ゼルダBotWのレベルデザイン
感想。
「引力」の概念。
一般化するならば、単にプレイヤーの「次の目的」となるが、ゼルダBotWが広大なフィールドを中心にデザインされている事から、目的を「ストーリー」ではなく「場所」に紐付けてプレイヤーを導くために「引力」(場所に紐付いた概念)という言葉で定義、説明したのだと捉えられる。 ワンダールクス における #進行のレイヤー の魅力と考えられる。 塔、ほこら、馬宿、敵の基地など、さまざまな(物理的な)大きさ、(ゲーム的な意味の)重さの引力が存在する。ハートやルピーなどをそれ以外の所から出さない事によって、引力を強めていたらしい。(が、これはアイテムの意味が理解されてからでないと魅力を発揮しないので、アイテムの使いみちを提示するレベルデザインがそれ以前に無いと効果を発揮しないと思われる)
「△の遮蔽」による誘導
まず、「登って進むか、迂回して進むか」という選択を提示できる。これは、ゼルダBotWが「ほぼすべての坂や崖を登れる」というデザインだからこそ発生する独特の遊戯であると考えられる。(普通は、迂回しか選択肢がなくて、ただの面倒な地形になる)
また、歩くことで遠くのオブジェクトが徐々に見えてくる、という効果が得られると説明されていた。これは、 #情報のレイヤー で(2Dゲームで言うところの)「多重スクロール」が魅力に繋がることと近いと感じた。中景、遠景が多重にスクロールして現れることで、自然と画面から飽きない情報の変化が与えられる。 △は先端に視線誘導する力もあるということで、配置によっては、引力をさらに見つけやすくするための力としても使えるようだ。
「距離感」「密度感」「尺感」
規模感の仕様設計にあたって,「3つのものさし」を考えたと述べている。具体的には「距離感」と「密度感」,そして「尺感」だそうだ。
距離感は,「ゲーム世界の広さ」に相当するものだ。
次に密度感だが,これは「ゲーム世界で,単位面積あたりのどのくらいのゲーム要素を配置していくか」を表すものだ。
3つめの尺感は,あまり聞き慣れないキーワードだが,藤林氏によると,「ゲーム世界に配置した1つのゲーム要素にプレイヤーが消費する時間」のことである。