映画「凪待ち」(白石和彌監督、28日公開)の試写会が、ロケ地となった宮城県塩釜市の塩釜水産物仲卸市場で行われ、サプライズで主演の香取慎吾(42)が登場した。同作は「喪失と再生」をテーマに描く重厚な人間ドラマ。香取は、パートナーの女性とその娘とともに、女性の故郷である宮城・石巻市で再出発しようとする郁男を演じている。
本作は同市場で昨年6月18日にクランクイン。当初、白石監督のみの来場が告知されていたが、白石監督が香取を呼び込むと、鑑賞に訪れた市場関係者約70人から大歓声が沸いた。
関係者によると、水産市場での試写会実施は全国的にも初めてという。香取は「どうしても来たくて来ちゃいました。ここでスタートしたので、ここで(上映)できるのがうれしい」と感激していた。
塩釜市は東日本大震災で被災し、現在も復興中。香取は震災後の11年7月にも訪れたが、「(昨年)ここに来てみなさんのお話を聞かせていただいた。写真を見せながら震災のことを語るおじいちゃん、震災のことになると話を避けるおばあちゃんもいた。いろんなことを感じさせてもらえるいい時間になりました」と撮影を振り返った。