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この作品 「普通の恋➰後編」 は「TWICE」「モモ」等のタグがつけられた作品です。

あぁ、最終話…やっと終わったー…次はサヒョ書こうかな。なんとなく冒頭からモモの過...

まひる

普通の恋➰後編

まひる

2019年5月28日 14:27
あぁ、最終話…やっと終わったー…
次はサヒョ書こうかな。
なんとなく冒頭からモモの過去のお話に
なってしまい読みにくくなってしまったかも
しれません、ごめんなさい。
過去のお話今のお話繋ぎ合わせて
読んでみてくれると幸いです。
ミモ#3


抱きしめられた。「好きになってごめん」と言われた。その頃からサナは自分の恋愛対象が男性でもあり女性でもある、いわゆる両性愛者と気付いていたのだろうか。頬につたる涙に『本気』なんだ、とわかった。でも俺は異性愛者だ。サナにそう伝えるとその場に座り込んで号泣された。サナが泣くなんて久々だった。泣かれるなんて思ってなくて泣かす事がどれだけ苦しいのかわかった。答えられない気持ちに心をえぐられているような感覚がずっと残った。手首を掴まれ、「聞いてくれてありがとう」と嗚咽で途切れ途切れになりながら言われた事にもっと罪悪感が生まれた。これなら俺はサナと出会わない方が良かった。サナを好きになれないなんてダメな人間だ、と自分をクズだと責めた。

明日、ホストクラブに入社するんだ。
俺が会社をクビになったのと同時にサナが、「ホストクラブやったら金沢山入るで!」とわざわざ誘ってくれたのである。だからこのホストクラブに面接を受け無事合格し入る事ができた。こんなに感謝してもしきれないことは2度とないと思う。ここまで尽くしてくれたのに、俺はサナの気持ちに答えることはできなかった。だからせめてこのクラブに全力を尽くそう。恋愛もやめてサナの気持ちに答えられなかった代わりにと、誓った。

サ「そんなんいいのに。俺、今はジヒョと付き合う事ができたんや、恋愛禁止なんて辛いでやめとき?俺の気持ちに答えられないくらいでそんな堅苦しい事しんくてええのに…」

モ「決めたねん。」
サ「…そやったら言わへんけど…」

なのに、俺はミナに惚れた。サナの気持ちに泥を塗るような罪悪感。今からミナを抱くにつれてサナに誓った気持ちがなくなりそうで怖くなった。あの誓った気持ちは嘘じゃないから、消えないでほしい。嫌だ、嫌だ。



ミ「…モモオッパ…やめましょうか、!」
モ「……え…」
ミ「顔、死んでますもん。」
モ「…せっかく同じ気持ちになれたんだ。」
ミ「無理しないでください。」

無理してるのはミナだと思う。今にも泣きそうになっていた。俺が一瞬でも抱くのを拒んだからだ。本当に好きだ、だけど片隅にサナへの誓った気持ちが忘れられない。破りたくない、誓った気持ちを捨てたくない。

ミ「…好きって気持ちが同じで良かった。」
モ「ミナ…」

ミ「…付き合うのはやめましょう。モモオッパから仕事への熱意を奪いたくないんです」

モ「まって、ミナ。」

がちゃん。とドアが閉まった。その音でもうミナとの距離が遠くにあるような気がした。

俺は、本当はどうしたいんだろう。






サ「…元気ないな。」

屋上で吸う眠気覚ましの煙草が胸に染みてチクチクする。肺へ蓄積する煙に咳き込もうとする体がもうこの煙草への拒否反応を示していたけどそんなの無視してサナに振り向く。

モ「まぁ…色々。」
サ「煙草の銘柄変えたん。」
モ「眠気覚ましになるかと煙草変えたねん」
サ「ほんまに仕事熱心やな。」

わざと俺の元気のない理由を聞かないサナ。ほらこういう所だよ。優しすぎるんだ。

モ「…サナが誘ってくれたこの仕事を無駄にしたないから。」

サ「モモは、ミナが好きやろ?」
モ「好きやで。」
サ「ミナもモモが好きや。」
モ「知っとる」
サ「付き合ってしまえばええのに。」
モ「あかんやろ、恋愛禁止って決めたんや」

サ「んなのもうええやろ。何年も前の話やないか。」

モ「よくないわ。」
サ「なんでなん、」
モ「サナの…ため。」
サ「俺はそんなの望んどらへん。」
モ「…」
サ「サナはいつもモモの幸せを願っとる。」
モ「幸せなんて、」
サ「もう幸せはすぐ側にあるで?」
モ「え…」
サ「ミナがおるやん。」
モ「ミナ。」
サ「ミナと幸せになり!」
モ「…サナ、」
サ「ん?」
モ「好きになれなくてごめんね。」

サ「何いうとん。何年前の話を掘り起こしとんの笑。そんなの忘れたわ。」

目に涙が浮かぶサナに「ありがとう」と、小さくお礼をした。

モ「ミナに伝えてくるわ。」

サナは俺に背を向けて「おうよー頑張れ」と手を振った。泣いてるんだろう、だけど俺にはサナを慰める資格もない。これから俺は、ミナに恋をして後々結婚まで歩んでいくだろう。サナへの思いこれからの仕事への思いはきっと一生変わらない。



モ「ミナ。」
ミ「モモさ…」
モ「やっぱり泣いとる。」
ミ「…だって…」
モ「付き合おう」
ミ「え…」
モ「好きや。」
ミ「もも、ももさ…」

ボロボロと大きな雫が溢れる。涙で視界がぼやけてくるのに時間はかからなかった。


釣られ泣きなんてしたのは何年も前の話。


End


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