福井発生活守る伐採 野鳥には… 福井の足羽川中流域
配慮を求める声頭悩ます土木事務所福井市の足羽川中流域で、水害防止のために進められている河川敷の樹木伐採作業に一部で反発の声が上がっている。今は野鳥の繁殖期で、日本野鳥の会福井県の一部の会員は「野生生物に影響の少ない方法でやってほしい」と訴える。作業を進める県福井土木事務所は住民らと協議しながら作業を進めているが、安全確保と自然環境保護といった難しい判断の中での作業となっている。 (坂本碧) 福井土木事務所などによると、足羽川中流域二キロ区間の両岸の数カ所で、出水期の六~九月にかけて樹木を伐採する計画。昨年七月の西日本豪雨被害などを受け、国は河川敷の樹木の集中的な伐採など各種対策を決定。三年計画で予算化し、県内では十五の河川で取り組み、足羽川もその一環。 日本野鳥の会福井県は長年、県に対してまとまって生えている高木を残すなど、生物に影響の少ない方法で作業するよう要望していた。今年四月、同会の会長と県の担当課が協議し、県は防災、減災のためという作業の趣旨を説明。作業前に各土木事務所と会長が現地で協議し、伐採の在り方を確認していくことで合意した。福井土木事務所は四、五月に二回、現地で協議している。 一方、川の河川環境を長年調査している会員男性(76)は、伐採された木の枝や幹が積まれた河川敷を見て「河川環境の保全を意識してくれているのか」と疑問視する。男性によると足羽川には年間約六十種の鳥が訪れる。「大水で災害を防ぐために、伐採は必要だと分かっている。しかし四~六月は鳥が営巣したり卵を産む繁殖期。この時期に伐採すれば生息環境を破壊することになる」と悔しがる。 福井土木事務所は「住民からは伐採してほしいという意見もある。環境の保護も必要だと考えているが、防災とのバランスを考えた上で作業を進めている」と頭を悩ませる。 今、あなたにオススメ Recommended by PR情報 |
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