2019年05月08日
その29薬をどうしよう……
週に一回哲学青年と一緒に八王子の魔術師の医者に通っていた。問題は私の薬だ。哲学青年と魔術師の医者は私に薬を飲むなという。でも私は正規の医者に毎日精神安定剤を少量飲むように言われている。これは困った問題だ。判断に困った私は薬を少し減らした。薬を完全に断つことはしなかった。私は15歳からずっと薬を飲み続けている。これをいきなり断つことは危険だ。哲学青年と魔術師の医者からは薬を毒と言われたが私は中途半端な判断をしたものだ。
私は特異体質で、薬は普通のものではない。例えば私はその特異体質のせいでお酒が飲めない。お酒を一口飲んだだけでものすごく酔っぱらう。神経が特殊なのだ。だから薬はとても弱く繊細に調合されている。もともとの神経が敏感のせいで僅かな量の薬でも効果は凄く出る。
当時の私は哲学青年から洗脳されかけていた。そこで薬をしっかり飲めばいいのに、薬を少量減らしたため、私の判断力は鈍っていた。更に薬を完全に絶たないことに哲学青年に注意される。
哲学青年は昔、精神病院から脱走した。以前哲学青年の若いころの写真を見せてもらってわかったのだが、哲学青年はおそらく精神病を持っていて強い薬を飲んでいた。若い頃の写真の哲学青年の眼は死んでいた。私が哲学青年のことを深く理解できたのは、互いに精神を病んだ者同士だったからだろう。私は主治医との処方を長い間守っていた。
哲学青年はこうも言った。
「君はいつも薬を飲んでいたね。とても苦しそうに飲んでいた。僕は君との関係が友達の頃からずっと気になっていた。君を薬から解放したい。だのに、何故僕と八王子の魔術師の医者の言う通り、薬を完全に絶たない!僕は君を愛しているのに!」
……何だか凄いストーリーになってきました……。でも、これは実話なのです……。
gomafujin at 20:59│Comments(0)│有る事件の告白