そして前回のあとがきで「今回は更識姉妹の回で鈴の出番もちょっとある」とか言ってましたけどミスです。時系列的に先に解決すべきイベントがあったので、今回はそっちの描写を進めました。
「あ、おりむーだ。おーい」
学生寮の自室から廊下に出たところで、不意にのほほんさんから声をかけられた。軽く手を挙げてそれに応えると、彼女はトタトタとこちらに向かって駆け寄ってきた。……相変わらずめっちゃ遅いけど。
「聞いたよ~。最近、かんちゃんと仲良くしてるんだってー?」
「かんちゃんって更識さんのことだっけか。仲良くっていうとズレてる気がするが、まあ一緒にいる時間は増えたな」
更識さんが倉持技研に専用機の完成を依頼して以来、立花さんは俺と彼女の両方の専用機の整備を担当することになっていた。その立花さんという共通の人物の存在や、更識さんに説教まがいのことを偉そうに垂れたことに関する責任感みたいなものもあって、ここ1週間彼女の姿を見る回数がかなり増えたという次第である。
「ところで、その話は誰に聞いたんだ? 誰かが噂してたとか?」
「かんちゃん本人からだよー。最近妙に元気な理由を探ってみたらー、全部吐いてくれたのだっ」
そう語るのほほんさんの顔は、いつにもましてのほほんとしており、なんだかうれしそうに見える。
そう言えば、楯無さんに聞いた話だと、更識さんはクラスで孤立気味だったらしいな。更識さんに俺という新しい話し相手ができたことを、のほほんさんは友達として素直に喜んでいるのだろう。
「りんりんの居ぬ間にかんちゃんに浮気とか、考えてたりしてー」
「勝手にドロドロの昼ドラみたいな展開にするな。やましい気持ちなんてこれっぽっちもないぞ」
「さすがおりむー、紳士だね~」
「島国が生んだ紳士オブ紳士とは俺のことだ……っと、そろそろ出ないと遅れそうだな。悪い、のほほんさん。俺これから行くところがあるから」
腕時計で時刻を確認した俺は、冗談を途中で切り上げて軽く頭を下げる。
「行くところ?」
「ああ。俺の実家の近くの神社で、夏祭りがあるんだ」
*
篠ノ之神社では毎年この時期にお盆祭りが催され、その中で神社の人間による神楽舞が行われるのが通例だ。
「ふう……」
数年ぶりにこの町に戻ってきて、これまた数年ぶりの神楽を今しがた終えた篠ノ之箒は、なんとか役目を果たしたことに安堵しつつ、境内の近くでお守り販売の手伝いに取りかかろうとしていた。
「………」
舞をしている間は、雑念を捨てた清らかな心でいられたような気がする。
そしてそれを終えた今、箒は再び自らの抱える悩みを頭に浮かべ始めていた。
――ずっと好きだった男の子が他の女の子と付き合うことになったのに、不思議なほどに悲しみが湧いてこなかった自身の感情への戸惑い。
――白騎士事件や銀の福音の騒動を意図的に引き起こすなどというおよそ理解できない行動をとり続けている、実の姉への複雑な思い。
普段は騒がしくも楽しい周りの人間のおかげであまり思い出さずにいられた事柄。だが、思い返さなかったからといってそれ自体が消滅したわけではないのだ。
「ちょっとよろしいか」
「あっ、はい。お守りはひとつ500円です」
お客さんに話しかけられたことで、自分の世界に入り込みかけた思考が現実に引き戻される。
……今は、神社の巫女として働いている最中だ。余計なことを考えて迷惑をかけることがないようにしなければ。
そう思い直し、仕事に集中すると決意した箒は目の前のお客さんにしっかりと向き合う。
「………え」
――その女性客の顔を見た途端、箒は思わず間の抜けた声をこぼしていた。あまりの驚きに、しばらくの間呼吸をするのも忘れてしまう。
「そうだな……なら、交通安全のお守りでももらっておこうか」
歳は見たところ箒と同じくらい。黒い髪は肩に届くか届かないかくらいの長さで、吸い込まれそうになる魅力を持った黒い瞳がこちらを見つめている。
この顔は――
「……千冬、さん?」
「……どうかしたのか? 私が、何か失礼なことでもしたのだろうか」
「あ、ああいえ、違うんです。その、知り合いの昔の姿にあまりにも似ていたので、驚いてしまって……」
浴衣などの着飾った格好ではなく、白いシャツにデニムという簡素な服装で祭りに来ていたその少女は、まさしく高校生の頃の織斑千冬に瓜二つだった。思わず自分が小学生の頃にタイムスリップしたのではないか、などという馬鹿げた想像が一瞬浮かんだほどである。
「なるほど。世の中には自分と同じ顔の人間が3人いるという話もあるくらいだし、そういう珍しいことも起こりうるのだろうな」
「本当に驚きました……えっと、交通安全のお守りでよろしかったでしょうか」
「ああ。それで頼む」
少女から500円玉を受け取り、箒は用意されていたお守りから『交通安全』と書かれたものをひとつ取り出して手渡した。
「ありがとうございました」
「ご利益のありそうなお守りをもらえてうれしいよ。……ところで、不躾な頼みがあるのだが、聞いてもらえないだろうか」
「頼み、ですか」
「恥ずかしい話だが、祭りというものの楽しみ方がよくわからなくてね。今も人の波に流されるままふらふら歩いて、気づいたら境内まで来ていた、という状況なんだ」
「はあ……」
「そこでだ。君さえよければ、私に祭りを案内してもらえないだろうか」
「……そ、それは」
予想の範囲外であった少女のお願いを聞いて、箒は少し戸惑ってしまう。
「無理を言っているのは承知だ。だが、私もそろそろこういった祭りに慣れておきたいんだ。見たところ年齢も近そうだし、君に一緒に来てもらえれば、と思ったんだ」
そう言って、彼女は困ったように笑う。
箒としては、この千冬似の少女を案内することはやぶさかでもなかった。お願いされて放っておくのも酷というものだし、知り合いにそっくりな人間と出会ったのも何かの縁だと感じる気持ちもあったためだ。
だが、今はお守り販売というれっきとした仕事の最中であり、持ち場を離れるわけにはいかないのも事実なのだ。
「あら? 箒ちゃん、どうかしたの?」
そんな折、近くを通りかかった箒の叔母・雪子が声をかけてきた。彼女は悩んでいる様子の箒を見てから、その隣にいる黒髪の少女に視線を移し。
「……そちらの方は?」
箒と同じように、雪子も千冬の姿を連想したのだろう。目を大きく見開いて、まじまじと少女を見つめている。
「叔母さん、実は――」
箒がこれまでのいきさつを説明したところ、雪子は少しの逡巡の後にうなずき、そして柔和な笑みを浮かべた。
「箒ちゃん。ここは私が受け持つから、あなたはその子の案内をしてもらえるかしら? せっかくこの神社のお祭りに来てくれたんだから、思いっきり楽しんでもらいたいし、ね」
確かに、彼女がこの場を担当してくれれば問題は解決する。これによって、箒が少女の依頼を断る理由はなくなった。
「……わかりました」
「ありがとうございます」
雪子の提案にうなずく箒と、頭を下げる黒髪の少女。
「では、早速ですが移動しましょう」
「よろしく頼むよ。……それと、祭りの案内は巫女の業務管轄外だろう? なら、私に対して敬語を使う必要はもうない」
「……そう、ですか?」
「正直なところ、あまり敬語を使われるのに慣れていないから、普通に話してもらえた方がありがたいというのが本音だ」
「わかった。では改めて、移動するぞ」
*
「そういえば、まだ名前を聞いていなかったな。私は篠ノ之箒だ。あなたは?」
「……マドカだ」
「マドカ……それは名前か? 名字はなんだ」
「名字で呼ばれるのは好きじゃない。だから最初から教えないことにさせてもらおう」
「なんだそれは……?」
とりあえずの自己紹介を終えた箒とマドカは、適当に屋台を巡って食べたり遊んだりと『祭りの楽しみ』を消化していく。
「祭りの楽しみ方がわからないと言っていたな。ということは、来たのが初めてなのか?」
「いや、小さい頃に行ったことはあると思うのだが……なにぶんその頃の記憶が曖昧でね。ほとんど何も覚えていなかった。だから、実質的に初めてというのが正解かもしれないな」
「そうか……はむっ」
フランクフルトを頬張りながら、箒はマドカと話をしつつ人混みの中を歩く。本来箒は他人とのコミュニケーションが苦手な方の部類に入っており、初対面の人間とはなかなか会話が続かないのだが、不思議なことにマドカについては例外であった。千冬に似ているからだろうか、話すことにあまり抵抗を感じないのだ。
……先ほどそれとなく探った結果、どうやらマドカは織斑の家の親戚というわけでもないらしいことを箒はつかんでいた。いろいろと謎めいた人物だというのが、現在の彼女に対する評価である。
「ということは、先ほどの金魚すくいの結果は才能あってのものということか」
「ああ、あれか。てっきり破れやすい網を使っていると思ったのだが、店の方も難易度を低めに設定していたらしい」
「……それは、2匹目をすくう途中で網が破れた私を馬鹿にしていると受け取っていいのか?」
「気を落とすことはない。誰にでも向き不向きはある」
「き、気を落としてなどいないっ」
箒がぷい、とそっぽを向くと、マドカの口からくくっと笑い声が漏れた。
「な、何がおかしい」
「いや、すまない。……君は魅力的な女性だと、そう思ってね」
「んなっ!? な、なな何を言うんだいきなり!」
同性からの言葉とはいえ、魅力的などという褒め方をされたことがない箒は、マドカの発言に顔を赤らめる。
「冗談ではないぞ。君の容姿や仕草には目を惹かれるところがある。あくまで私見ではあるが、学校でも異性に人気だったりするのではないか?」
「馬鹿なことを言うな。小学校でも中学校でもそんなことは一度も感じていないし、そもそも今は男子がひとりしかいない学園に通っている」
「男子がひとりしかいない? ……ああ、君はIS学園に在籍しているのか」
「……よくわかったな」
「男子がいないならともかく、中途半端にひとりだけいるような学校。その情報だけでほとんど答えは決まっているようなものだろう」
言われてみればその通りだ、と納得する箒。織斑一夏のようなイレギュラーな存在が現れない限り、女子だらけの学園に男子ひとりを放り込むなんて非常識なことは行われたりしないものだ。
「しかしそうなると、ひとりだけしかいない男はなかなか大変だな。他の生徒たちにとっては唯一の学園内の身近な異性だ。注目されることも多々あるだろう」
「そうだな。あいつはいつもあちこち引っ張りまわされている気がする。……人気もあるようだしな」
箒の声のトーンが下がった意味を、マドカは見抜いたのだろうか。
「……君も、その『彼』のことが?」
彼女は箒の目をしっかり見据え、鋭い問いを投げかけてきた。
「………」
普段の自分なら、あわてて否定するところだろうと箒は考える。
だが、そんな彼女に『ごまかしてはいけない』と感じさせる何かを、隣を歩く少女は持っているようだった。
「……そう、だな。私もその男のことが好きだ。だが、もう振り切らなければならない時が来ている」
「………」
ここに来て、マドカは初めて驚きの感情を顔に出した。少し大きく開かれた目が、言葉の続きを促している。
「あいつには……もう、恋人がいるんだ。そして、あいつも、相手の女子も、お互いの想いを裏切るような人間ではない。だから――」
「未練を断ち切らねばならない、か」
箒の言葉を途中で引き継ぎ、マドカは虚空を見上げる。
……本当に、妙なものだと箒は思う。いくら千冬とそっくりでも、今日初めて出会った相手にここまで自分の心を曝け出すなんて、普通はあり得ないことだ。
「すまない。辛くなるような話をさせてしまったな。だが、私も箒のことについてよく知りたかったんだ」
「謝るようなことではない。私にはお前の質問に答えない選択肢もあったんだ。それを自分から話したのだから、私自身の責任だ」
そう言って、箒はあたりの屋台をきょろきょろと見渡す。何か面白そうなゲームでもやって、この暗い空気を払いのけようと考えたためだ。
「箒」
隣で鳴っていた足音が、不意にやんだ。
「どうかしたのか?」
マドカに合わせて箒も立ち止まり、彼女の方へ顔を向ける。
すると、彼女は一度ふう、と息をついた後、ささやくような声で、
「なら、私が君の恋人になるというのはどうだ」
一切おふざけを感じさせない表情で、そんなことを口にした。
「――っ」
冗談とはとても思えない発言に、箒の思考は正常な働きを失ってしまう。
「お、お前、いったい何を……」
マドカの瞳から、目を逸らすことができない。まるで金縛りに遭ったかのように固まっている箒に向かって、マドカはその身を近づけて――
「……なんてね」
「……は?」
「私は同性愛者ではない」
からかうような調子の言葉を聞いて、ようやく箒の混乱しきった脳がひとつの答えにたどり着いた。
「だ、だましたな!!」
「なかなかに迫真の演技だっただろう? 君の可愛らしい反応が見られて私はうれしいよ」
「お、お前~!」
くっくっく、と満足げに笑うマドカに対して、いいように弄ばれた箒が顔を真っ赤にして文句を言おうとしたその時。
「おーい! 箒―!」
道の向こうから、よく知っている少年の声が聞こえてきた。
*
祭りに来て神楽舞を観賞した俺は、その後箒と話そうと思ってあいつの姿を探していた。途中で雪子おばさんに会って聞いた話によると、どうやら今は女の子と一緒に出店をまわっているらしい。周りが騒がしくて気づかないのか、携帯にかけても出ないので、あてもなく屋台をめぐってポニーテール少女を見つけようとしたのだが。
「やーっと見つけた……」
かれこれ数十分かけて、ようやく向こうに箒の姿を発見した。隣を歩いているのは、おそらく話に聞いた女の子のことだろう。
「おーい! 箒―!」
箒に呼びかけながら駆け寄った俺は、その少女の顔を見て驚愕した。おばさんから聞いてはいたが、本当に高校生時代の千冬姉にそっくりだ。弟の俺が言うんだからまず間違いない。
「一夏! お前、祭りに来ていたのか」
「まあな。それで箒、そっちの人は……」
「千冬さんに似ているだろう? 名前はマドカだ」
マドカ、か。
名前を知ったところで、挨拶をするべくもう一度彼女の方へ目を向け――
その瞬間、猛烈な悪寒が体中を駆け巡った。
「はじめまして。マドカ、という者だ。箒には祭りの楽しみ方を教わっていたのだが――」
……なぜだ。なぜ、この少女に対してここまで大きな警戒心を抱いているんだ。
なぜ、体が自然に距離をとろうと後ずさっているんだ……?
「……ほう? 気づいたか、貴様」
――その発言で、俺はすべてを理解した。
「箒! そいつから離れろ!」
「なっ……」
言うが早いか、俺は箒の腕を引っ張って自らの背後にまで移動させる。その間も、マドカから一瞬たりとも視線を外してはいない。
「一夏、いきなり何をする!」
「箒、こいつは……こいつは」
「織斑一夏を海に突き落とした、サイレント・ゼフィルスの操縦者」
俺の言葉より先に、マドカが自分から正体を明かした。ちらりと箒の表情をうかがうと、信じられないといった様子で目を見開いている。
「そ、そんな……まさか」
箒の声が震えている。そのことが、俺の奴に対する怒りを増幅させた。
「お前、箒に何をした!」
「安心しろ。何も危害は加えていない。先ほど言った通り、私はただ祭りを案内してもらっていただけだ」
「目的はなんだ。何が狙いで箒に近づいた」
「狙い? ふふ、さてな。篠ノ之箒と一緒に花火を見ようと思っていた、というのはどうだ」
「ふざけんな!」
口元を歪めて俺の問いをのらりくらりとかわすマドカに対して、ふつふつと負の感情が昂ぶっていく。
「そう警戒するな。今日はお前たちと戦うつもりはない。……おっと、そういえば目的があると言えばあったな」
「なに?」
「篠ノ之箒」
箒の名を呼んだかと思うと、マドカはあるものを右手に持ってこちらに近づいてきた。
「なんだそれは」
「見ればわかるだろう、織斑一夏。これが爆弾に見えるか?」
「………」
それでも、警戒を解くわけにはいかない。あいつが何をしてきても対応できるように、神経を研ぎ澄まして――
「篠ノ之箒。これは君に返しておく」
不意に手に持っていたソレが放り投げられ、放物線を描いて箒のもとへ落ちていく。
「箒! 迂闊に触るな!」
……しかし、俺の意思とは裏腹に、箒はマドカの投げたものを受け取っていた。そしてそれをまじまじと見つめ、再び信じられないといった表情を顔に出した。
「マドカ、お前は……いったい」
「用も済んだことだ。私はこれで失礼する」
消え入るような箒の呼びかけには応えず、マドカは踵を返してこの場を立ち去ろうとする。
「待て!」
「追ってくるのは構わないが」
それに続いて駈け出そうとした俺を牽制するように、奴は背中を向けたまま言葉を発した。
「……その場合、命の保証はしない」
――俺の足は、気づけば動かせなくなっていた。マドカの放った猛烈な殺気に、体がすくんでしまったのだ。
「ああ、ひとつ言い忘れていた。先ほどの君の舞は、なかなかに美しかったな」
*
「箒。本当にあいつには何もされていないんだな」
「ああ……傷つけられたり、そういうことは一切されていない」
「そうか……」
マドカが人混みの中へ消えて行った数分後。ようやく極度の緊張状態から解放された俺は、箒の体に異常はないか確認をとっていた。
「……一夏」
「なんだ」
「お前は、これを覚えているか」
そう言って箒が差し出したのは、先ほどマドカが投げ渡してきたものだった。
「……かんざしだよな、それ。覚えているかってどういうことなんだ?」
「やはり忘れてしまっているか……もう何年も前のことだから、それが当然ではあるんだが」
黒を基調として、花形の飾りが取り付けられているそのかんざしを見つめながら、箒は驚くべきことを口にした。
「これは、私が昔大切にしていたかんざしだ。小学3年生の時に失くして以来、ずっと行方知れずだったものだ」
「……ちょっと待て。じゃあ、なんでそれをあいつが持っていたんだ」
「わからない……。もしかすると私の持っていたかんざしそのものではないのかもしれないが……デザインは、完全に同じだ」
もしこれが箒が失くしたかんざしであるならば、マドカは箒が小学3年生のころに失くしたものを拾っていて、かつそれの所有者が箒であると知っていたことになる。
仮に本物でなかったとしても、あいつは箒が大切にしていたかんざしのデザインと、箒がそれを失くしていたというのを把握していたことになる。
……つまりどちらにせよ、あいつは箒の小学生時代を知っていることになる。
「どういうことなんだ……?」
わけがわからない。あの時俺を倒したパイロットは昔の千冬姉そっくりで、しかも箒のことを知っているだと?
「くそっ」
苛立ちのこもった俺の声に、応えるものは何もなかった。
というわけで今回はマドカと箒のお話でした。果たしてマドカの発言はどこまでが本当なのか……?
次回こそ更識姉妹のターンです。鈴ちゃんも帰ってきます。
では、次回もよろしくお願いします。