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【社会】

「共謀罪」表現の萎縮 懸念 成立2年 廃止求める集会

共謀罪の廃止を求める集会で議論する精神科医の香山リカさん(左)と日本ペンクラブの吉岡忍会長(中央)ら=15日、東京都文京区で

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 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法の成立から二年の十五日夜、同法の廃止を求める集会が東京都文京区内であった。

  (木原育子)

 「共謀罪」法は、捜査機関による乱用や言論の萎縮などが懸念される中、自民、公明両党が二〇一七年六月十五日の参院法務委員会で採決を省略する異例の手続きで議論が打ち切られ、本会議で強行採決した経緯がある。

 集会は「共謀罪廃止のための連絡会」など三つの市民団体が主催。同会の米田祐子さん(44)は「問題意識を再確認していきたい」と呼び掛けた。

 月刊「創」編集長の篠田博之さんをコーディネーター役に、日本ペンクラブ会長の吉岡忍さんと、精神科医の香山リカさんも対談した。

 ネットに批判的な書き込みをされて都内の講演会が中止になった香山さんは、「行政は少しでも問題がありそうなものは手を引きたがる。ある種の表現の萎縮を招いている」と指摘した。

 昨年四月に自由人権協会などが、第三者から個人情報の提供を求められた際の方針について、インターネット事業者十三社に実施したアンケート結果も報告された。五社しか回答がなく、芹沢斉(ひとし)代表理事は「共謀罪を効果的に運用するには監視が必要になる」とし、プライバシー保護の取り組みの遅れを危惧した。

 都道府県警がテロ等準備罪(共謀罪)の捜査を行うときは事前に警察庁へ報告することになっている。警察庁によると、同罪を適用して捜査をした事例は全国で一件もないという。

 

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