3本立て

 かつて、映画は2本立てが当たり前で、それがいつからでしたか、1本のみになり、しかも1回ごとに総入れ替えをするようになったので、続けて繰り返し観ることができなくなったのは残念至極。  ですから昔は、暇な大学生時代などには、1日中映画館で過ごすなんてことも可能だったわけですが、もうそんなことは不可能になってしまいましたし、「名画座」のようなところも仙台には皆無で(たまにかつての名画を上映することもありますが)、映画好きには不遇の時代になったと言えるかもしれません。  まあ、その分VODやWOWOWのようなものができたのは、我々のような人間にとっての救済策として、ありがたく享受しているわけでもありますが。  で、今日は3本立てにしました。  『マルクス・エンゲルス』(2017年 ドイツ・フランス・ベルギー 118分 原題は『若き日のカール・マルクス』)はタイトル通り、『共産党宣言』を一緒に書くまでのマルクスとエンゲルスの出会いからを描いたもので、200年近く前のヨーロッパを転々としていた彼らの生活が見えてきます。  マルクスはその晩年まで経済的に苦しい生活を送り、一方工場の経営者の息子であるエンゲルスは、そうしたマルクスを援助しながら、同じ目標に向かって助け合う人物として描かれます。  当時の、過酷としか言いようのない労働状況下で搾取され尽くしていたのは、大人だけではなく小学校にも通えないようなこどもたちもであり、ゆうに10時間を超える労働時間のもと、危険極まりない…

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本邦未公開作品

 こどもたちにとって初めての前期中間考査が昨日で終わり、今日から採点が終わった答案用紙が返却される教科もあるようで、初めての「赤点」を経験しそうな気配が強く漂っています。  いったいどんな結果が出るのか、楽しみよりも不安の方が大きいのでした。  さて、今日は日本では公開されなかった映画『ミッション・ワイルド』(2014年 アメリカ・フランス 122分 原題は『ホームズマン』)を観ましたが、これだけ地味な作品ですから日本で公開されなかったのも宜なるかな、と思いました。  しかし、制作がリュック・ベッソン、監督・脚本・主演がトミー・リー・ジョーンズ、助演がヒラリー・スワンクという錚々たるメンバーですから、これはぜひ観たいと私が思ったのも、これまた当然のことでしたが、リュック・ベッソンがこれほど地味な作品に食指を動かすというのは、かなり意外な感じがします。  舞台は19世紀のアメリカ中西部の開拓地ネブラスカで、そこの実に小さな集落で男顔負けの過酷な労働をしながら1人で暮らしている31歳の女性をヒラリー・スワンクが演じていますが、こうした男勝りで力強く生きている女性を演じるには、彼女がまったくの適役だと思いました。  この村には3人の精神を病んだ妻たちがいるのですが、それは次々とこどもたちを病気で失ったとか、妻のことを人間扱いしない夫とか、さまざまな事情を持つ女性たちで、その彼女たちを隣のアイオワの教会へ連れていく役目の者を「ホームズマン」と呼び、650kmもの長旅でもあるた…

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歴史修正主義?

 こどもたちの学校の中間考査も今日で終わり、再び部活が始まるので、今朝は右足首の捻挫も癒えつつある息子も自転車で登校して行きましたが、3週間近くも私の車での登校をしていたため、体力が落ちて、途中で挫折するのではないかとの私の懸念をみごとに払拭し、いつもと変わらない時刻に学校に到着したのらしい。  それにしても、まだ、捻挫の後遺症がある足で、部活になど行けるのだろうかとの思いは打ち消せません。  ところで、新聞紙上では「イージス・アショア」についての防衛省のお粗末ぶりが連日にぎやかですが、あれは「数学」のレベルではなく「算数」の段階だと思われますから、防衛省の職員の知的レベルにはかなりの問題があるか、もしくはこちらの方の可能性が高いと私は考えているのですが、「意図的な操作」による「虚偽の発表」としか思われず、前者であれば国家の防衛を任せることはとうていできませんし、後者でも似たようなものであろうとしか考えられません。  「国民を欺く軍部」のお粗末さは、75年前に経験済みです。    さて、こどもたちが不在の家で、久しぶりにゆっくり映画鑑賞をすることができましたが、『否定と肯定』(2016年 イギリス・アメリカ 107分 原題は「Denial」ですから『否定』でしょう)  デボラ・E・リップシュタットの『否定と肯定 ホロコーストの真実をめぐる戦い』を原作として作られた映画で、現代日本では「歴史修正主義者」と呼ばれる人たちを相手に裁判で戦った女性が主人公です。 …

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