さよなら、iTunes。誕生、成長、混乱、そして終焉までの18年間を振り返る
日本時間2019年6月4日午前2時から開始のWWDCにて、アップルはiTunesの機能を整理分割し、新たな音楽アプリ「Apple Music」その他に生まれ変わらせると発表した。2001年1月の発表から18年。iTunesの歴史に幕が下ろされることになる(当時のニュースリリース)。
猫ならば長生きだったと言えるが、iTunesは猫ではなくアプリなので、長命短命の判断は難しい。しかし僕にとって身近な存在であったという意味では猫と同様だ。ここでは “彼” のことを、僕自身の思い出も交えつつ、少し振り返ってみたいと思う。
当時をリアルタイムで体験していなかった方にとっては意外かもしれないが、iTunesは実は、iPodよりも一歩早く登場している。iPodが発表されたのは2001年10月23日で、その際のキャッチコピーは、「iTunes to go」。iPodはまずiTunesありきで、その音楽ライブラリを外に持ち出せるアイテムとして登場したわけだ。
個人的にもiPod購入より前からiTunesを使い始めており、まさに「iTunes to go」感覚でiPodを使い始めたように記憶している。
■2001年 - 2002年:MP3のビットレートに悩む
ざっくり2002年登場のVer.3までが「初期のiTunes」だったと言えるだろう。この時期にもVer.2でのiPod対応、Ver.3でのスマートプレイリスト機能追加といった重要な変化もあるが、それらも含めて現在まで続く「iTunesの基本」が完成された時期だったと思う。
この時期のことを思い出すと、もっとも悩ましかったのは「MP3のビットレートどうする問題」だった。当時はMacやPCのHDDもiPodのHDDも容量が限られており、多くのユーザーが「MP3のビットレートは音質変化が極端には目立たない範囲で限界まで下げ、音楽ファイルの容量を抑えたい」と考えていたのだ。同じ曲を64kbpsから192kbpsまで設定を変えてエンコードし、音質と容量を検証しまくったりした方もいるだろう。
iTunesに搭載のMP3エンコーダーよりも同一ビットレートでの音質に優れるとされた「LAME」を利用したエンコーダーに手を出していた方もいるかもしれない。「MP3はLAMEでエンコして、コマンドラインオプションを語れ!」だ。
そもそもiPodの内蔵記憶装置がHDDだったりする時点で、若い方々には理解し難いのではないかと思うのだが、そういう時代だったのだ。
だがその時代は、一気に終焉へと向かう。
■2003年:iTunes Music Store開始&AAC対応!
2003年4月リリースのVer.4.0にて、「iTunes Music Store開始」「AAC対応」という大きな大きな変化が訪れる。「iTunes Music Storeが開始され」「その配信形式にAACが採用され」「CDリッピングにもそのAACを利用できるようになった」のだ。
当時のiTMSでの配信形式は「DRM付きの」AAC/128kbpsだったのだが、この128kbpsというビットレートでは特に、MP3と比べてAACは音質劣化が目立ちにくかった。劣化しないわけではないのだが、劣化の仕方がMP3ほど尖っていなかったというか、たとえるならばカセットテープにダビングしたときのように、比較的自然な劣化具合だった印象だ。
これを機に、世間はともかくiTunesユーザーの間では、「デフォルトのこれ=AAC/128kbpsでいいじゃん」という意識が広まったような気がする。この「iTunesユーザー」にWindowsユーザーが含まれるようになったのも、このVer.4系列のVer.4.1からだ。
2004年、独自コーデック「Apple Lossless」登場!■2004年:Apple Losslessに賭ける!
だが個人的には、コーデック周りの悩みに当面の終止符を打つ決定打となったのは、2004年4月リリースのVer.4.5での「Apple Lossless対応」だった。
この頃には、ある程度のお金を積めばそれなりに大容量なHDDも購入できるようになってきており、音質劣化なしにデータ容量をある程度は圧縮できるロスレスコーデックとしてもFLAC等がすでに存在していたが、iTunesはそのFLACに対応していなかったしする気配もなかった(そしてFLACの再生にもiPhoneへの転送にも対応しないままその歴史を終えることになった)。
そこに唐突に出てきたのが、このアップル独自のロスレスコーデック「Apple Lossless(ALAC)」だ。
ぶっちゃけFLACに対して何かが優れているわけでもなく「FLAC相当の独自コーデック」というものでしかない。しかし「iTunesで利用できて」「iPodに転送できる」のだ。それだけでiTunesユーザーには、とてもとても魅力的だった。
しかし今はともかく、当時の「アップル独自規格」なんてものは、将来性の面で全く信用ならないものであり、それに乗るのはかなり危険なようにも思えた。
当時の僕は、当時のCDコレクションの全てをALACでリッピングし直した。数百枚程度だっただろうか。数年後に無駄になる可能性も覚悟していたが、それでもその時点では、iTunes&iPodの環境でロスレスのライブラリを構築できる誘惑が強力だったのだ。なので賭けに出たわけだ。
まあ、ロスレスなんだから、いざとなれば無劣化で他のロスレス形式に変換できるだろうという保険もあったのだが。
それから今日に至るまで、僕の音楽ライブラリの最大勢力はALACであり続けている。
2011年10月にはALACのソースコードはオープンソース化され、現在では、ALACの再生に対応する機器はApple製品に限らず幅広い。ALACで不便を感じることはあまりない。僕は賭けに勝ったのだ。
その他、Ver.4系統では「パーティーシャッフル」「AirTunes」などの機能追加も印象的だった。いま考えるとパーティーシャッフルは翌年登場のiPod shuffleを予見させるもの、AirTunesはワイヤレスオーディオやネットワークオーディオの一部を先取りしたものだったと言えるかもしれない。
なおパーティーシャッフルは、後のバージョンで「iTunes DJ」に改名されており、そちらの名前の方により親しみのある方もいらっしゃるかもしれない。
■2006年:一瞬のきらめきを見せたCover Flow
2005年9月登場のVer.5では、「インターフェース刷新」「スマートシャッフル機能」「プレイリストのフォルダ管理」といった更新や追加が行われたが、正直あまり印象に残っていない。
同年10月には早くもVer.6も登場したが、そちらも「動画再生対応のiPodの発売に合わせて動画転送機能を搭載」というだけのバージョンだったようだ(記憶に残っていないので検索して確認した)。
これらに対して、しっかりと印象に残っているのは2006年9月12日登場のVer.7だ。iTunes Music Store改めiTunes Storeからの映画購入に対応したバージョンだが、それ以上に、「インターフェースがさらに刷新」「Cover Flowの搭載」にインパクトがあった。
アルバムのアートワークをパラパラとめくっていくようなこのインターフェース、元々はサードパーティ製品の技術であったが、その技術をアップルが買収してiTunesに搭載した。
思えばこの頃のアップルは、倒産寸前からiMacとiPodでの大復活で浮かれていたのか、「ほしい技術は買っちゃうもんね!」が目立ったような。僕も「アップル、いつまでもつのかな……」という不安な時期を脱した安心感からか、アップルのそんな様子も微笑ましく眺めていたように思う。
さておき、このCover Flow。大量のアルバムから目的のアルバムを見つけるといった狙い撃ちのブラウジングには向いていないが、「何となくパラパラして、目に留まったアルバムを聴く」というようなリスニングスタイルを楽しくしてくれるものではあった。
また画像ファイルなどビジュアルコンテンツのブラウジングには普通に向いているものであったので、Mac OS X 10.5 LeopardのFinderにも採用されるなど、それなりに効果的に利用されていたように思う。…のだが、2012年のVer.12で消滅した。
そのほかVer.7系列では、2007年6月の7.3でiPhoneへの対応を開始、2008年7月の7.7でApp Storeに対応、というのが歴史的なポイントだろうか。
これがのちに問題視されるiTunesの「増改築」「肥大化」へと繋がっていくことになる。
しかしこの時点では、「iPod+通信機能=iPhone」の管理を、iPodと同じくiTunesに担当させることは至極当然の判断であり、間違ってはいなかったはずだ。
覚えてますか、「iTunes Ping」。そして、iCloud連携へ■2010年:インターフェース変更とクラウド傾倒の始まり
Ver.8系列ではあまり印象的な出来事はなかった。強いて言えば前述の「パーティーシャッフルが『iTunes DJ』に名称変更」したことくらいだろうか。そしてVer.9でも「インターフェース刷新」があったとのことだが、やはり、あまり記憶にない。
だがしかし!2010年9月登場のVer.10から流れが変わる。このVer.10には、「iTunes Ping」が搭載されたのだ!……ソレナンデシタッケ?
Pingとは音楽を軸にしたSNSや相互レコメンドネットワーク的なもので、ジョブズ氏曰く「FacebookとTwitterがiTunesに出会ったようなもの」なのだ!……いや僕も使ったことないからわからんけど。そして早くも2012年9月30日にサービス終了しているので、今から確かめることもできない。
思うにこれ、サブスク時代にこそヒットしたかもしれないサービスだったのではなかろうか。早すぎたんだ…。
このVer.10系列では、2011年10月の10.5で「iTunes in the Cloud」に対応、2011年11月の10.5.1でiTunes Matchに対応と、アメリカなどではクラウド系機能の追加ラッシュが始まった。終わりの始まりは、この頃かもしれない。
これらのクラウド機能については、ユーザーがローカルで手動整理していたタグ情報やアートワークが、クラウド側の情報をもとに改変されてしまうという事態の報告を「稀に」とは言えないほどの頻度で見かけた。それは困ると、個人的には今日に至るまで利用を回避し続けている。
その問題があったため、その後iTunesと統合されたApple Musicの利用に二の足を踏んでいるというユーザーも、少なからずいるのではないだろうか。
■2012年から現在まで:混沌のるつぼは、新アプリへの序章?
2012年11月発表のVer.11.0ではまたも、インターフェース刷新(「次はこちら」搭載、Cover Flow廃止など)、iCloud連携の強化が行われるも、その後は大きな改良も機能追加もなく、2014年10月にVer.12.0.1が登場。そこでさらに、またもやインターフェース刷新が行われる。
時代ごとに求められる機能性も変わってくるのだから、不変のインターフェースにこだわりすぎる必要はない。しかし、普遍的な使いやすさや美しさを備えたインターフェースデザインであれば、わずか二年での連続刷新ということにはならないだろう。
この頻繁なインターフェース刷新は、近年のiTunesにアップル自身が確信を持てていなかったからなのではなかろうか。そう思えてしまう。
そして2015年7月にリリースされたVer.12.2でのApple Music対応、2017年9月に登場したVer.12.7でのApp購入&管理機能の廃止は、以前より指摘されていた「機能増改築」「肥大化」への明確な対策の始まりと言えるだろう。
今回、音楽機能のみに特化した「Apple Music」アプリに生まれ変わるわけだが、その準備はすでに始まっていたというわけだ。
この時期の混乱は、次なる音楽アプリを生み出すために必要な試行錯誤だった。結果的にこの混沌があってこそ、素晴らしい新アプリが生み出された。そんな風に思える未来が来るとよいのだが…。
■そして2019年:再び最高の音楽アプリへと生まれ変わる最大最後のチャンス!
そんなわけで、近年のiTunesは「インターフェース刷新」も「機能追加」も空回りしていた印象だ。ユーザーがバージョンアップに期待ではなく不安を覚えるという、実に悲しい状況だった。
今回発表された「Apple Music」アプリがどのような仕上がりになるのか、執筆時点ではわからない。
だが何にせよ、その新アプリを一から育てていけるここからの数年を逃せば、ユーザーからの厚く熱い支持を取り戻せるチャンスは、二度と再び訪れない可能性が高いだろう。
アップルさん、いまです!このチャンスに全力で!「世界最高かつ最も使いやすいジュークボックスソフトウェア」をもう一度お願いします!
(高橋 敦)
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SpinFit、完全ワイヤレスイヤホン向けイヤーチップ「CP360」。医療用シリコン採用
バリュートレードは、SpinFitのイヤーチップ新製品として、医療用シリコンを採用した「CP360」、チューブ内部に固定槽を設けた「CP500」の2モデルを6月5日に発売する。価格はCP360が2ペア(2サイズ1ペアずつ)で1,370円(税抜)、CP500が2ペアで1,350円(税抜)。
「CP360」は完全ワイヤレスイヤホン向けに開発されたイヤーチップで、医療安全性規格 ISO10993を取得した医療用グレードのシリコンを採用することで、アレルギーが出にくく、異物感の少ない柔らかな質感を実現するとのこと。
イヤホン本体に装着したまま充電ケースに収納しやすいよう、サウンドチューブを短く設計。完全ワイヤレスイヤホンを、耳によりしっかり固定できる形状を採用した。AVIOT/Jabra/SENNHEISER/SONY/B&O/SOL REPUBLIC/Pioneer/RHA/JVC/NuForceなど多数のブランドの完全ワイヤレスイヤホンと適合するとしている。
チューブ内径は汎用性の高い3.6mmとし、数多くある市販イヤホンにも対応するとのこと。サイズ展開は「L/M」「M/S」「S/SS」の3パッケージ展開で、1パッケージに2サイズが同梱するのはSpinFit初とのこと。
「CP500」はチューブ内部に固定槽のある構造としたイヤーチップで、イヤホンのステム部分先端が太くなっている機種と相性がよく、しっかりとした固定感、高い装着感を実現するという。
チューブ内径は5.5mm。シリコンの傘が長めに設計されており、耳奥まで入りやすく密閉性も高いとのこと。final「E1000/E3000」、JVC「HA-FW10000/HA-FX1100」などに対応するとしている。
いずれもヨドバシカメラ、ビックカメラ、eイヤホン、フジヤエービック、Amazonなどで取り扱い予定。
JAPANNEXT、HDR対応24型フルHDゲーミングモニター「JN-24GT240FHDR」。6/11まで約3.4万円
JAPANNEXTは、HDR対応の24型フルHDゲーミングモニター「JN-24GT240FHDR」を6月11日より発売する。価格は43,980円(税込)だが、本日4日より11日まで発売記念特価販売セールを実施。セール中は1万円引きの33,980円(税込)で購入できる。
1,920×1,080のフルHD解像度を持つ24型ゲーミングモニター。リフレッシュレート最高240Hzに加え、TNタイプパネル採用により応答速度1msを実現。ゲームや動画の高速な動きにも対応し、残像を大幅に削減してハッキリと表示するという。コントラストは1,000:1、アスペクト比は16対9。
モニターはHDRに対応。Radeon FreeSyncにも対応するため、色鮮やかで滑らかな映像表現が可能とのこと。ゲームモードは視認性を高める3種類を用意。また、モニターの点滅を抑えるフリッカーフリー設計で、ブルーライト低減機能も搭載。目への負担も軽減できるとする。
その他、3Wのステレオスピーカーを内蔵。入力端子はHDMI2.0×1、HDMI1.4×1、DisplayPort×1を搭載。壁掛けできるVESAマウント(100×100mm)にも対応する。外形寸法は564W×410H×157Dmm(スタンド含む)で、質量は約3.9kg。
先述の通り、本日4日から11日までは発売記念特価販売セールを実施。同社の直販サイトやAmazon販売ページなどにて通常価格より1万円引きの33,980円(税込)で購入可能だが、発送は11日を予定しているとのこと。
ラトック、スマホから家電を操作できるスマートリモコン「RS-BTIREX2」
ラトックシステムは、スマートフォンから家電製品を操作できるBluetooth接続方式のスマート家電リモコン「RS-BTIREX2」を発売した。価格はオープンだが、販売価格は4,000円(税抜)。ドコモショップにて販売が行われる。
専用アプリ「BTスマート家電リモコン」に家電製品を登録することで、スマートフォンからの操作ができるようになるというリモコン。赤外線リモコンに対応している家電製品であれば、本機からの操作が可能だという。本製品を使うことで、「リモコンを持ち替えたり探し回ったりすることなく、手元のスマホで家電のコントロールが行える」とアピールされている。
今年8月にはSiriショートカットとGoogleアシスタントにも対応予定。主要メーカーのテレビ、エアコン、照明、扇風機や電動カーテンなど、450機種以上のリモコンデータがプリセットとして提供されている。また、登録されていない場合は、手動登録することもできる。
通常のリモコン操作のほか、複数の家電操作をマクロとして登録する機能や、よく使うリモコンボタンをウィジェットとして追加する機能も搭載。赤外線の有効範囲は上方全方向水平方向に最大360度、飛距離は見通しで最大20mとなっている。本体底面の吊り下げ用ホールを使用することで、壁にかけて使うこともできる。
ドコモテレビターミナルとの連携にも対応。ドコモが提供する音声エージェント機能「my daiz」にも対応しており、my daizに話しかけることで家電を操作したり、外出先から温度・湿度を確認してエアコンを操作したりすることもできるという。
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Shure、「SE846」のプロ向けモデルを6月21日に販売再開。約10万円
完実電気は、販売完了していたShureのイヤホン「SE846」のプロフェッショナル向けモデル「SE846-CL-A」を6月21日より販売再開する。予約開始日は6月17日。価格はオープンだが、99,800円(税抜)での実売が想定されている。
「SE846-CL-A」は、4BAドライバー構成のイヤホン「SE846」に標準ストレートケーブルのみを同梱したモデル。現時点でSE846は、ストレートケーブル、マイクリモコン付きケーブル、BTケーブルを同梱したコンシューマー向けモデルのみがラインナップされていた。
プロフェッショナルユーザーから「ライブステージや制作のモニタリングに同製品を使いたい」という声があったため、本製品の再販売に至ったとのこと。プロフェッショナル向けではあるが、同社は「ポータブルハイエンドプレーヤーで音楽を楽しむオーディオファイルの方にもおすすめ」としている。
同製品には162cmと116cmの2本のストレートケーブルが同梱。また、パッケージが現行ラインナップと同様のデザインに変更されるほか、旧製品に付属していた航空機内容アダプター、レベルコントローラー(インラインアッテネーター)は同梱されない。
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ファーウェイ「P20 lite」、Android 9.0アップデートを実施。Googleによるセキュリティ強化も
ファーウェイは、SIMフリースマートフォン「HUAWEI P20 lite」のAndroid 9.0/EMUI 9.1へのソフトウェア・アップデートを6月4日から順次行う。
米国商務省がファーウェイ製品を輸出規制制限の対象としてから、初のAndroid OSバージョンアップとなる。
アップデートは6月4日17時より順次開始。アップデート可能なユーザーに対して更新通知が届く仕組みとなっており、約1ヶ月ですべての端末がアップデート可能になるとしている。
そのほか、Googleセキュリティパッチによる端末セキュリティの強化もあわせて実施。アップデートに必要な端末の空き容量は約4GB以上と説明されている。
アップデート前のバージョンは「ANE-LX2J 8.0.0.151(C635)」(約3.32GB)・「ANE-LX2J 9.0.1.102(C635E3R1P1patch01)」(約861MB)で、アップデート後は「ANE-LX2J 9.1.0.132(C635E4R1P1)」となっている。
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アップルの新OSで、Bluetoothオーディオは「1対多」が当たり前に?
アップルが毎年6月頃に開催する開発者イベント「WWDC」。新しいソフトウェア/ハードウェアを発表する場として知られており、今年も胸躍るニューフィーチャーが登場しました。
その1つが「Audio Sharing(with AirPods)」。2台のAirPodsを1台のiPhoneにペアリングしておくと、同じ曲やムービーの音声部分をそれぞれのAirPodsで再生できるようになります。仲のいい2人であれば、1台のiPhoneを覗き込むようにして楽しめるわけですね。
しかし、どうやって? 基調講演で発表された直後ですから、技術的な詳細は明らかにされていないものの、その鍵はAirPodsに搭載されているApple独自のワイヤレスチップ「W1」と「H1」にあるようです。
通常、Bluetoothオーディオは送信側(たとえばスマートフォン)と受信側(たとえばイヤホン)が1対1で通信しますが、Audio Sharingは「1対多」の関係になります。iPhoneやiPad、AirPodsに搭載されている通信チップはこの方式での再生が潜在的に可能だったものの、システムレベルでの対応を要したことから、今秋リリース予定のiOS 13およびiPadOSで実現される運びになったと考えられます。
ところで、Bluetoothを利用した「1対多」でのオーディオ再生は、Appleの専売特許ではありません。たとえば、Qualcommは「Snapdragon 845」から複数のイヤホン/スピーカーへ同時にオーディオ配信する技術「Qualcomm Broadcast Audio」を発表しています。こちらも対応チップ(CSR8670/CSR8675/CSRA68100/QCC5100)は豊富に流通していますから、Android OSなどシステム側の準備が整えば一気に広まることでしょう。今年のワイヤレスは「1対多」がトレンドになるかもしれませんよ?
アップル、「iOS13」発表。動作の高速化やダークモード搭載、個人情報保護にも注力
米Appleは、カリフォルニア州サンノゼにて開催している開発者イベント「WWDC 2019」にて、iOSの新バージョン「iOS13」を発表した。リリースは今秋を予定している。対応するデバイスはiPhone XS/XS Max/XR/X/8/8 Plus/7/7 Plus/6s/6s Plus/SE、iPod touch(第7世代)で、iPhone 6以前のモデルはサポートしない。
iOS13は大型アップデートとしてあらゆる面で高速化を図ったとのことで、WWDC 2019会場では一例として、Face IDの認識速度を30%向上、アプリのダウンロード容量を50%削減、アップデートを60%高速化したといったデータを紹介。アプリの起動速度も2倍に高速化とする。
UIを暗色中心にする「ダークモード」も搭載する。特定の時間帯に有効化されるようスケジューリングも可能で、様々なアプリ、様々な表示に適用できる。
プリインストールアプリも強化。例として、カメラアプリでは撮影後に輝度やコントラストなどを調節するレタッチ操作が縦画面でも快適に行えるよう改善され、静止画だけでなく動画でもローテーション可能になるなど編集機能も拡充される。AIを活用することで画像整理も最適化されるという。
「マップ」アプリでは同社が独自の地図データ収集と反映を進め、さらに詳細な情報を表示可能とするほか、滑らかにスクロールできるストリートビューも利用できる。
個人情報保護にも力を入れる。Wi-FiやBluetoothによる位置情報追跡を1度だけ許可する、各サービスへのログインにApple IDを使用することで個人情報を読み取られにくくする、メールアドレスを要求するサービス向けにランダムなメールアドレスを生成するといったプロテクト策を提供する。
また、Siriのパーソナライズも増強するほか、英語の発音には「Neural Text To Speak」技術を導入。発声の区切りや抑揚の付け方をさらに自然な印象に近づけた。
アップル、HDRを超える6K Retinaディスプレイ「Pro Display XDR」
米Appleは、カリフォルニア州サンノゼにて開催している開発者イベント「WWDC 2019」にて、32インチの6K Retinaディスプレイ「Pro Display XDR」を発表した。
海外では今秋の発売を予定し、価格は4,999ドル。専用スタンド「Pro Stand」は999ドル、VESA規格対応マウントアダプターは199ドルにて別売りとなる。
解像度は6,036×3,384、ピクセル数は2,000万を超えるRetinaディスプレイ。P3ワイドカラー、10bit対応の広い色域を備えている。
通常輝度は1,000nits、ピーク輝度は1,600nitsに達し、コントラストレベルは100万対1を実現。これにより従来のHDRを超えるダイナミックレンジ、すなわち「XDR(Extreme Dynamic Range)」を表現するとしている。
ディスプレイは多層構造を採用しており、バックライトは576個の青色LEDを採用。ローカルディミングにも対応する。パネル表面には最先端の反射防止コーティングが施されるほか、オプションとしてナノレベルの表面処理を施した「Nano-texture glass」仕上げモデルも用意。オプションを適用した場合、価格は5,999ドルとなる。
1基のThunderbolt 3端子と3基のUSB-C端子を搭載。Thunderbolt 3経由でディスプレイを6台まで連結し、最大1億2,000万画素表示が行えるとしている。
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アップルが新「Mac Pro」今秋発売、5,999ドルから。8K動画×3本を同時再生可能
米アップルは、開発者向け会議「WWDC」を開催。最大28コアのXeonプロセッサの搭載などで8K動画のRAWデータを3本同時、4K動画のRAWデータを12本同時デコード可能な新「Mac Pro」を発表した。今秋の発売を予定し、価格は最小構成で5,999ドルから。
6チャンネルのメモリアーキテクチャと12の物理的なDIMMスロットを搭載し、最大1.5TBのメモリを搭載可能。またPCI Expressスロットは、前モデルの2倍となる8基備えている。
GPUはRadeon Pro Vega II(32GB)を搭載。64 GBメモリのRadeon Pro Vega II Duoを選択することもできる。Thunderboltと500W超の電源を内蔵するApple MPXモジュールを2基搭載でき、Vega II Duoを2基搭載して、56テラフロップのグラフィック性能と128 GBのビデオメモリを実現可能だ。
そして、最大63億ピクセル/秒のデコードが可能なプログラマブルASICを搭載したAfterburnerを搭載。 Afterburnerを使用することで、最大3ストリームの8K ProRes RAWビデオを同時に再生できる。
モジュール化で拡張性を確保し、筐体は前面に多くの孔を設けることで冷却にも配慮。3基のファンで内部を冷却し、ハイスペックながら静音性も確保しているという。また、ラックマウントバージョンも用意する予定としている。