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【社会】長年の男女平等推進たたえ フィンランド政府、上野さんに感謝状
フィンランド政府は、平等な社会を目指して尽力する人をたたえる「ハン・キャンペーン」の第一弾で十七日、日本のジェンダー研究の第一人者として知られる上野千鶴子東大名誉教授に感謝状を贈った=QRコード。 キャンペーンは、フィンランドが重んじる「平等」や「機会均等」の価値観を世界中で促進するため、今年一年限定で展開。第一弾では、経済格差、LGBTなど性的少数者差別の解消などに取り組む十六カ国の個人・団体が選ばれた。 上野さんは性差別や性的虐待の問題に長年取り組み、社会に発信。四月の東大入学式の祝辞で根強い女性差別に言及し、大きな反響を呼んだことも選出理由となった。 フィンランド大使館(東京都港区)で行われた表彰式では、同国初の女性大統領を務めたタルヤ・ハロネンさんが、上野さんに感謝状を手渡した。上野さんは「半世紀前まで西欧も家父長制社会だったが、彼らは社会を変えた」と指摘し、フィンランドの成功を学ぶことで「私たちにもできる、と思える」と語った。 フィンランドは国会議員の47%が女性。今月発足した中道左派内閣では、閣僚十九人中、女性が十一人を占め、半数を超えた。 (小嶋麻友美)
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