぁ」と言うんでびっくりしたことがあります。

 「ナルシシストですね(笑い)。ぼくも自分の歌をしょっちゅう聴いてますよ。まずは自分がやっていることが好きじゃなければ何事も上達しませんから」

 -その域には遠いですが、参考にさせていただきます。今後はどういう歌を?

 「人を元気づけられるように歌っていきたいです。相撲協会にいたころはキャンペーンなんてできませんでしたが、楽しいものです。歌のおかげで元気にやっています」

 -さて大相撲は名古屋場所の前売りもはじまりました。

 「そうか、中日新聞共催ですね(笑い)。炎鵬も奮闘しているし楽しみです。名古屋はぼくが新十両の場所だし思い出深い。食の思い出? 暑かったからね。だから食より、やっぱり錦(名古屋の繁華街)かな」

親子二代で大関となり、握手を交わす増位山(右)と父の三保ケ関親方=1980年1月、東京都墨田区で

写真
 

この記事を印刷する

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ