3Dプリンターで組み立てキットも作れる
デジタルファブコーナーの最大の見どころは、約900×1800mm、厚さ7cm程度のポプラ合板(畳一枚分程度の大きさ)を、イラストレーターで作成したデータ通りに切り出し加工が行えるSHOP BOTだ。ドリルのようなビットを使ってデータ通りに合板を切り抜くこの加工機械は、一般の人が使えるものとしては今回が日本で初めてとのこと。
これで何ができるかというと、簡単にいえば家具の組み立てキットが作れるのだ。まるでペーパークラフトを作るように、データを用意すれば後はこの機械が合板を丸くも四角くも不定形にもカットしてくれる。データ受け付け加工は今後対応する予定だそうだが、まずはこの機械でできることのデモも兼ねて、組み立て家具のキットを販売する。
例えば、「組み立て椅子」(4200円)、「Tea Timeテーブル」(3200円)といった具合。これらのキットはそのままDIYコーナーで教材になることもあるし、新しい製品として家具を開発する際のテストとしても使えるので、CAINZ工房としてもさまざまな局面で利用するという。
このキットがよくできていて、組み立て式の椅子やテーブルは収納や持ち運びに便利な家具として利用できるのだ。実際、それを想定してキットには荷締めベルトが付属しているし、持ち運び用のハンドルなども最初からデザインの中に組み込まれている。
ほかにも、高速で紙やすりが回転するスピンドルサンダーや木材をつなぎ合わせるためのホゾを切るのに便利な電動角ノミ機などの大型工具から、電動ドリルや電動ドライバーなどの小型工具まで借りられるので、それこそ、手ぶらで行って材料を買い、工房で加工して家具として持ち帰るといったことが可能。もちろん、それらの工具を使うための講習会も用意されている。
SHOP BOT用のキットを利用すれば女性でも、帰りにはオリジナルの椅子やテーブルを持ち帰ることができたりするわけだ。こうした工具やスタッフの充実は、今後のホームセンターにおけるプライベート工房サービスの一つのお手本になるだろう。
(文/納富廉邦)