「腹上死」は心疾患が6割を占め春に多いは本当なのか?
突然死といえば、いわゆる腹上死もその範疇に入る。「ラブホが死に場所なんてイヤ」と笑う30代もいれば、「快感の中で逝くのはある意味、男の夢」とマジメに語る50代もいる。
だが、相手が妻でも部下のOLでも、セックスをする限り、腹上死のリスクは付きまとう。
腹上死は、字ヅラではセックスの最中に“女性のお腹の上で亡くなる”イメージが強い。だが、元東京都監察医務院院長の上野正彦氏は、「正しくは行為後の死亡も含めて腹上死と考えなければならない」(「ED Practice 2005、性行為と心血管事故の発生の関連」から)としている。実際、心臓死の例はセックス後の就寝中に発症し、脳血管系はセックスの最中に発症し死亡まで数時間かかっていた――という。
上野氏は、監察医として在職中の30年間に500例を超える性交死の実態を見てきたプロ中のプロ。そして、先の論文では、冷静な目で見た腹上死の現実をおよそ次のようにまとめている。「死因は心血管系56%、脳血管系43%」「年齢は30、40代の中年層」「男女の年齢差が大きい」「春に多い」「場所は自宅、ホテル、愛人宅の順」「冠状動脈硬化、心肥大だった人」「行為の前に30%は飲酒」――。オナニー中の急死も8%あったというから驚きだ。