日に日に異常かつ暴力的に?「日本人はどうしてしまったのか」と中国メディアが懸念
2019年06月14日 07時40分 Record China
アジア・パシフィック・デイリーは12日、日本でこの頃「不寛容さ」が原因の事件が多発していることを受け、「日本人はどうしてしまったのか」と題した記事を掲載した。
10日、神奈川県茅ヶ崎市で、イヤホンからの音漏れを注意した男性を線路に突き落とし、その後も暴行を続けたとして、会社員の男(40)が逮捕された。また、同日には東京都足立区でも幼稚園の送迎バスを待つ園児の声に腹を立て、親に「子どもたちを騒がせるなら何があっても文句を言うな」といった脅迫文を郵便受けに入れたとして、無職の男(71)が逮捕された。
こうした事件を受け、記事は「日本はこれまで、人々が多元的な考えを持っていて寛容であることで知られてきた。しかし、ここ数日のニュースはますます多くの日本人が自分の怒りを思うがままぶちまけるようになったことを示している」と指摘した。
そして、現代社会の問題についての日本人の見方を紹介。東京都のある大学生は、「仕事終わりの会社員は前よりももっと疲れているように見える。ストレスで短気になり、とりとめのないことをめぐってあちこちでいさかいが起こっているのではないか」と話し、40代の会社員は「現在はITやメディア、インスタントメッセージの氾濫により、社会のリズムがどんどん早くなっていて、相手から反応が返ってくるのを待てなくなっている。スピードと効率を求め、思い通りにいかないことがあると我慢できなくなったりしてしまう」「多くの人がネットの中の世界に入り込んでいることも、暴力が現実に持ち込まれる原因の一つだと思う」などと話したという。
さらに、東京都のある会社経営者は「日本の若者は収入に不安を抱えており、特にアルバイトや契約社員といった人は十分な社会保障を受けられていない。昔の会社はまるで家族のように社員にさまざまな利益や終身雇用を保証してくれたが、現在の日本では失業もざら。これも若者の不安と焦りにつながっている」と語った。記事はまた、今月3日に金融庁が「定年後に夫婦で95歳まで生きる場合には約2000万円の貯蓄が必要になる」というレポートを発表し、国民に、年金だけでは老後の生活が成り立たないのではないかと懸念を抱かせたことを紹介した。
その上で、東京大学社会科学研究所が2015年に、日本人と米国人、英国人を対象に現状への満足度と将来への期待度を調査、比較した研究結果を紹介。「将来に希望を感じるか」という質問に対し「はい」と答えた割合が、米国人で93%に上ったのに対し、日本人は54.5%だったことに触れ、「日本社会は前例のない社会的ストレスに直面しており、日本人の性格が日に日に異常かつ暴力的になりつつあるのかもしれない。先行きが本当に懸念される」と指摘した。(翻訳・編集/岩谷)