その26哲学青年の正体は闇の帝王その28哲学青年とうつらうつら

2019年05月07日

その27化粧品を置く

 ベッドを買って以来、哲学青年との生活は半同棲になった。哲学青年の部屋で眠れるよう、私は化粧品等を揃えた。ドライヤーを美容院に取り寄せたり、基礎化粧品一式を揃えた。


 自宅アトリエの仕事を終えたら哲学青年のアパートに移動して部屋の掃除をしたり、生活用品を整えるようにした。リネン類も整えた。それも終わったら哲学青年の部屋の本を読んで哲学青年の帰りを待った。哲学青年の部屋には素晴らしい書籍が並んでいる。どれも貴重な本ばかりだった。


 哲学青年が帰宅したら、先ずはお風呂に入れた。そして用意したスポーツドリンクを飲ませた。この時期は8月の中だった。そうして哲学青年と眠った。買ったベッドは意外と大きくセミダブルくらいあったかもしれない。


 朝の5時20分、時計のアラームが鳴る。それまで哲学青年はぐっすりと眠っている。哲学青年は不眠症と言われていたのに、私と一緒に寝るとその噂がウソのようだ。哲学青年の寝顔は美しい子どものようだった。哲学青年はずっと独り暮らしで家族とは音信不通だ。特に母親との関係に問題があるようだった。おそらく母親に深く愛されたのだろう。哲学青年のキレイな寝顔を見て、これでは母親は溺愛してしまうかな?と思った。


 哲学青年が起きると丹念に身支度をする。哲学青年が出勤するときに私も自宅に戻る。


 哲学青年と私との関係がこの頃一番幸せだった。幸せの絶頂だった。その後を考えると……。



gomafujin at 21:24│Comments(0)有る事件の告白 

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