2019年03月21日
その6 哲学青年の罠と失敗
ドラマのような恋、それとも本当にあるからドラマがあるの?
寒さが一番厳しい2016年2月、キリスト教関係のカフェに気になる一冊の本が置いてあった。それは岡本太郎の芸術論の本だった。本の持ち主は哲学青年だった。哲学青年は私にこう言う。
「君の作品は美しいが保守的、伝統的だ。この本で前衛芸術も知った方がいい。」
「哲学青年、ありがとう。じゃあこの本を借りるわね。でもどうやって返せばいいのか……。そう、読み終わったらまたカフェに置いて、そして哲学青年が受け取ればいいわね。」
ここで哲学青年の計画が失敗した。哲学青年は私に近づきたくてこの岡本太郎の芸術論を置いた。恋の罠だった。しかし私は関係の距離が全く縮まらない残念な方法を提案したのだ。
本を読んでカフェに置き戻して数日後、哲学青年はカフェにいた。私は彼に岡本太郎の芸術論の感想を述べた。そしていつものように楽しく討論した。
それで終わり。その後何故か哲学青年と会う日が徐々に増えていた。計画が失敗したので哲学青年は持久戦を臨んだのだ。
gomafujin at 20:16│Comments(0)│有る事件の告白