その34哲学青年と琥珀色の眼その36哲学青年の抱擁

2019年06月04日

その35母の涙

 哲学青年と八王子の魔術師の医者の影響で薬を3分の2しか飲んでいない私、体は大丈夫だけど、当時私の頭はおかしくなっていた。不動産屋の紹介で2DKのアパートの見学をした。40平米も無い小さなアパートだが、私は気に入った。不動産屋から間取のコピーの用紙をもらった。


 しかしアパートを借りるときって保証人がいないとダメだ。自宅に帰って母に保証人になってくれるようお願いしたが、断られた。これは母が私を自宅から出さない作戦だった。このころ私と両親と哲学青年の仲は険悪だった。このとき断らなければどうだったであろう。とにかく両親は私を外に出したくないようだ。私は実家から出て生活をしたいと言ったら母は泣いた。


 このことについては今でも私は悩む。正解は両親と哲学青年が和解して私が哲学青年と暮らし独立することだった。しかし哲学青年と両親は話にならない。ここまで書くと親なんかほっとけ!という人もいると思う。しかし私には年金のことや通院している病院の問題がある。本当に独立するならば、念入りな話し合いが必要だった。


 母に泣かれた後、私は哲学青年のアパートに行った。部屋に冷房エアコンをつけて本を読み、夕方お風呂掃除してお風呂に入浴した。入浴がすんで、綿の寝間着を着て髪の毛を特注のドライヤーで乾かした。そんなことをしているうちに哲学青年が帰宅した。この頃は8月の下旬だった。哲学青年にまず入浴してもらい、入浴後スポーツドリンクを渡した。これって半同棲生活だよね……。でも私と哲学青年は互いの肌の露出は恋人同士でも気を付けた。着替えるときは背中合わせにしていた。


 そうして寝る時間になり、私は哲学青年に保証人がいないことを話した。哲学青年も家から飛び出して実家と絶縁している。私たちは抱き合った。そして眠った。


 時間は元に戻らないけれど、このとき私はどうすべきだったのだろう?薬さえちゃんと飲んでいれば何かいい解決策があったのだろう。哲学青年との事件は全て偶然にできあがっている。そして物語として完璧だ。だからこそ私は事件後、シェイクスピア文学の勉強に走った。




gomafujin at 12:03│Comments(0)有る事件の告白 

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