19世紀末、質量の単位「キログラム」は、自由と平等の精神のもと、世界共通の基準として整備されました。
それから130年あまりが経過したいま、ついにキログラムの定義が書き換わります。
人工物である「原器」から、全宇宙共通の「プランク定数」へ。
そこには、長年にわたる「精度」との戦いがありました。
19世紀末、質量の単位「キログラム」は、自由と平等の精神のもと、世界共通の基準として整備されました。
それから130年あまりが経過したいま、ついにキログラムの定義が書き換わります。
人工物である「原器」から、全宇宙共通の「プランク定数」へ。
そこには、長年にわたる「精度」との戦いがありました。
2019年5月20日。この日、キログラムの定義が変わりました。
これまで1キログラムは、この「キログラム原器」の重さそのものでした。
130年のあいだ「1キログラム」であり続けたこの分銅に、いったい何がおきたのでしょうか。
電磁気の力で極めるか、原子の個数で到達するか……
世界は二手に分かれて、誰も到達したことのない精度のプランク定数を導くために走り出しました。
「世界で最も完全な球体」
改定のためには、このなかの原子の数を正確に数えることが必要です。測定に許された「不確かさ」は誰も到達したことのない精度、1億分の5。
しかし、日本は最終的にこれをさらに上回る精度にたどり着くことができたのです。
2018年11月16日、キログラムの定義改定が国際的に承認されました。産総研は、この改定のために用いられたデータのうち、半数に貢献。国際単位の歴史に初めて日本の名を刻む成果を導いたのは、産総研の総合力、そして地道に研究を蓄積し続けてきた継続力の賜物でした。
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