「うーん、やっぱり夏だし明るい色の服の方がいいかな……。ねえティナ、アンタはどっちがいいと思う?」
「どっちでもいいと思う」
「リボンはどうしようかな……あのさティナ」
「どうでもいいと思う」
「……なによ、もうちょっと真面目に考えてくれてもいいじゃない」
明日の一夏とのデートに着て行く服装を熱心に吟味していた鈴は、意見を聞いても投げやりな答えしか返してくれないティナを恨めしそうに見つめる。対してティナは手元に置いてある袋からお菓子を取り出しつつ、呆れたように肩をすくめた。
「……あのね、私があなたの服選びに付き合い始めてからゆうに1時間は経過しているの。しかも20分前あたりからさっき聞かれたことをまた言い出してくるし。リボンの話題はもう3回目なのよ。面倒になって当然だと思わない?」
「ううっ……そうだっけ」
「すべて嘘偽りのない事実です」
時計を見ると、確かにいつの間にか午後10時をまわっている。ティナが飽きて時代劇を見始めていても仕方のないことだ。
「ごめん。どうしてもいろいろ不安になっちゃって……」
別に自分の美的センスにまったく自信がないわけではない。だけど、明日は待ちに待った一夏との両者公認のデートなのだ。相当気負ってしまっている部分もあるし、それゆえ服装の選択にも慎重になってしまうのである。
「まあ、鈴の気持ちもわからなくはないけど……どれだけ考えて着飾っても、最後にものを言うのは中身だと思うわよ」
「ティナ……そうよね、本当に大事なのは見た目じゃないわよね」
「そうそう、だから少しくらい体重が増えてもいいわよねー」
「……アンタ今、いろいろと台無しにしたわよ」
せっかくいいこと言ってたのにと苦笑いを浮かべつつ、鈴は気を取り直して明日の準備を再開する。服装はさっき第一候補になっていたものに決定し、続いてバッグに入れる小物の用意に取りかかる。
「えっと、確かリップが切れかけてたから新しいのを補充しておかないと……」
クッキーをおいしそうに頬張りながらテレビを見ているティナの傍らで棚を漁っていると、うっかり肘を当てた拍子に何かが床に落ちてきた。
「……ああ、これか」
確認すると、それは野球のボールだった。硬球で、白い部分には黒のペンでサインが描かれている。これは彼女が5年前に手に入れたものだ。
「考えてみれば、あいつと仲良くなれたのも、ボールとグラブのおかげだったのよね」
なんとはなしに昔の記憶を掘り起こす。小学5年生の春、織斑一夏という男の子と出会った時の、彼女にとって大切な記憶を。
*
凰鈴音が日本にやって来たのは、よくある家族の事情というヤツによるものだった。両親が日本で中華料理の店を開くことに決めて、当時10歳だった鈴も彼らと一緒に中国から引っ越すことになったのが12月。実際にこの島国に足を踏み入れたのは3月のことであった。
新学期を迎え、初めて日本の小学校に通うその日、鈴の頭の中は不安でいっぱいだった。それなりに勉強はしておいたものの、まだ彼女の話す日本語はたどたどしいし、早口でしゃべられたりちょっとでも難しい言葉を使われると意味を理解することができない状態だ。他にも文化の違いや誰一人知り合いがいないという状況など、問題となる要素は山ほどあった。
「はい、それじゃあ自己紹介をお願いします」
「え、えと、ワタシ、凰鈴音といいマス。ちゅ、ちゅーごくから、きましタ」
担任の先生に転校生として紹介され、黒板に名前を書いてから不慣れな言語を口にする。自分でもカタコトだとはっきり認識できるその話し方に、それぞれの席に着いている生徒たちも不思議そうな顔をする。中にはニヤニヤと笑っている人もいて、少し不快だと鈴は感じた。
「凰さんは日本に来たばかりなのでまだ言葉に不自由なところがありますが、みなさん親切に接してあげてくださいね。凰さんも、わからないことがあったらすぐに聞いてね」
「は、ハイ……」
これからうまくやっていけるのだろうか。できるだけゆっくりとわかりやすく語りかけようとしてくれる先生に感謝しつつも、鈴の心はますますマイナスの感情で満たされていくのであった。
――そして、そんな彼女の不安は的中した。4月の半ばごろから、一部の男子が嫌がらせをしてくるようになったのだった。最初は少しからかう程度だったのが次第にエスカレートしていき、5月に入るころには明確にいじめと言えるレベルにまで達していた。クラスで孤立していた鈴には助けてくれる友達もおらず、いじめも先生のいないところで行われるため、気がつけばどうしようもない状況に立たされてしまっていたのだ。
「鈴音、学校はうまくやっていけそうか?」
最後に頼るべきなのは、もちろん彼女の両親だったのだが。
「……うん。大丈夫だよ」
店を開けたばかりで経営に四苦八苦している父と母の姿を見ていると、とてもこれ以上厄介ごとを増やすわけにはいかないと感じてしまい、結局何も相談できず、安心させるための嘘の笑顔を作ることしかできないでいた。
そうして月が明け、5月を迎えたある日のこと。
「ほらリンリン、笹食えよ笹」
「パンダみたいな名前してるんだから当然食えるよなー」
下校途中にに男子4人に囲まれたかと思うと、そのまま人通りの少ない場所に連れてこられ、笹を食えと強要された。
そんなことできるわけがない。だから彼女は頑なに口を閉じたまま、突きつけられる笹に対して拒絶の態度を貫こうと試みる。
「なんだよ、一口くらい別にいいだろ」
だが、男子たちはどうしても引き下がろうとしない。それなりに運動神経には自身のある鈴だが、4人相手ではろくな抵抗をすることもできない。
「うぅ……」
――やっぱり、お父さんとお母さんに相談すればよかったんだ。心配をかけないようになんて、大人ぶった真似なんてするんじゃなかった。
後悔が胸に押し寄せ、自らの目尻に涙がたまっていくのを鈴が感じた、その時のことだった。
「こうなったら無理やり――ぶっ」
リーダークラスらしき男子の頬が、突然現れた誰かによって殴り飛ばされた。予想外の事態に、鈴も男子たちも目を見開く。
「うわっ――おまえ!」
「――ねえか! くそっ……」
混乱しているせいで男子たちの会話がうまく聞き取れない。わかるのは、いきなり乱入してきた顔も見たこともない男の子が、いじめっ子を相手に喧嘩を始めたことだけ。1対4なので当然不利なはずなのだが、蹴られても突き飛ばされても立ち上がって食い下がる彼に、相手も次第に勢いをそがれていく。
「――てろよ!」
最終的に根負けしたのはいじめっ子たちのほうで、4人そろってどこかへ走り去っていった。残った男の子は、腕や脚についた傷痕をひとしきり眺めた後、状況についていけず呆けていた鈴の方に向き直る。
「おい――」
頭がこんがらがったままなせいで、こちらに歩み寄ってくる男の子が何を言っているのかがよくわからない。そもそも、なぜ彼はいじめっ子たちに殴りかかったのか――
その瞬間、鈴の頭に浮かんだ考えは『この子も自分をいじめようとしているのではないか。そのためにあの4人を追い払ったんじゃ……』というものだった。今までクラスのみんなが鈴に対する嫌がらせを見て見ぬふりしてきたのに、顔も見たこともない人が突然助けにやってきてくれるわけがない――それが彼女の出した答えだった。
「っ!!」
反射的に出た右手が、男の子の頬に思い切りヒットした。彼がふらついている間に、鈴は力の限り足を速く動かし、その場を離れて自宅に駆け込んだのだった。
*
翌日の放課後は、特に誰かに絡まれるということもなくまっすぐ家に帰ることができた。
「すいませーん! 注文いいですかー」
「はい、ただいまうかがいます!」
両親が忙しそうに働いているのを見るとどうしても手伝いたくなるのだが、残念ながら鈴はまだ客の注文を正確に聞き取れる自信がない。それでもなんとかなるとは思うのだが、注文をとるのに手間取ってお客さんに迷惑をかけるわけにもいかないという母親の言葉は正しいと思うし、
「子供は遊ぶのが本分なんだから、外に出て好きにしておいで」
そう優しく言われてしまうと、鈴としても引き下がるしかないのだった。
「今日も裏の空き地に行こうかな」
店の裏側には小さな空き地があり、鈴はよくそこで時間を過ごしていた。近くに大きな公園があって、他の子供たちはみんなそこに行くため、ここには誰も来ないのだ。
いつものようにグラブとボールを持って空き地に入り、壁に向かって立つ。野球好きの父親の影響で、彼女自身も中国にいたころからバットとグラブ、ボールに慣れ親しんできた。周りの友達に布教し続けたおかげで、最終的には5人対5人で試合ができるようにまでなっていたのだが、今はその友達も遠く離れた場所にいる。
「………」
力を込めて投げ込んだボールは、自分の頭の中で作り上げたストライクゾーンを通過して壁にぶつかる。跳ね返ったボールを拾う作業に、どうしても一抹の寂しさを覚えてしまう。
「おい」
不意に背後からかけられた声に振り向くと、昨日彼女が殴った男の子が立っていた。その顔が怒っているように見えて、思わず足が後ろに動いてしまう。
「あー、その……そんなに怖がらなくていいんだ。俺は別に、お前に嫌がらせをしようとか、そういうつもりで来たわけじゃないから」
信じられない、と鈴は感じる。何かよくないことを考えているのではないかと、疑う心がどんどん大きくなっていき、自分でも手が付けられない。結果、彼女はますます目の前の少年から距離をとる。
彼はそんな彼女の様子をしばらく見つめた後、何かを思いついたかのようにぽん、と手を叩いた。
「凰、ちょっと待ってろ。5分くらい」
そう言い残して、空き地を勢いよく飛び出していく男の子。突然現れて突然去って行った彼の行動に呆然としていた鈴だが、すぐに気を取り直してどうするべきかを考える。
ちょっと待ってろと言われたが、別に彼の言うことを素直に聞く必要はない。戻ってきたら何をされるかわからない以上、さっさと家に帰った方が得策だ。
「……そうよね。逃げた方がいいわよね」
考えた末に出した結論に従い、鈴は空き地を出ようと歩を進め――
「待たせたな!」
「っ!?」
その矢先、男の子が5分もたたずして戻ってきた。息を切らしているところを見ると、どうやらずっと走り続けていたらしい。
逃げるタイミングを失って慌てる鈴だが、彼が左手にグラブをはめているのが目に入り、しばしの間動きを止める。
「お前が俺の話を聞くつもりがないんなら……とりあえず、キャッチボールでもしようぜ」
「え……?」
思いもしなかった彼の発言に、鈴はまたしても呆気にとられる。どういうことなのか、彼は自分に危害を加えようとしに来たのではないのだろうかと、頭の中で疑念がぐるぐると渦巻く。
「ほらいくぞ、それっ」
「わ、わわわっ」
鈴の返事を待たずして山なりに放られたボールを、あたふたしながらもなんとか捕球に成功する。
「ナイスキャッチ。ほら、こっちに投げてくれ」
笑顔で返球を要求する男の子。どうするべきか迷った挙句、とりあえずこちらも山なりのボールを投げ返した。
「ナイスボール。じゃ、次はもう少し速く投げるぞ。……えっと、ビッグスピードボール、オーケー?」
「……英語にしなくてイイ」
「あ、ああ、そう……まあいいや、ようやくお前のまともに話す声が聞けたし」
そう言って、さっきよりも速い球を放ってくる。……確かに、彼相手にちゃんとした言葉を口にしたのは初めてのことだった。
「わ、ワタシも……もうちょっと、速いボール、なげてイイ?」
「ん? ああ、いいぞ。というか、思ってたよりずっと日本語上手なんだな、お前」
少しずつ、彼に心を許し始めていることに気づく鈴。日本に来てから毎日あくせく働いている父とは久しくキャッチボールなどできていなかったからかもしれない。
「お、いい球投げるなあ。野球、いつからやってるんだ?」
「5歳から……」
「俺と同じくらいか。中国でも野球って人気なのか?」
「……あんまり。ワタシが、みんなに教えタ」
「なるほどなあ」
ボールのやり取りを行いながら、鈴は男の子との会話を続ける。ほとんど向こうが話題を出してこちらが答える形になってはいたものの、それでもちゃんと話すことができていた。
「最近、千冬姉……姉ちゃんの仕事が忙しいみたいでさ。時々やってたキャッチボールが全然できなくなってたんだよな」
「ワタシも、おとうさんがいそがしくて……」
「へえ、じゃあ仲間だな。キャッチボールの相手がいないっていう仲間」
「……それ、なんだかイヤ」
「え、そうか?」
首をかしげる彼の仕草に、自然と笑みがこぼれる。……久しぶりに、本当の意味で笑えた気がした。
「……ごめんなさい。きのう、ワタシ、アナタがいじめるんじゃないかとおもって……」
この男の子は最初から、鈴に手を差し伸べようとしてくれていた。なのに疑心暗鬼にとらわれて、その手を払いのけてしまったことに対して、深く頭を下げる。
「……なるほど、そういうことか。千冬姉の言った通りだな……ま、過ぎたことだし気にするなよ。それと、昨日の奴らのことだけど。あいつら、このあたりじゃ有名ないじめっ子なんだ。喧嘩が強いし、いろいろと根に持つ性格でもある。クラスのみんなが見て見ぬふりしてたのも、仕返しが怖かったからだと思う。……だから、あんまり日本人のこと、嫌いにならないでくれ」
「……うん、わかった。ありがとう」
殴ったことをあっさり許してくれた男の子に感謝しつつ、鈴はこちらに飛んでくるボールをキャッチする。パン、というグラブの乾いた音が心地よい。
「よし。じゃあ最後の1球、思いっきり投げてこい。ただしコントロールには気をつけてな」
そう言って、彼は壁を背にしてグラブを構える。一応すっぽ抜けてもいいように配慮してくれているようだ。
「思いっきり……っ」
全力で投げた球は少し高く浮いてしまったが、なんとか腕を伸ばした彼のグラブの中に収まった。
「これからも、たまにここに来ていいか?」
「うん」
「ありがとう。改めてよろしく、凰」
笑って右手を差し出してくるのに応えようと、鈴も彼の名前を呼ぼうとするが。
「……あ、あの、名前」
「ん? ……あ、そういやまだ自己紹介もしてなかったな。ごめんごめん。俺の名前は織斑一夏だ」
「お、おるむりゃ……?」
初めて聞く上になんだか難しそうな名字を、鈴はうまく発音することができない。
「言いにくいなら一夏でいいぞ」
「い、ちか……イチカ……一夏。一夏、ね。よろしくおねがいします」
挨拶をして握手を交わすと、一夏はにっこりと笑ってくれたのだった。
*
「うわあ……」
「すごいだろ。これが日本のプロ野球なんだ」
1ヶ月後、鈴は一夏に連れられてプロ野球の試合を見に来ていた。一夏が商店街の福引でチケットを2枚当てたため、野球が好きな友人である鈴に白羽の矢が立ったのだった。
「すごい人の数ね……」
「日曜日だしな。デーゲームでもたくさん見に来る人がいるんだ。……お、あそこが俺たちの席だな。内野だから選手の顔とかもよく見えるだろ」
一夏の案内に従い、指定された席に着く。試合開始まであと30分ほどだが、すでに球場は大勢の観客によってざわめき始めている。このような雰囲気を味わったことのない鈴にとっては、何もかもが目新しく新鮮という状態だ。
『お待たせいたしました。それでは、両チームのスターティングメンバ―を発表します』
ウワアアア!! という歓声が球場全体を包み込む。隣の一夏も目を輝かせて電光掲示板のほうを見つめている。
「今日はエース同士の投げ合いだからな。きっと盛り上がるぜ」
――一夏の言葉通り、試合はすごく面白い展開になった。三振を奪いまくるピッチャーと打たせてとるピッチャーの対戦は、両チームとも少ないチャンスを得点につなげ、6回を終わって2対2の同点というスコアになっていた。
「さっきのダブルプレーすごかったよなー。鈴もそう思うだろ?」
『呼びやすいから』と使い始めたその呼び方で、一夏は凰鈴音という少女に語りかける。
「……うん。本当にすごいわね」
初めて体験した日本のプロ野球観戦というものに、鈴は素直に感動を覚えていた。きっとこれから、もっとこの国のことを好きになれると思う。
……そして、彼女にその機会を与えてくれた、この少年のことも。
「一夏はどっちのチームが勝つと思う?」
「そうだなあ……俺的には――」
――一夏と一緒にいれば、楽しいことがたくさんあると思う。だからこれからも、ずっと仲良くしていけたらいいな。
そう願った、快晴の日の出来事だった。
*
「確かあの試合で、サイン付きのウイニングボールが投げ込まれたのを鈴が捕ったんだよな。あいつ本当に運がいいよな……」
俺なんてホームランボールもウイニングボールも持ってないのに……と愚痴を垂れつつ、明日の準備を整えた俺はベッドにもぐりこむ。
……鈴のいじめについては、あいつが日本語をものすごい勢いで習得したこと、それに伴い元来の気の強さが遺憾なく発揮させられたことにより、自然消滅という結末をたどった。なので俺がやったことといえばあいつの初めての日本人の友達になったことだけなのだが、それでも鈴に言わせればいじめを乗り越えられたのは全面的に俺のおかげらしい。まあ、役に立てたのなら光栄なんだけどな。
「さて、寝るか」
明日は疲れるだろうし、しっかり睡眠をとっておこう。
*
熟睡しているティナをなんとなく観察しながら、ベッドの上で鈴はあることについて考え込んでいた。
「……結局あたしって、いつ一夏のこと好きになったんだろ」
キャッチボールして、仲良くなって、一緒に遊んで……どのタイミングで恋心を抱くようになったのか、明確な線引きがまったくできない。
「うーん……」
かれこれ5分ほどうなって、最終的に彼女が出した結論は。
「ま、いっか。今好きなことには変わりないんだし、それで十分よね」
きっぱり開き直った鈴は、そのまままぶたを閉じて眠りに落ちていくのであった。
というわけで幕間の章も終了、次回から新しい章に入っていこうと思います。今回時が過ぎるにつれ鈴の日本語を流暢にしていったつもりですが、うまく書けていたでしょうか。
例によって章の終わりの反省が続くので、どうでもいい方はこの先を読む必要はありません。
この幕間で意識したことといえば、日常っぽい描写を出すということでしょうか。バッティングセンターやみんなでテレビ視聴、バスケやキャッチボールあたりのシーンが一応これにあたります。クラスメイトを数人出したのもそういった雰囲気を作りたかったからです。
ストーリー的には箒と束の会話、ラウラのフォロー、そして一夏と鈴の過去編あたりが本筋に関わる話だったと思います。篠ノ之姉妹に関しては3巻の内容でも必然的に大事な要素になってくるでしょう。
一夏と鈴のなれ初めについてですが、「普通にいじめられてるところを助けて惚れたってことにすればいいじゃないか」と感じた方もいるかと思われます。なんでそうしなかったのかの言い訳をさせていただきますと、まずは上にあげたようにキャッチボールという日常的なシーンを描きたかったことがひとつ。もうひとつは……まあ、キャッチボールや野球観戦というある意味普通の行動が問題解決につながった、という感じにしたかったからです。よくわかんないですね。
さて、次回はようやくデート回。久しぶりに本筋の話が動く予定です。ちなみに本筋とは「一夏と鈴の関係または原作におけるメインストーリー」のことを指します。
では、次回もよろしくお願いします。