今回は笹の川酒造が製造、福島県南酒販が販売するブレンデッドウイスキー「963」黒ラベルを飲んでみます。

笹の川酒造のモルトを中心にしたブランド

963_black_「963」は、福島県南酒販が企画し、笹の川酒造が製造するウイスキーのブランドです。

公式サイトのラインナップを見ると、単に笹の川の安積モルトだけではなく、海外のバルクウイスキーをブレンドしていると思われる説明書きが散見され、厳密にはジャパニーズウイスキーではなく、ワールドウイスキーと呼ぶ方が適切でしょう。

とはいえ、レギュラーとなる黒ラベルと赤ラベルの他に、カスクストレングスタイプのブレンデッド、ブレンデッドモルトもラインナップしており、無着色、ノンチルフィルタードにこだわるなど、気合いの入れ方が半端ではないです。

レギュラーとなる黒ラベルと赤ラベルは、使用する原酒の特性をかえています。
赤ラベルが華やかな香りとスムーズな口当たりを追求しているのに対して、黒ラベルはスモーキーな香りとドライな口当たりを追求しているようで、赤ラベルは万人受け、黒ラベルは癖を求める人向け、といった印象です。

スモーキーながら、熟成感のあるブレンド

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は非常に淡いシャンパンゴールド、香りは白ブドウのフレッシュさが目立ちます。

口に含むと、ピートからのスモーキーさがそこそこに広がり、その後は白ブドウ、アルコールの刺激、カカオ、ウッディさと続きます。

味わいはアルコールからの辛みはそれなりであるものの、酸味が全体を支配していきます。

ロックでは、カカオの香ばしさが中心となり、白ブドウ、そしてライムも顔を出します。ピートのスモーキーな香りや石けんも後から訪れます。

味わいは、酸味が飲み始めから訪れ、軽く苦味、甘みが得られます。

ハイボールにすると、白ブドウの香りはラムレーズンのように変化して、熟成された香りへと変化します。また、スモーキーさやカカオの香ばしさも後からついてきます。
味わいは、多少ビターが勝るものの、後からフルーツのような酸味も感じ取れます。

見た目とは異なり、あまり若々しさ、とげとげしさは少なく、スモーキーさを持ちつつも熟成感を得られるブレンドになっています。

700mL、アルコール度数46度、価格は3000円ほど。

<個人的評価>

  • 香り B: ピートの後、白ブドウ、カカオ、ウッディ。加水でライムも。
  • 味わい C: 酸味がメイン。加水でビターが上回っていく。高いアルコール度数の割に辛みは少ない。
  • 総評 B: 純粋なジャパニーズではないものの、計算されたブレンドを堪能できる。