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【格闘技】

京口、ざんげの判定防衛… 「つまんない試合、申し訳ございません」

2019年6月20日 紙面から

ナコーンに判定勝ちし、初防衛に成功した京口=幕張メッセで(七森祐也撮影)

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◇WBAライトフライ級タイトルマッチ

 防衛がコールされても、京口に笑顔はなかった。首をひねり、レフェリーに手を上げられても納得のいかない表情だ。とらえきれなかった。王者の胸には、その思いしかなかった。

 試合後のリング上。「圧倒的な試合をしたいと言っていながら、つまんない試合をして申し訳ございません。採点以上に差のない試合だったと思う」。反省ばかりが口をついた。

 圧勝だけを考えていた。挑戦者は世界ランク12位。タイ式キックボクシングのムエタイが主戦場で、ボクシング経験はわずか11戦(全勝5KO)。データ上は確かに格下だった。

 別の理由でも燃えていた。またしても、京口の試合はテレビの生中継枠から外された。世界2階級制覇、世界戦4戦全勝、通算12勝9KO。これだけの実績にもかかわらず注目度が低い現状打破のため、派手な勝利を思い描いていた。

 だが、それが力みになった。初回からKO狙いの大振りが目立ち、ペースをつかめなくなる。タイ式キックボクシングで約300戦の経験を持ち、最高峰のルンピニー・スタジアムで2階級を制した挑戦者は抜群のセンスを見せ、ロープに詰められても上体を振ってパンチを外し、京口に詰めさせなかった。

 ただ、初防衛したことで一歩、前に進んだことがある。WBC同級王者・拳四朗との統一戦だ。「何とか首の皮がつながったので、必ず進化して(拳四朗との)統一戦を実現させたい」。予想外の苦戦をバネに進化を果たし、きっと目標の舞台に立つ。 (藤本敏和)

 

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