骨と吸血鬼兄弟   作:大三元
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十四話 いろいろな話と吸血鬼兄弟1

ある日、ナザリック地下大墳墓第六階層の森の中で兄弟とハムスケが初めて対面した。

 

「「……………… ハムスター?」」

 

「と… 殿ぉ~」

 

兄弟はハムスケを見て困惑しハムスケは主人であるアインズに縋りつく。

 

「ルークさんもヤンさんもこれがハムスターに見えますよね?」

 

「「はい」」

 

「かわいいですよね?」

 

「「はい」」 

 

「俺おかしくないですよね!?」

 

「「うん」」

 

アインズは何処か安心した雰囲気になり、兄弟はなぜこんなにも熱くなっていたのか疑問に思う。その間ハムスケはプルプル震えている。

 

「殿ぉ~、この方々は誰でござるかぁ~?」

 

「この人達は私の仲間、私と同じナザリックの支配者の者達だぞ」

 

「そうでござったか、よろしく願いするでござるよ。拙者の名前はハムスケでござる」

 

「ルークです」

 

「ヤンです」

 

仲間だと聞いて安心したのか何時もの調子に戻ったハムスケだった。

 

 

 

「わぁ~っしょい! わぁ~っしょい!」

 

「っふっふ~! っふっふ~!」

 

「や! 止めて欲しいでござるルーク殿! ヤン殿!」

 

兄弟はハムスケを胴上げしている、特に意味はない。ハムスケは困惑しまくっている。それを見ているアインズは微笑ましく見ている。

 

 

 

 

 

 

また違う日、兄弟はアルベドの部屋に向かった。

 

「アルベドー居るかー」

 

「たのも~! たのも~!」

 

「何でございましょうかルーク様、ヤン様」

 

ドアを叩いて呼びかけるとアルベドが迎えてくれた。

 

「いやぁ~アインズちゃんのぬいぐるみとか抱き枕でいっぱいだな~」

 

部屋に入った兄弟は椅子に座り周りを見渡す、アインズグッズで溢れている部屋だ。

 

「そろそろ本題に入って欲しいのですが…」

 

「そうだった、アルベドは私達の事をどう思っているんだ?」

 

「それは忠義の儀で申したように…」

 

「いんやぁ~、本当の事を言ってくれよぉ」

 

アルベドの顔が曇る、兄弟はジッとアルベドを見るだけで何も言わない。

 

「正直に申しますと邪魔です」

 

「「あっ… やっぱり」」

 

「流石至高の御方々、お見通しだったというわけですね」

 

兄弟はなんとも言えない顔で、アルベドは不気味な笑みで…。

 

「それで私をどうにかするのでしょうかルーク様、ヤン様」

 

「いや、これといってその予定はない」

 

「なんで俺達邪魔なんだ? まぁ察しはつくが」

 

辺りの光景を見れば想像がつく。

 

「私はモモンガ様を愛していますので、っと言えばわかりますでしょうか?」

 

「アインズじゃなくモモンガなんだな?」

 

「はい!」

 

「じゃあモモンガさんとくっ付ければいいんだな?」

 

「えっ? その様なk」

 

「いいぞ愚ッ弟ィ! モモンガさんとアルベドをくっつけよう!」

 

「うぉおおおお! 燃えてきたぁあああ! じゃあ先ずは…」

 

三人は三者三様の不気味な笑みを浮かべていたのだった。

 

 

 

 

 

 

また違う日、二人はカルネ村に来ていた。

 

「ルークさん! ヤンさん! お久しぶりです!」

 

エンリ達が暖かく迎えてくれた。二人は一通り挨拶と視察を済ませるとルプスレギナを呼んだ。

 

「ルプスレギナ・ベータ御身の前に」

 

空き部屋でルプスレギナは二人に跪き挨拶をする、二人はニヤニヤしながらルプスレギナを見つめる。

 

「あ、あの… どうか致しましたか?」

 

「お手!」

 

「え?」

 

「お~手!」

 

「わん!」

 

差し出された手に手を置く、もう犬である。

 

「伏せ!」

 

「わん!」

 

「お座り!」

 

「わんわん!」

 

ルプスレギナも案外ノリノリでしたがっている。

 

「よぉ~し! いい子にはご褒美だ!」

 

そう言って何処からともなくドックフードを取り出し差し出す、それをルプスレギナは嬉しそうに受け取る。

 

「よーしよしよしよし」

 

「よしよーしよしよし」

 

二人でルプスレギナを撫でくりまわす、傍から見たらムツゴ〇ウさんだ。ルプスレギナは気持ちよさそうに撫でられている。

 

 

 

 

 

 

また違う日、二人は第九階層の廊下でエクレアとバッタリ会う。

 

「これはこれはルーク・バレンタイン様、ヤン・バレンタイン様。今から何方へ行かれるのでしょうか?」

 

二人はじ~っとエクレアを見つめる、エクレアは首を傾げる。

何か思いついたのか二人はエクレアを抱きかかえ玉座の間に向かった。

 

「ど、どうしたのですか!? ルーク・バレンタイン様! ヤン・バレンタイン様!」

 

エクレアは手足をバタつかせ慌てている。

 

 

 

玉座の間、玉座に一匹のペンギンが座る。そして吸血鬼兄弟に第四、第八、守護者統括以外の階層守護者とセバスに加えPOPモンスター達が跪いている。

その光景と今座っている場所が何処なのかを見てエクレアは冷や汗を大量に流し固まったままだ。

 

「エクレア・エクレール・エイクレアー様に忠誠を!」

 

「エクレア・エクレール・エイクレアーバンザーイ!」

 

兄弟が声を上げると他の者も渋々ではあるが声を上げる。一応デミウルゴス経由で話は聞いていたのだがやはり気に食わない、だが至高の御方々の遊び… そうお遊びなのだ。

 

エクレア・エクレール・エイクレアーはほんの十数分だったがこのナザリック地下大墳墓の主人になったのだった。

 

 

 

 



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