その10父親との関係その12初デート

2019年03月29日

その11告白

 純然たる恋純粋すぎた恋


 私は哲学青年が好きで哲学青年も私のことが好きだった。あとは時間の問題。私も色々悩んだ結果哲学青年に好きであることを伝えようと決意した。そして手紙で伝えよう。好きであることだけを伝えよう。それ以上の言葉はいらない。


 2016年7月の中旬土曜日、カフェにいる哲学青年に短い手紙を渡した。 哲学青年も私のことが好きで告白したかったという。お互いさまと言って二人で笑った。哲学青年は先週の日曜日私に告白したくて私の通う教会まで行ったそうだ。だけど時間が違って会えなかったという。私は哲学青年にキルケゴールの本をプレゼントした。


 哲学青年は聖書の研究に熱心で、以前会ったとき聖書の創世記の箇所の数字の謎が解けたと喜んで私に話していた。ああ、これからは哲学青年ともっと語れる、私は喜びで胸がいっぱいだった。そのときの私の恋は純然たるプラトニックだった。


 哲学青年は上野博物館で古代ギリシャ展を開催しているから明日の日曜日デートしようと誘った。私は了解した。


 互いに想いあって2年以上が経っていた。哲学青年の本名はSさんだった。ファーストネームは親御さんが画数で選んだ名前だという。この話を何気なく聞いていた私、だけど違和感がかすかにあった。彼は実在人物なので今後も哲学青年というあだ名で通す。哲学青年と私は互いの携帯電話番号を教えた。私は携帯番号の名前に哲学青年から哲学少年に変えた。彼が無邪気な少年のようだったから。


 こんなステキな純愛が恐ろしい事件に発展するなんて誰も予想していない、哲学青年すらも……。



gomafujin at 21:05│Comments(0)有る事件の告白 

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