骨と吸血鬼兄弟   作:大三元
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十九話 ワーカーと吸血鬼兄弟 中

 

バハルス帝国のワーカーチーム、ヘビーマッシャー、竜狩り、天武、フォーサイトの4チームは墳墓へ侵入した、先ずは各チーム表層部分の霊廟の捜索を開始、大量のお宝を発見したがこの墳墓の調査が任務なので帰りに取って帰る事に。

 

「グリンガム、遅かったな」

 

「陳謝する。待たせたようだな」

 

「集合時間まで決めていた訳じゃないし問題ないさ」

 

フォーサイトのリーダヘッケランとヘビーマッシャーのリーダーグリンガムが話をする、二人とその仲間達は発見した財宝の話をしながら墳墓地下一階へ通じる場所まで移動した。この入り口からは死者の臭いがする、そういいながらも他のチームと合流した。

 

各チームが集まった時竜狩りのリーダーパルパトラが他チームに提案した。

 

「お前さんらに提案じゃ、ワシらは隠し扉がないか外を捜索してこよう」

 

この言葉を聞いて竜狩りの他のメンバーは驚きの声を上げる、それに気づいたパルパトラはメンバーに振り返り続きを話す。

 

「まだ別のルートが隠されてる可能性もあろう?」

 

「老公の件は正論だ、入り口の近辺に中枢部まで一息に歩める安全な通路があるやもしれん」

 

グリンガムがいち早く答える、その声を聞きパルパトラは振り向きまた提案する。

 

「それでじゃ、ワシらが損を選ぶ代わりお前さんらが発見した物を分けて欲しいんじゃ。そうじゃな一チーム十%分、それと明日下の階層が発見された場合はワシらに最優先権をくれんか?」

 

各チームリーダーはパルパトラの提案を飲んだ、そして竜狩りは捜索の為地表部部へ戻って行った。

 

 

 

墳墓内探索組が入り口の扉を開ける、するとその場に居たヘビーマッシャー、天武、フォーサイトの皆が光に包まれた。

 

 

 

 

「老公! もったいないじゃないですか!」

 

「明日の捜索優先権を得たんじゃ、損ばっかりじゃねぇぞ」

 

竜狩りは話しながら地表部分を捜索する為に階段を降りる、その途中こちらのチームも光に包まれてしまった。

 

 

 

 

 

 

「ここは… どこだ?」

 

誰かが呟いた、先ほどまで室内に居たはずなのにこの場所は星空が広がっている。周りを見渡すとどうやらここは闘技場の様だ。

 

「な… なんじゃぁ?」

 

別れた筈の竜狩りも同じく侵入した他チームも皆同じ場所に居た。

 

「ようこそ! 我がナザリック地下大墳墓へ!」

 

闘技場の入り口から声が聞こえた、皆は一斉に臨戦態勢で声の方へ視線を向ける。そこには見た事のない物を両手に持った黒い服装の男が居た。

 

「君達は選ばれたのさ、くだらない… そう! 実にくだらない実験にね」

 

先ほどの男の真反対、もう一つの入り口から又しても声が聞こえた、こちらは右手にナイフにしては大きい刃物を持った白い服装の男が居る。

 

「う、うぼぅえええ」

 

フォーサイトのメンバーであるアルシェが吐いてしまう、そして混乱したかの様に皆に逃げるよう大声を出す。皆は解っている、この二人はどうしようもない程の強者だと。

同じメンバーであるロバーデイクがアルシェに魔法を発動し落ち着かせる。

 

「お前達は何者だ!」

 

「私達はこの墳墓の主人、ルークだ」

 

「僕ちゃんはヤンで~す」

 

グリンガムが問う、するといつの間にか二人は手を伸ばせば触れる程の距離に居て答えた。皆はその動きが見えておらず一部の者は魔法を使ったのではと疑ったが実際はただ単に走って近づいただけである。

 

「野郎どもぉ! 生きてここから出たいかぁ!」

 

ヤンが大声を放つ、その言葉の意味を理解できず皆一様に困惑した。

 

「あれ? 皆ここで死にたいの? 死にたくなかった答えろ! 生きてここから出たいかぁ!」

 

皆ここで気が付いた、答えなければ死ぬと。そして皆は思い思いに返事をした。

 

「出たいです!」 「生きて帰りてぇ!」 「た… 助けてくれぇ」 etc…

 

返事を聞いたヤンは満足そうに頷くとルークの後ろに下がった、そしてルークが話し始める。

 

「ではここからはルールの説明をする、一回しか言わないから皆よーく聞け!」

 

この場が静まり返る、ルークは皆を見渡すと軽く頷き説明を始めた。

 

「ルールは超簡単! このナザリック地下大墳墓に来た理由を説明しろ、しかし私達が納得できない理由なら… 後ろの者達が何をしでかすかな?」

 

ルークの最後の言葉を聞いて皆は後ろに振り返る、そこには見るもおぞましい異形の者達がこちらをジッと見つめていた。そしてルークの方へ再び視線を戻すと二人は椅子に座りこちらを笑顔で見ていたのだった。

 

 

 

 

 

 

「先ずはぁ… 天武! 天武チームは前にでろ!」

 

ヤンが呼ぶ、呼ばれた天武、エルヤーとエルフ三人組が歩いてくる。エルヤーは足が震え口をガチガチと鳴らし目には涙が浮かんでいる、エルフたちは怯えた様子なのだがエルヤーに比べればまだましだった。

 

「お前達はなぜここへ来たんだ?」

 

ルークが問う、その瞳は今にも人を殺してしまいそうな眼差しだった。エルヤーは答えようとするも上手く話せない。

 

「おいおい、早く話せよ!」

 

ヤンが急かす、しかしどもってしまい話せない。それを見てヤンは舌打ちをした、するとエルヤーは跡形もなくこの場から消えてしまった。その光景を見た他の者達は絶望一色だ。

 

「そこのエルフよ、なぜここへ来たんだ?」

 

ルークが又しても問う、そしてエルフ達は震えながら答えた。

 

「わ… 私達は! あ、あいつに無理矢理連れてこられたんです!」

 

「そうです! 私達はここへ来たくなかった!」

 

「お願いです! 助けてください!」

 

エルフ達の話を聞きルークとヤンは顔を見合わせ頷くと同時にサムズアップした。

 

「よし! かわいいから許す!」

 

「かわいいは正義だ!」

 

そういうとエルフ達が消えた、先ほどのエルヤーと同じく。

何とも言えない空気がこの会場を包んだのだった。

 

 

 



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