フェンシングのアジア選手権第3日は15日、千葉ポートアリーナで個人戦2種目が行われ、史上初の日本人同士の決勝となった男子エペは、山田優(25)=自衛隊=が宇山賢(27)=三菱電機=を破り初優勝。世界ランキング2位の見延和靖(31)=ネクサス=は2回戦で、同6位の加納虹輝(21)=早大=は3回戦で敗退した。女子フルーレは2018年世界ジュニア・カデ選手権覇者の上野優佳=星槎国際高=が準優勝。2020年東京五輪出場枠は来年4月までの国際大会の成績で決まり、今大会も対象になる。
優勝が決まると、山田はマスクを投げ捨てて雄たけびを上げた。「『3セット目で勝負を仕掛けよう』と思っていたのがはまった」。直後の場内インタビューで「めちゃくちゃうれしい」と顔をほころばせた。
「エペジーーン」を合言葉にする日本男子「エペ陣」で、史上初のW杯優勝を遂げたチームメート同士の対決。「日本人同士だから、楽しんでやろう」と臨んだ山田に、軍配は上がった。
W杯個人戦で優勝経験がある見延、加納のダブルエースが早々に姿を消した中で存在感を発揮。準々決勝では見延を2回戦で破ったアレクサニン(カザフスタン)を撃破した。
「普段エペで注目されているのは見延さんや加納なので、宇山先輩と決勝を戦えたのはよかった」。個人戦のタイトルは2014年の世界ジュニアで優勝して以来。14日に25歳の誕生日を迎えたばかりの剣士が、最高のスタートを切った。 (広瀬美咲)