311証人尋問の報告/協力し合った仲の悪い二人
■6月12日(水)13:30より、東京地裁626号法廷にて、平成30年(ワ)第7261号謝罪広告等請求事件(1980万円損害賠償請求)の証人尋問が行われました。裁判官は3人、原告側席には鐘築弁護士、近藤徳成局長、澤田拓也副局長の3人、被告席側には私と姉の2人、傍聴席には私達側の3人、家庭連合側の2人、どちら側か分からない2人の合計7名でした。証人は近藤局長、澤拓副局長、私の3人です。前の裁判(No.230)と同じ3名で、この順番に各人に対し、原告側からの尋問、私からの反対尋問、裁判官からの尋問を繰り返していきます。前の裁判では、近藤局長と澤拓副局長の尋問時にはお互いに席を外すように言われていましたが、今回は原告側席に着いたままだったので、そのことを裁判官に問いましたところ、近藤局長と澤拓副局長は原告なので、相手の尋問中にも席にいてよいとのことでした。
(1)周藤健出迎え問題に詳しく言及した近藤局長
■近藤局長と澤拓副局長に対する鐘築弁護士からの尋問では、今まで書類で提出していた原告側の主張を改めて口頭で述べていました。彼らがどこを強く主張したいのかよく分かる内容になっていました。また、私が突っ込んで質問してやろうと考えていたことに対して、ことごとく自分達で受け答えしていましたので、私の気負いが削がれる感じがありました。よく準備していたことが窺えます。
彼らのやり取りの内訳は、①周藤健をガレージ前で出迎える件、②暴力男に関する件、④玄関前に停めたバンに関する件、⑤照会メールに関する件、⑤暴力事件当日及びそれ以降のLINEのやり取りの件に分類されます。印象的だったのは、①に関して近藤局長がだいぶ詳しくやり取りをしていたことです。やはりこの件が暴力事件とセットになっているということを改めて感じました。近藤局長は陳述書に以下のように記しています。
□近藤:やがて古参信者で元副教会長の周藤健氏がタクシーで車庫前に来ました。周藤氏は80代半ばと高齢であるにもかかわらず、昨年来、周藤氏を見かけるその度に被告地平がしつこくつきまとい、大声で騒ぎ立てることもあったため、その後副総務局長の原告拓也と周藤氏とが話し合い、周藤氏にはタクシーで本部車庫前まで来て頂くことにしていました。周藤氏がタクシーの中から原告に携帯で連絡を入れ、同原告が車庫のシャッターを開ける手はずになっていましたが、この日に限っては、周藤氏はタクシーの運転手と話し込んでしまい、原告拓也に電話を掛け忘れてしまったとのことでした。このため、タクシーを降りても車庫のシャッターは開いておらず、そこに被告地平が待ち受けていたため、周藤氏は同被告につきまとわれ、大変な迷惑を受けたのでした。(「陳述書」2018.5.14)
■この同じ場面について、澤拓副局長は以下のように述べています。
□澤拓:周藤先生は普段は本部の10時半の礼拝に自宅から歩いて参加していましたが、去年秋に腰を痛めて通院するようになってからは、歩いて本部まで来ることが出来ず、タクシーを利用していました。歩くことは不安定なうえに、本部前の段差のある入り口で被告地平らに取り囲まれると危険であるため、私は周藤先生と話し合い、本部礼拝に参加する際には本部脇の車庫のシャッターから入っていただくことにしました。周藤先生がタクシーに乗った後に携帯で私に連絡を入れて頂き、車庫前にタクシーが到着したタイミングで私が車庫のシャッターを開けることにしました。
車庫のシャッターは、普段は開けていることが多いのですが、被告地平らが館内に侵入する危険性があると判断したため、日曜日には閉めるようにしていました。2018年1月14日、周藤先生は礼拝に参加するためタクシーに乗りましたが、タクシーの運転手と話すのに夢中になり、私に電話を入れるのを忘れたそうです。このため、タクシーが車庫前についても私はシャッターを開けることが出来ませんでした。運悪く、この日被告地平は、シャッター前で誰か幹部が来るのではないかと待ち伏せしていました。(「陳述書」2018.4.3)
(2)周藤健は本当に運転手と話し込んだのか?
■これらの近藤局長と澤拓副局長の主張で重要なのは、「この日に限っては、周藤氏はタクシーの運転手と話し込んでしまい、原告拓也に電話を掛け忘れてしまったとのことでした」及び「2018年1月14日、周藤先生は礼拝に参加するためタクシーに乗りましたが、タクシーの運転手と話すのに夢中になり、私に電話を入れるのを忘れたそうです」です。
周藤講師がタクシーの中から電話を掛け忘れたので、出迎えるはずだった澤拓副局長が出迎えることが出来なかったのであり、ガレージ前にいて私と遭遇した近藤局長は、決して周藤講師を出迎えるためにガレージ前にいたのではないという論法になります。二人に対する私の反対尋問で、電話の掛け忘れのことは、近藤局長は澤拓副局長から聞いた、澤拓副局長は周藤講師から聞いたと答えました。
私の主張は、周藤講師からの電話を受けて近藤局長が出迎えのためにガレージ前に出ていたところ、私に遭遇して逃げ出し、おかげで周藤講師は私からの口撃に晒されることになった。そのことを指摘されたので、近藤局長の私に対する憎しみが募り、それが暴力事件につながったというものです。ですから、この日周藤講師から電話連絡があったのかなかったのかは重要な争点になります。近藤局長は電話連絡はなかったということにしたいのです。そこで以下にようにストーリーを作ったと考えられます。
①□澤拓:周藤先生がタクシーに乗った後に携帯で私に連絡を入れて頂き、車庫前にタクシーが到着したタイミングで私が車庫のシャッターを開けることにしました。
↓
②□近藤:この日に限っては、周藤氏はタクシーの運転手と話し込んでしまい、原告拓也に電話を掛け忘れてしまった。
↓
③□澤拓:周藤先生は礼拝に参加するためタクシーに乗りましたが、タクシーの運転手と話すのに夢中になり、私に電話を入れるのを忘れた。
(3)短すぎるタクシー乗車時間
■先回6月9日の松濤本部前抗議活動の終わり頃、いつものように周藤講師がタクシーで乗り付け、玄関前に停まりました。それを見つけた私は急いでのぼりをしまい、ヘルメットを脱ぎ、道路を渋谷方向に移動して待ち構え、周藤講師を降ろしたばかりの、そのタクシーを拾いました。そして運転手に、今降ろした老人を乗せた場所まで行ってほしいと頼みました。
松濤本部前の道路は一方通行のバス通りになっていますが、周藤講師がタクシーに乗った場所は、その一方通行の起点になっている富ヶ谷1丁目交差点のファミリーマート前でした。私はその場所で改めてタクシーを拾い、一方通行のバス通りを進み、松濤本部前で降りました。所要時間はわずか1分30秒でした。この道路はほぼ一直線であり、グーグル地図で距離を測ると、タクシーでの移動距離は620メートルでした。
私は澤拓副局長に対する反対尋問で、まず周藤講師の自宅を知っているかを尋ねると、「知っている、一度訪ねたことがある」との答えでした。ではそこからタクシーではどのくらい時間がかかるのかを聞くと「4、5分」との答えでした。そこで私は上の話をして「1分30秒でした」と言い、タクシーに乗ればすぐに松濤本部に着いてしまうのに、タクシーに乗ってから電話をするように決めたというのはおかしいのではないかと聞くと、澤拓副局長は態度を強ばらせ、「そのように決めましたから」の一点張りでした。
■周藤講師は腰を痛めるまでは、松濤本部まで歩いたとのことでしたから、近くに住んでいるだろうと思ってはいましたが、自分で確かめてみるまでは、ここまで近いとは思いませんでした。澤拓副局長は以下のように述べています。
□澤拓:2018年1月7日、周藤先生から電話があり、10分後にタクシーに乗るとのことでした。(「陳述書」2019.3.28)
■このように、普通に考えるなら周藤講師は必ずタクシーに乗る前に連絡をしているはずです。ですから、1月14日もタクシーに乗る前に電話をしているはずです。近藤局長はどうしても1月14日は電話連絡がなかったということにしたかったので、タクシーの乗車時間がそこまで短いということを考慮することなく、運転手と話し込んだので電話を忘れたという安易なストーリーを作ってしまったのです。
(4)誰がバンを停めるように命じたのか言わない澤拓副局長
■澤拓副局長と鐘築弁護士とのやり取りにおいても、今までの彼らの主張を繰り返すものでしたが、一カ所違和感を覚えたところがありました。それはバンに関することでした。バンは澤拓副局長が玄関前に停めましたが、それを命じたのは当然のことながら近藤局長です。ところが、鐘築弁護士とのやり取りでは澤拓副局長はその辺りの経緯について、ごまかすような言い方をしました。
そこで、反対尋問でこの点について突っ込んで質問したところ、近藤局長から指示があったとは、決して答えませんでした。近藤局長はバンを停めた理由について、私達が赤いのぼりを持って本部前に並んでいると、本部が左翼に占拠されたようで見苦しいので、何とかこの状況を排除できないものかと考えていたと述べています。この部分に関する2人の陳述書の記述は以下のようになっています。
□近藤:そこで、本部前に大型車両を3台ぐらい並べて駐車すれば、こうした状況を排除できるのではないかと考えました。(中略)そこで、原告澤田に対しては、こうした方法を検討してみて欲しいとだけ伝えました。(「陳述書3」2019.3.28)
□澤拓:そうしたところ、数日後、近藤総務局長の方から、本部玄関前に大型車両を複数駐車することによって被告らの妨害活動を排除できないか検討してみてほしいとの要請がありました。2018年1月21日、この日、本部にはあいにく大型車両はなく、ワゴン車しかありませんでした。しかしそれでも玄関前にワゴン車を駐車した場合、被告地平らがどのような動きをすることになるのか確認したいと思い、朝から玄関前にワゴン車を1台停めてみました。(「陳述書」2019.3.28)
■私は澤拓副局長に近藤局長に指示されてバンを停めたのかと聞いたら、そうではない、自分も被告らの活動を排除する方法として玄関前に大型車両を停めることを以前から考えていたと答え、近藤局長と2人で決めたという言い方でした。これはおかしなことで、近藤局長に責任を持たせないようにするために、あり得ないことを主張しています。バンについてはどこまでも責任の所在をごまかしたいという姿勢が見え見えでした。
また、どうして「荷物の積み下ろしをした」というウソをついたのかと質したところ、態度が強ばり、妨害活動をしている相手に正直に答える必要はないからだということでした。それならば、私達を排除するために玄関先にバンを停めたという理由もウソなのかと聞いたところ、(証人尋問の前に)宣誓しているのでウソではないと答えていました。
近藤局長への反対尋問で、澤拓副局長がなぜバンのことでウソをついたのかと聞いた時にも、急に態度を硬化させ、そんなことは自分は知らないと言って、完全な拒絶姿勢を示したので、それ以上質問することが出来ませんでした。バンのことは彼らにとって最大の鬼門になっているように感じました。
(5)再び墓穴を掘った照会メールの証拠提出
■証人尋問前日の6月11日、家庭連合からバイク便で証拠資料が送られてきました。ギリギリで送ってくるものですから、この証拠について話が出たらその場で反論しようと思い、私は反論の文書を用意しないまま証人尋問に臨みました。やはり近藤局長は尋問中にこの証拠に触れ、澤拓副局長は2017年1月24日時点で照会メールを出したことで間違いないと主張しました。証拠の説明は以下です。
□家庭連合:本書面においては、2018年1月24日に世界平和統一家庭連合の澤田副総務局長が全国5地区の各事務局長らに対して送った照会メール(甲13号証の1、2)を受けた第4地区の浜田恒央事務局長が、地区内の教区ないし教会に同メールを転送したことに対して返信されたメールをキャプチャリングした画像を添付する。(「画像報告書」2019.6.11)
■これには3枚の画像が付けられていました。これは澤拓副局長からの照会メールを、第4地区の浜田恒央事務局長がそのまま転送したものに対して、島根教区の内藤隆夫総務部長、加古川家庭教会の安見順介総務部長、西宮家庭教会の荒木達弘総務部長の3人が、そのような人物(暴力男)はいないと報告した返信メールの画像です。
そこでこの返信されたメールの件名を見れば3つとも「Re:【緊急】サンクへの暴力事件+m」となっています。ところが、浜田恒央事務局長が転送したメールの件名は「Fw:【緊急】サンクへの暴力事件+m」ですから、これに対する返信の件名は「Re: Fw:【緊急】サンクへの暴力事件+m」でなければなりません。このことを指摘したなら、近藤局長は家庭連合のメールシステムは特別仕様なので何とかかんとかと答えていました。
返信メールの件名には「Re:」が自動的に付加されます。そして、そのまた返信には「Re:」が再度付加されて「Re: Re:」になるかと言えば、そうはならず、何度返信をお互いに繰り返しても「Re:」のままです。しかし「Fw:」の場合は自動的にそのような操作はされません。まして、それに返信した場合「Fw:」が自動的に消えるということはあり得ません。家庭連合のメールシステムがいかに特別仕様であるといっても、「Fw:【緊急】サンクへの暴力事件+m」に対する返信が「Re:【緊急】サンクへの暴力事件+m」になることはありません。ですから、この証拠は捏造であると見るべきです。
■照会メールに対する返事は現時点において来ているのかを澤拓副局長に聞いたところ、来ていないとの答えでした。少なくとも第4地区にはこのような回答が来ているのに、なぜそれがあなたに来ていないのかと聞きましたら、現場でとりまとめをしてから返事するつもりだったからだと答えました。全国への問い合わせとして照会メールを送ったのに、それに対する返事が全く来なくても、それで済まして平気なのか、該当する人間がいないのならば、いないという返事がなければおかしいのではないかということを聞きましたが、何と答えたのか覚えていません。
近藤局長は照会メールに対する回答がなかったことをもって、暴力男は家庭連合の所属ではないと判断したというのですが、それは澤拓副局長がメールを出して1週間後のことでした。わずか1週間でそのような判断をしてもよいのかと質問しましたが、何と答えたのか覚えていません。続けて、家庭連合の会員は何名ですかと聞きましたところ、50万人と答えました。私は続けて「では、50万人の中に暴力男はいないということですね」と聞くことも出来ましたが、近藤局長は「はい」と答えるでしょうし、その主張のおかしなことは裁判官にも伝わったはずと思い、それ以上聞くのは止めました。
(6)分かり易く出来ているのが人間
■証人尋問は仲間同士のやり取りは、打ち合わせ通りということもあり、実にスムーズですが、いったん反対尋問になると証人は警戒モードになり、まずいことを聞かれると急に態度を硬化させ、怒り出したりするので、人間というものは分かり易く出来ていると思います。
近藤局長が怒り出したのは、バンに関して澤拓副局長がなぜウソをついたのかという質問のところでした。澤拓副局長が怒り出したのも同じ質問のところであり、澤拓副局長はそれに加えて、タクシーの乗車時間が短いのに、タクシーに乗ってから周藤講師が電話すると約束したのはおかしいのではないかと質問した時でした。本来仲の悪い二人(No.300)ですが、追い詰められたところで、全力で協力し合っている姿が垣間見えました。
■私は最後に、裁判官から暴力男がどうして家庭連合側の人間だと思うのかと聞かれ、1つは私を殴った後、男が逃げるように渋谷方面に戻ったこと、それと暴力男の後を追いかけて行った人間がいたことの2点を上げました。そして、事件直前に暴力男が近くの店で待ち合わせをしていたということもありますねと付け加えました。
するとここで近藤局長が割り込んで来て反論し、どうして待ち合わせをしたということが分かるのかと聞いてきました。私は映像を見たら分かると答えました。すると、あなたは店の中で男が待ち合わせをしているのを見たのかと聞いてきました。
私は「見てません」と答えればよいのですが、近藤局長のあり得ない状況設定と「見たのか」というフレーズにカチンと来るものがあり、裁判官に向けていた顔を左横の近藤局長に向け、「あなたは私が見たと思いますか」と聞き返しました。おそらくこの時の私の態度及び声は硬化していたのではなかろうかと思います。私を含め、人間は分かり易く出来ていると思います。
どうやら松濤本部の中ではこの「お前は見たのか!」が、何かの時に相手を追い詰める時の常套句として用いられているのかも知れません。私は散々言われて来ましたので、最後に井口氏から言われた時に、「あなたはイエス様を見たのか!」と言い返してやりました。すると「見た!」と答えました。続けて「あなたは神様を見たのか!」と言い返してやりました。すると「見た!」と答えました。次からは私も「見た!」と答えることにします。「(心の中で)見た!」という意味です。
■裁判は今回をもって結審し、9月25日(水)13:10〜、東京地裁626号法廷にて判決の言い渡しです。
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