2019年05月05日
その24心の世界の多様性
哲学青年と付き合うようになって彼の知らなかった面を知るようになった。哲学青年はとても変わり者で、ときどき言動に私でも「?」となった。でも彼を大切にした。哲学青年の言うことがたとえ正気でなくても受け止めた。もともとシュタイナー思想に基づいての付き合いだ。心の世界を大切にしたいと願った。
哲学青年がときどきおかしなことを言う。それが彼の心の世界なのだ。シュタイナー思想は心の中を大切にする。
哲学青年は博識で頭がいいと言われていた。逆に頭がいいと言われつつ周りの人々に距離を持たれた。そう、哲学青年は孤独な人だった。どんなに称賛されてもどんなに褒められても彼をキチンと見つめる人がいなかった。彼の独自の世界観は嘲け笑う人もいるだろう。かつて私が中学生時代の後輩に哲学青年そっくりの少年がいた。この後輩の少年も独自の世界観を持っていたが、みんなの笑いものにされた。そして傷ついた少年と哲学青年は似ている。
私も独自の世界観を持っている人間だ。彼らの苦しみがわかる。
以前福祉に力を入れている、ある市議会議員と話し合ったことがある。議員さん曰く、独自の世界観を持っている人で理解されないと暴力的になる場合があるという。今の私は人形衣装で自己表現できるが、そういえば私も10代の頃周りの無理解で攻撃的な性格になったこともあった。もっと人々が個性の多様性を受け入れる世界になって欲しいと心から願う。だから今現在の私はシェイクスピアの勉強をしている。早稲田で出会った神学者曰く、シェイクスピア文学を全部知れば、百万人の人間の心を知ることができると……。
もし誰もが心の多面性を分かれば哲学青年との悲劇は無かった。この告白録はそのために書いている。
gomafujin at 16:27│Comments(0)│有る事件の告白