やまとなでシコ 上連雀三平

百合度★★★★★(5.5)

上連雀三平先生の幻のエロ百合漫画、「やまとなでシコ」がついに発売されました!
もちろん男性も全然絡んでない(というか登場もしない)100%百合な内容でしたよ!予想以上に良かったです!

この作品の単行本化、知っている人はびっくりしたニュースですよね。なにせ雑誌「快楽天」に掲載されていたのが約6年前。それ以来待てど暮らせど単行本発売の吉報は一向に来る気配がなく、ファンの間でも完全に諦められていた作品が今頃になってようやく単行本化ですからね。私も仰天しました(笑)。
この時期になんで…とも思いましたが、ひょっとしたら当時はけしからんと規制を食らっていたものの、不祥事が相次いで相撲界の人気も底辺になった今だからこそOKのサインが出た…あるいは声優の方々からOKのサインが…などなどいろいろ想像してしまいました(笑)。いろいろな意味で危険な作品だったことは間違いないですから、単行本に漕ぎ付けるのが難しかったのかもしれません。

あらすじはといいますと、ガチレズ少女鍋綿なべわた明乃は相撲部のセンパイ、塚菜佳織に一目惚れして即入部。裸でお姉さまとくんずほぐれつ、ご満悦の明乃だったが、実は彼女には秘められた才能が…というお話。
ちなみに明乃が入ったのは実はただの相撲部ではなく百合相撲レズモウ部。

勝敗は相手を倒したり土俵の外へ出したりすること以外にも相手をイカせることで付きます。

佳織はそんな百合相撲ではなく、普通の相撲が良いということで、レズモウの素晴らしさをわかって欲しいという明乃と勝負をすることになりますがなんと明乃の勝利。熱い死闘の末勝負に勝った明乃は「もしかしたらお姉様は…女の子嫌いなのかなぁ…なんて思って」と不安だった心境を語るのですが、佳織お姉さまは「バカね。そんなことあるわけないでしょ!明乃…好きよ」とエッチしてくれることに♪

勝負も熱かったですが、愛し合う姿も熱いですね。
そして「これから私の新しい相撲人生が始まるのね。明乃と一緒に」と言って寄り添ってキスをする2人。

このシーンもめっちゃ良いじゃないですか!

相思相愛になった後は、校内でもHしてしまうようになる2人がラブい!

後半はノーパンテニス部の谷桑夏子が鬼畜な責めで殿との麻美子に襲い掛かってきて、一時はされるがままになってしまうものの結局麻美子が四股を踏んで跳ね返したり(って…笑)、盗撮オナニー部(って…笑)の脇門舞がレズモウ部の乱交現場を撮ろうとしたところを捕まえてエッチなお仕置きをしたり、一年前佳織お姉さまを毎日土俵の上でイカせていた璐美お姉さまがやってきて佳織をイカせたり、それを後輩の明乃が庇って結果的にあだ討ちをしたり、その先は全国へ…という流れが。

佳織×明乃の百合っぷるも熱いですが、平行して描かれている麻美子と未祐との関係も熱くて良いですね~。この2人は出会って相手が可愛いと思っていきなりエッチして相性も良くて話も合って楽しいと思って好きになっていった関係で、四六時中エッチばかりしているのですが、途中でこんな笑顔のシーンなんかがあるから不意打ちでやられてしまう(笑)。


あらすじの登場人物名を読んでもなんとなく分かると思いますが、声優ネタがまじっています(笑)。

タイトルの「やまとなでシコ」からして堀江由衣さん&田村ゆかりさん(「飴色紅茶館歓談限定版」で共演していた2人ですよ)の結成していたユニット、「やまとなでしこ」のパロディっぽいですからね。声優好きの方も楽しめる…のかな?あるいは激怒してしまうかもしれませんが(笑)。

いや~やっぱり良かったですね!何でこんなに面白いんだか(笑)。才能という奴でしょうね~。上連雀三平先生は素晴らしく頭がおかしい!(←もちろん褒めてるんです…笑)
女子同士のエッチシーンも単行本で読んだらすごくエッチで良かったですね。これは雑誌を立ち読みしたりたまに買うだけ(って私のことですが…笑)では分からないですね。雑誌掲載時はぶっとんだ設定とノリの印象が強くて、キワモノ百合作品としては完璧だけど、プレイが濃い&ハードすぎて百合エロとしては使えないんじゃないか…とも思っていたんですが、単行本でじっくり読むと女子同士のエッチシーンも素晴らしいですよ。パッと見ると過激なシーンが頭に残るんですがハードな部分もソフトな部分も丁寧に描かれているんで、私のツボに入る部分もたくさんありました…というかほとんど全部か。合わないのはおもらしシーンだけだったのでした(笑)。

ちなみに単行本では、雑誌より修正が甘くなっていますね。いろいろ見えちゃってます。雑誌掲載時よりエロく見えるのはこのせいもあるかも。でもこの作品元々過激だから、修正まで甘くするとやりすぎになっちゃう可能性もあったと思うんですよね。しかしそうならなかったのは、上連雀三平先生の描く原稿が丁寧に描かれているからかもしれませんね。無茶苦茶な展開に目が引かれがちですが、原稿は丁寧に仕上げられています。ノリもすごいんだけど、ノリだけで描いた作品でもないですよ。作画にはかなり手間がかかったはず。


裏表紙はこんな感じ。エロいって言えばエロいけど、エロ漫画ならこれくらいは普通かな?それより表紙の方が、エロいこと以前にレジに持っていくことがためらわれる感じです。でも中身はこれ以上にいかれてるのでご安心を~(←?…笑)。

あとがきを読むとこの作品は「マリア様がみてる」をモチーフにして描かれたことが分かりますが、今読むとそんなに「マリア様がみてる」を意識することもないかな~。2004年頃と違って、今は女子同士あれこれな関係になる作品っていろいろありますからね。でも確かに2004年頃はWebでも同人でも百合と言えば「マリア様がみてる」一色でした。当時を知ってる百合好きなら分かる話ですね。

しかしそう言われて読み返してみると、紗枝が佳織を受け止めながらエッチしてあげる描写は蓉子さま×祥子さまの関係を彷彿とさせるところがあるような気もしてしまいました。

ちなみに各話タイトルが素晴らしすぎるんでちょっと引用させていただきますと…
第2話「相撲革命」第3話「まわしの森」第4話「白き前みつ」第5話「カニカニカーニバル」第6話「びっくり土俵入り」第7話「ファースト番付トライアングル」第8話「決まり手まっしぐら」第9話「いとしき三役」第10話「片手だけ綱取り」第11話「大銀杏の中の桜」
…どこかで見たことがあるような、しかし何か違和感があるようなタイトル群です(笑)。
さらに名セリフもてんこ盛り。
「仲よきことはレズビアン」
「あの娘の四股は見る者をなごませるわ。そう…まるで癒し系四股。略していやシコ!」「だって!だって…レズモウにくらべたら相撲なんて…まるで子供の遊び…」
名セリフすぎますね。どうしてこういうネームを思いつくことが出来るのやら(笑)。

上連雀三平(小野敏洋)先生の作品としては「G-onらいだーす」、にもたくさん、「そらのカナタの!」にもちょっと百合要素がありますね。

garbagememoさんのこちらこちらこちらのレビューも参考になるでしょう。

たくさん笑えてたくさんエロ百合を楽しめてたくさん女子同士の愛も確認出来るこの作品を、私も超おすすめです!

…とか言うと声優ファンマリア様がみてるファン相撲ファンから白い目で見られたりすることもあるのかな?いやでもほんとに良かったんですよ~(^ω^;)