クラウドファンディングとは、インターネット上で、不特定多数から、組織や個人、プロジェクトなどに対して、資金を集める仕組みで、資金を集める方法としては寄付する場合や、何かと交換する場合から、融資する場合まで様々なものがあります。
クラウドファンディングのメリット
個人や企業、団体が資金を集めるクラウドファンディングは、インターネット上で不特定多数から資金を募るため、独特のメリットがあります。
実現が難しい個人プロジェクトや企業が資金調達できる
クラウドファンディングを通じて融資や寄付、出資を広く募れるようになったことで、今までは埋もれていた夢やアイディアを実現することができます。
例えば、寄付型クラウドファンディングでは、サービスがあることで個人が比較的簡単に他人を支援できるようになりました。
融資型や株式型クラウドファンディングでも、これまでの資金需要ができなかった事業者でも投資家の力によって、新たな事業機会を得ることができます。
お返しは金銭だけでなく商品やサービスまで様々
クラウドファンディングのメリットとしては、プロジェクト実施者や企業だけではなく、出資を行う個人や企業にも様々なお返しがあります。
例えば、購入型クラウドファンディングでは、自分の欲しい新商品や体験したい新サービスを他に先んじることで、特別な待遇感を得ることができます。
融資型クラウドファンディングでは、大きな金銭的リターン(利回り)も期待できます。
クラウドファンディングのデメリット
しかし今までの資金調達方法とは異なるデメリットもあります。
必ず成立するとは限らない
資金募集されたプロジェクトが必ず成立するというわけではなく、プロジェクトが成立しても途中で頓挫する可能性もあります。
頓挫しても、支援者や出資者がその非を追及して、資金を返してもらうということは基本的にできませんので、支援や出資の際は、不成立や頓挫のリスクも考慮して行いましょう。
悪意を持った利用者の可能性
クラウドファンディングの仕組みを利用した、悪意を持った利用者が現れる可能性もあります。
購入型クラウドファンディングや寄付型クラウドファンディングでは、集めた資金が全て正しく使われているかの詳細な確認は難しいです。
支援や出資を取り下げられない
クラウドファンディングサービスの種類によるものの、支援や出資を行なった後に資金を引き出すことは難しい場合が多いです。
支援や投資の実行後に気持ちが変わっても、取り消しはできない場合が多いので、それを認識した上で支援や投資を実行します。
クラウドファンディングの種類
クラウドファンディングには大きく「購入型」「寄付型」「融資型」「投資型」の4つの種類があります。広く知られているのは購入型や寄付型のクラウドファンディングですが、市場規模からは融資型クラウドファンディングが、投資額の大半を占めています。
購入型クラウドファンディングとは
購入型クラウドファンディングは、あるプロジェクトに対して支援者がお金を出資するクラウドファンディングです。
出資を行うことにより支援者側は、商品やサービスを得ることができますが、お金がリターンすることはありません。
購入型クラウドファンディングには「AllorNothing型」「AllIn型」といった2種類の仕組みがあります。
「AllorNothing型」は募集目標金額が達成した場合のみプロジェクトが成立しますが、「AllIn型」は目標金額に達しなくてもプロジェクトの成立が認められます。
「AllorNothing型」は、目標金額を達成しない限り実行できないタイプのプロジェクト店舗やブランドを作ったり、商品を開発するなどに多く見られます。
「AllIn型」は、資金募集開始時点でプロジェクトが実現可能であるものや、リターンを行えることが決まっているものが対象となります。
1.Kickstarter(海外)
https://www.kickstarter.com/?lang=ja
Kickstarterは名実ともに世界第1位のクラウドファンディングサイトです。
なんといってもサイト内で動いている資金規模が圧倒的で、Kickstarter1社で日本の購入型クラウドファンディングサイトの合算に匹敵するレベルです。
億単位の調達に成功したキャンペーンも複数例存在します。
Kickstarterは、以前日本からのキャンペーン受付を行っていませんでしたが、2017年9月より解禁されました。
既に国内のクラウドファンディングサイトも成熟したため、敢えてKickstarterを選択される方は少ないですが、TVゲームやガジェット系のキャンペーンでは国内より桁一つ多い出資金が集まる傾向に有ります。
手数料は調達額の5%、及び決済手数料4.5%がかかります。
海外のクラウドファンディングサイトはプロジェクト数が多いことから手数料は安めに設定されています。
2.Makuake(マクアケ)
Makuakeはサイバーエージェントの運営するクラウドファンディングサイトで、CAMPFIREなどに比べるとプロジェクト一つ一つの内容を精査し、実際のキャンペーンまでプランニングをしっかりやるところという印象があります。
昨年話題をさらった「この世界の片隅に」などMakuake発のヒットを飛ばした先例もあり、国内クラウドファンディングサイトの中では大きな存在感を放っています。
1,000万円超えのプロジェクトを多数出しており、シャープ株式会社とのコラボプロジェクトのマッチングや多くの銀行との提携を行なっています。
手数料は最終的に集まった金額に対し20%が徴収されます。
3.CAMPFIRE(キャンプファイアー)
2011年6月にサービスを開始。オールジャンルでさまざまなプロジェクトを掲載することができます。
CAMPFIREはMakuakeに比べるともっと気軽にユーザーがキャンペーンを立ち上げられる雰囲気があります。
数百万円の資金調達を行うような大規模プロジェクトでは無く、数十万円クラスの小規模なプロジェクトに好まれているように見えます。
Makuakeに比べると良い意味でも悪い意味でも荒削りなプロジェクトが多く、ラインナップは個性的です。
手数料はCAMPFIREへの支払手数料が12%、決済手数料が5%に設定されています。
4.Readyfor(レディフォア)
READYFOR?はMakuakeやCAMPFIREと比較するとガジェットなどのキャンペーンは少なめだが、文化財の保護や寄付を募った社会派なプロジェクトが多く集まっています。
そのため営利要素が少ないが社会的価値の有るプロジェクトはREADYFORの方が資金を集めやすくなっています。
ガバメントクラウドファンディングと呼ばれるふるさと納税に特化したサイトをリリース。
手数料は12%+決済手数料として5%が課されます。
5.MotionGallery(モーションギャラリー)
映像コンテンツ用のクラウドファンディングサイトとして運営されており、ガジェット系でもカメラなどが出展されることが多いです。
アート作品のキャンペーンを立ち上げるならMotionGalleryは強い味方です。
MotoinGalleryでは通常目標を達成した場合、決済手数料込みで10%の手数料が課されます。
購買型クラウドファンディングの手数料
寄付型クラウドファンディングとは
寄付型クラウドファンディングとは、あるプロジェクトに対して支援者がお金を寄付する仕組みのクラウドファンディングで、リターンとして商品やサービスは基本的に発生しません。
プロジェクトによっては、お礼として手紙や写真を受け取れる場合があります。
被災地の支援など社会貢献性の強いプロジェクトが多く、支援者は寄付として支援を行うことが主となっています。
寄付型クラウドファンディングの代表的なサービスには、JAPANGIVINGやReadyforなどがあります。
1.JAPANGIVING
ジャパンギビングは日本最大の寄付サイトです。
ジャパンギビングは寄付を通じて、社会の役に立ちたいと思う人たち「支援者」と、資金的な応援を必要とする非営利団体「NPO」をつないでいます。
2.Readyfor
Readyforでは購入型と寄附型でのプロジェクトを実施することができます。
大学での研究費の調達や、農業の振興、飲食店の起業など成功例も数多く、新たなビジネスモデルとして確立されています。
「AllorNothing」の制度を取っているため、設定した募集期間中に目標とする金額に達した場合に資金が受け取れます。(成果報酬として手数料が差し引かれます)
融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)とは
融資型クラウドファンディングとは、資産運用したい個人(投資家)から小口の資金を集め、それを大口化して借り手企業に融資する仕組みのクラウドファンディングです。
日本では融資型クラウドファンディングよりも、ソーシャルレンディングという名称として認知されています。
融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)は個人から集めた資金を「融資」するという性質を持っているため、金銭的リターン(利回りの分配)を得ることができます。
融資型クラウドファンディングの代表的なサービスには、上場企業やグループ企業が運営しているオーナーズブック、タテルファンディング、SBIソーシャルレンディングなどがあります。
株式型クラウドファンディングとは
株式型クラウドファンディングとは、企業が資金調達の方法として、未公開株を提供する代わりに資金を募る仕組みのクラウドファンディングです。
投資型クラウドファンディングという種類のクラウドファンディングサービスとして位置付けられます。
投資家は、出資先企業の詳細な情報を確認した上で投資を行い、未公開株を取得できます。
株式型クラウドファンディングの代表的なサービスには、エメラダ・エクイティ、FUNDINNO(ファンディーノ)などがあります。
購入型クラウドファンディングの導入方法
プロジェクトの起案から掲載までの流れ
クラウドファンディングサービスで資金調達をするまでの流れは以下となります。
①クラウドファンディングのプラットホームを比較決定する
②クラウドファンディングのWebサイトに登録する
③何を行うのか、募集期間や金額はどのくらいか、なぜやるのか、支援者に対する報酬が何かをプロジェクトの情報を入力する。
④クラウドファンディングプラットホームによるプロジェクトの審査を待つ。
⑤クラウドファンディングのWebサイト上に掲載される。
大切なことは、各クラウドファンディングプラットホームによって、基準やテーマの種類などが異なります。
プロジェクトを決める前の段階で各種クラウドファンディングプラットホームの比較検討をしっかり行いましょう
禁止されているプロジェクトやリターン
クラウドファンディングサイトにより禁止されている、プロジェクトやリターンがあります。
代表的なものをいくつかまとめてみましたが、詳しい内容は、各クラウドファンディングサイトにお問い合わせください。
プロジェクトやリターンで禁止されているもの
①法律で禁止されているもの
②ギャンブルなどに関する永久会員権
③他人に危害や損害を与えるもの(名誉毀損、暴力など)
④ネズミ講やマルチレベルマーケティングなどのネットワークビジネスに関するもの
⑤アダルト関係、出会い系サイト関係
⑥臓器売買に関するプロジェクト
⑦開運、魔除けを目的とした高額商品のリターン
⑧武器、武器のレプリカに関するリターン
⑨火薬、花火など危険物及び取扱注意が必要なもの
⑩公職選挙法、薬事法など各法律で禁止されているもの
⑪著作権を保有していないまたは、許諾を得ていない商品
⑫転売品
などは、クラウドファンディングサイトによって個別に禁止されている。
複数のクラウドファンディングで同時募集はできない
複数のクラウドファンディングサイトでプロジェクトを同時に募集することは禁止されています。
しかし、一度終わったプロジェクトをタイトルやリターンを変えれば募集をかけることができる場合があります。
資金調達失敗したプロジェクトをブラッシュアップしてリベンジするプロジェクトもあります。
プロジェクト失敗に返金はありません
AllorNothing方式での募集の場合、返金作業はありません。
原則、プロジェクト募集期間は購入予約の状態のため、まだ支援者の決済は行われていません。そのため、プロジェクトが不成立となった場合は、自動的にキャンセルされ決済も行われません。
海外のクラウドファンディングも利用できる
海外のクラウドファンディングサイトのindiegogoやKICKSTARTERに応募する場合は、いくつか条件をクリアする必要があります。
応募条件
①18歳以上
②アメリカの永住権、EIN(納税者番号)またはソーシャルセキュリティナンバー保持者
③クレジットカードの所有者
アメリカで会社設立を行うと納税者番号が付与されるので、レンタル住所サービスなどを用いて会社設立を行えば、アメリカのクラウドファンディングサイトでの募集をかけることができます。
消費税など税金の支払いが必要
購入型クラウドファンディングの場合、契約上商品売買という形になりますので、消費税の納付義務が発生します。
また、資金調達を行いプロジェクト実施後利益が出た場合は、個人であれば所得税、法人であれば法人税の支払い義務が発生します。
成立しやすいプロジェクトの条件
成立しやすいプロジェクトの条件は二つです。
- お金を集める目的がはっきりしていること
②募集期間中はプロジェクトの成立に向けて全力でやりきること
この二つができるプロジェクトほど達成率は高まります。
どんな目的で、いくらぐらい必要なのか、客観的に見て納得できるプロジェクトの概要と適切な目標金額であれば支援者は集まりやすいです。
プロジェクト開始後、支援者の不利益な変更はできない
プロジェクトページの加筆修正はできますが、支援者の不利益になる変更は禁止しているクラウドファンディングサイトが多い。
プロジェクト開始前の相談相手
クラウドファンディングサイトによってはキュレーターと呼ばれる、プロジェクトを円滑に進めるためのサポートをしてくれるスタッフがいます。
クラウドファンディングの市場規模
日本国内は購入型クラウドファンディングが有名ですが、市場規模を見ると、その知名度とは異なった結果となっています。
また、海外におけるクラウドファンディングの市場規模を見てみると、融資型クラウドファンディングの市場規模の大きさがうかがえる内容となっています
日本のクラウドファンディング市場規模
ソーシャルレンディングの国内市場規模
2017年におけるソーシャルレンディングの市場規模は前年からさらに大幅な伸長を見せ、約1,326億円以上(クラウドポート調べ)という数値になっています。
また矢野経済研究所の調査によると、2015年における国内ソーシャルレンディングの市場規模(新規プロジェクト支援額ベース)は363億3400万円となっています。
この数値は前年比68.1%増となっており、大きく市場規模が伸びたことが分かります。
種類毎に市場規模を見てみると、購入型クラウドファンディングは32億円ほど、寄付型クラウドファンディングは1億円ほど、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)は322億円ほどとなっており、ソーシャルレンディングの市場規模が大部分を占めていることがわかります。
海外のクラウドファンディング市場規模
CROWDFUNDINGINDUSTRYのレポートは、2015年のグローバルにおけるクラウドファンディングの市場規模を3兆4,000億円としています(1ドル100円として計算)。
その中で購入型や寄付型のクラウドファンディング(RewardandDonationCrowdfunding)は5,500億円を占めており、日本と比べると大きな比率を占めています。
一方、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)に該当するものとしてP2Pレンディングのグローバル市場も掲載されています。同年におけるグローバルのP2Pレンディング市場は、2兆5000億円です。
国内融資型クラウドファンディングの市場の成長余地がまだまだあることがうかがえます。
以上