クラフトビールブームも本格的に定着。小規模設備のビール醸造所を併設し、自家醸造ビールを提供するマイクロブルワリーも急増している (関連記事「クラフトブームの次へ! ビールの楽しみ方が進化中」)。 また、国産ワイン人気の高まりから、ワイナリー(ワイン醸造所)を併設したバルも見かけるようになった (関連記事「伊丹空港に世界初のワイン醸造所? 34店舗が開業」)。そんな「醸造所ブーム」のなか、2018年7月にオープンしたのが、「WAKAZE(ワカゼ)三軒茶屋醸造所 + Whim SAKE & TAPAS(ウィム サケ アンド タパス、以下、ワカゼ)」。醸造所を併設したバーだが、そこで造られているのはビールでもワインでもない。「その他の醸造酒」という耳慣れないジャンルの酒だ。
「その他の醸造酒」とは、簡単に説明すると「醸造酒類」の中で清酒と果実酒を除いたもの。さらに穀類・糖類などを原料として発酵させたもので、アルコール分が20度未満かつエキス分が2度以上と決められている。いわゆる「第三のビール」の一部もこのジャンルに入る。ワカゼでは日本酒をベースにした「ボタニカルSAKE/FONIA(サケ/フォニア)」シリーズの2種類を扱っており、店頭で提供するほか、500mlのボトル入りでの販売も行っている。
伝統的な日本酒の製法の発酵中に柚子やレモンなどのかんきつ類を加えた「SORRA(ソラ)~天空~」は、日本酒特有の軽い酸味とかんきつの爽やかな香りを同時に感じる不思議な味わい。生姜、山椒、柚子などスパイシーな香りを加えた「TERRA(テラ)~大地~」は力強いうまみとコクに驚く。一般的なリキュールは発酵後に香りや味付けを行っているが、この酒は発酵中に加えることで酒の風味に調和しているのが特徴だという。