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【格闘技】

【畑中評論】きれいな顔が物語る 井岡ディフェンスの勝利

2019年6月20日 紙面から

WBOスーパーフライ級王座決定戦で勝利し、喜ぶ井岡一翔(中央)=千葉市の幕張メッセイベントホールで

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 素晴らしい試合だった。6回までの私の採点は井岡の2ポイントリード。序盤の3回まではパリクテが取っていただけに見事な巻き返し。直後の4回はパリクテが出て倒しにかかっていたから、10回のTKOは鮮やかと言うほかない。

 パンチのあるパリクテに、井岡は技術で上回っての作戦勝ちだった。4、5回にボディーを打たれたのが響いたパリクテは長身のため、ボディーを打つのは苦手。ここで井岡のキャリアが光る。ボディーを果敢に攻めて流れをつくると、10回のチャンスも腹から攻めてのレフェリーストップ。見事だった。また、きれいな顔が堅いガードだったことを実証している。ディフェンスの勝利と言ってもいいだろう。

 記録もつくった。日本人で最初の4階級制覇。大きな土産を手にした。今後は、井上尚弥のように、米国でやりたいのだろう。海外で日本人が活躍するのは大歓迎だが、井岡のパンチを考えると厳しい戦いになると思う。もし、“柔よく剛を制す”で日本人らしく、柔の道で戦ってほしい。 (元WBC世界スーパーバンタム級王者、本紙評論家・畑中清詞)

 

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