骨と吸血鬼兄弟   作:大三元
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十二話 悪魔と吸血鬼兄弟の作戦1

【セバスへ この度はツアレを誘拐しました(八本指が)、返してほしければ今夜…時、………に来てください。 PSこの手紙は自動で消滅しません、燃やしてください。 バレンタイン兄弟より】

 

応接間に置かれていた手紙を読んだセバスは何とも言えない表情になったのだった。

 

 

 

 

 

 

セバスから連絡があった、ツアレが誘拐されたと。しかしその事を書いてある手紙を書いたのはあの兄弟らしい、セバスには追って連絡すると言い兄弟に連絡するのであった。

 

『おい! セバスから聞いたぞ、今何してるんだ?』

 

『え? 何ってアインズさんの計画進めてるんだけど』

 

『は? 計画ってなんだルークさん』

 

『ん? まぁデミウルゴスに聞いたらいいんじゃないか? じゃあ忙しいから~』

 

そう言うとメッセージが切れる、デミウルゴスの名が出たことでアインズは考えるのをやめセバスに増援を送る事にした。

 

 

 

 

 

 

「これ程のメンバーが揃うとは、アインズ様に感謝の言葉を申し上げなくては」

 

夜、指定時間の数時間前。応接間にはセバス、デミウルゴス、シャルティア、マーレ、そしてナーベラルを除いたプレアデスが集合していた。今回の件に関してデミウルゴスから説明を受け八本指の壊滅並びにもう一つの事を聞いた皆は行動に移った。

 

 

 

 

 

 

 

指定の時間に指定の場所に着いたセバス、そこに偶然居合わせたクライムとその他は合流し作戦に移った。屋敷の中の者に案内されセバスは中に入る、少し歩くとそこには六腕と呼ばれる者達4人が待っていたのだったがセバスによって瞬殺された。

そしてツアレを見つけ出したセバスは困惑した、ウエディングドレスを着たツアレが頬を染めセバスを真っ直ぐに見つめているからだ。

 

 

 

 

 

 

所変わって八本指麻薬部門の拠点である館の前ではエントマとガガーランが戦っている。途中でティアも加わって戦うがエントマの有利は揺るがない、そしてそこにイビルアイが加わった所で空から二つの人影が降ってきた。

 

「うちの者が何やら遊んでいるみたいで来てみたら」

 

「なんだかおもしろそうな事してるじゃん?」

 

そう言って現れたのはピエロの格好をした者達だった。一人は悲しそうな顔をして眼鏡が書かれている仮面をつけ、もう一人は目が三つある楽しそうな顔をした仮面をつけている。

 

「逃げろ! 私の事は良い! だから二人は早く逃げろ!」

 

イビルアイが声を荒げる、それ程までにヤバい連中が現れたのだ。ピエロ達はそんな三人を無視してエントマを見送っている。

 

「じゃぁ~ねぇ~! お仕事ありがとぉ~!」

 

ガガーランとティアはイビルアイの言葉通り逃げた。

 

「ふむ、君一人でこの私達を相手するのか?」

 

「なぁ~んか調子でないな~」

 

ピエロ二人は逃げた者には興味がないらしくイビルアイしか見ていない。先に動いたのはイビルアイだった、魔法を二人に向け放つ、避ける事もせずすべて当たったが更に魔法攻撃を加えていく。そして二人が倒れたのを見て攻撃を止めた。

 

「やったか?」

 

そう言い恐る恐る近づくとそこには何もなくイビルアイは驚愕した。

 

「ねぇ、嬢ちゃんの力ってそんなもんなの?」

 

「私達を失望させないでくれたまえ」

 

振り向くと無傷の二人が佇んでいた、初めから解っていた、この二人には敵わないと。心が折れかけたその時漆黒のフルプレートに身を包んだ者が両者を割って現れた。

 

「それで、私の敵はどちらなのかな」

 

その人物を見てイビルアイが声をかける。

 

「漆黒の英雄! 私は蒼の薔薇のイビルアイ,同じアダマンタイト級冒険者として要請する! 協力してくれ!」

 

しかしここでイビルアイが気が付くこんな化け物相手に協力を要請してどうすると、死んでしまうではないかと。

 

「承知した」

 

漆黒の英雄モモンはピエロ二人組に体を向ける。

 

「お前達は何者だ!」

 

「私達は見ての通りの道化、そして私の名前はバレンだ」

 

「僕ちゃんはタインでぇ~す、っでそういうお前は何もんだぁ?」

 

「私はモモン、アダマンタイト級冒険者だ。そちらの目的はなんだ」

 

「僕ちゃん達はねぇ、あるアイテムを返して貰いに来たんだよ~ん」

 

「そのアイテムは私達の眷属をわんさか召喚できる物でね」

 

三人の会話を聞いてイビルアイはモモンが何をしているのか理解した、会話で相手の情報を引き出そうとしているのだと。

 

「馬鹿k… バレンにタイン、私達は敵同士という道しかないんだな?」

 

「そうだなぁ」

 

「何としてでも奪取しないといけないのでね」

 

「大体理解した、ならここで倒させてもらおう!」

 

言うな否やモモンがピエロ二人に切りかかる、それを素手で受け止めるタインにナイフで応戦するバレン。バレンのナイフをバックステップで避けるモモン、しかしタインがモモンの前に即座に追従すると拳を振るう。間一髪避けたモモンはその流れで二人同時に切り刻もうとするが二人もまた間一髪で避ける

そんな三人の戦いを見てイビルアイはモモンを応援することしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

数分後に互いの攻撃が止んだ、そしてピエロ二人が声を出す。

 

「そろそろ引かせて貰おうか、私達の目的はアイテムだからな」

 

「これから王都で面白い事が起こるよぉ~、邪魔するってんなら全員纏めて地獄に送ってやるぜぇ! ヒャァッハッハッハッハッ!」

 

そう言い残すと二人は闇夜に消えて行ったのだった。

 

 



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