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医のねだん

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入院中にかかるおむつなどの費用

病院ごとに大きい金額差

入院中にかかるおむつなどの費用

 公的医療保険で、入院中のおむつ代や寝間着のレンタル代などは、診療とは直接関係のない日常生活上かかる費用として、保険の医療費とは別に患者から徴収してよいことが認められています。

 ただし、「お世話料」や「施設管理料」、「雑費」といった内訳のよく分からない曖昧な名目での徴収は認められていません。患者から取ってもよいもの、ダメなものは、厚生労働省から具体的に示されています。

 徴収できる例として挙げられているのは、おむつ代や尿取りパッド代、寝間着(病衣)のレンタル代のほか、テレビの視聴カードなどの代金、理髪代、クリーニング代、ゲーム機やパソコン、DVDなどの貸し出し、患者図書館の利用料などです。

 一方、徴収してはダメなものの例に、「おむつの処理費用」があります。おむつ代はよくても処理費用は取ってはいけないのが決まりです。このほかシーツ代や冷暖房代、電気代、体を拭くタオル代、ガーゼやばんそうこう代などは、徴収できません。

 金額は「社会的にみて妥当適切なもの」とされていますが、医療機関が独自に決めることができるため、差があるのが実情です。

 産労総合研究所(東京)が2013年に全国の581医療機関から回答を得た実態調査によると、大人用の紙おむつ代(テープタイプ、Mサイズ)の平均額は、1枚当たり127.6円でした。50円~99円(32.5%)、100円~149円(32.8%)といった額が中心でしたが、250円以上との回答も5%ありました。最高額は1枚当たり600円でした。

 病院が患者に直接請求するのではなく、指定の業者から購入する仕組みになっているケースもあるようです。病院によっては、おむつの持ち込みを認めているところもあります。事前によく説明を求めましょう。

 なお、介護保険の病床ではおむつ代はかかりません。

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