その24心の世界の多様性その26哲学青年の正体は闇の帝王

2019年05月07日

その25ベッドを編む

 2016年の8月の10日ごろ、私はTシャツに紺色のスパッツの軽装で哲学青年の部屋に向かった。通販で買ったベッドとチェストが届くのだ。その家具たちは組み立てなければならない。真夏だったのでペットボトルの飲み物を多めに数本買った。部屋に待機している哲学青年は珍しくジャケットを着ていない。そういえば哲学青年、服は鎧だ、と言っていた。今日は外出しないから着ていないのかな?


 私の到着からすぐに注文した家具たちは届いた。ベッドとチェストの大きなパーツが届き、アパートの玄関口ギリギリの大きさだった。さあ、組み立てだ!ここで判明したことだが、哲学青年は不器用だった。私も不器用なので四苦八苦だった。ベッドの大体を組みたててから、私は先に完成したチェストに哲学青年のDVDやCDをしまって整理した。CDは難しそうな英語の曲ばかりだった。DVDは何だかハードボイルドなものばかり。哲学青年はエロ関係のものはほとんど持っていない。哲学青年のストイックさは有名だし、哲学青年自身下品なエロは嫌いだ!とよく私に言っていた。


 ベッドの組み立てで哲学青年の指が僅かにケガをした。哲学青年の血は赤かった。私はそれに驚いた。だって哲学青年なら青い血が流れてもおかしくないように思えた。数時間もしてやっと組み立て完成!哲学青年と私は組み立てたベッドで横になった。ここで変な妄想はしないでほしい。哲学青年は人に肌を触られることは嫌いなのだ。イチャイチャベタベタするより、ベッドで横になってまた討論した。哲学青年との付き合いは言葉数が多い。


 この日を境に哲学青年との半同棲生活は始まった。私は自宅アトリエと哲学青年の部屋を行き来する生活になった。そろそろ哲学青年との挨拶を両親にしなければならないなあ、と私は考え始めた。



gomafujin at 21:19│Comments(0)有る事件の告白 

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