2014-04-19

先日、彼女の親に食事に招待された。

彼女とはつきあって数年になるけれど、親とはほとんど交流がなかった。結構長い間つきあっているのでそろそろ結婚とか見え始めたりしている時期だし、いい機会だから行くことにした。

ネクタイ着用で来てね」

そう彼女が言ったので何となく予想は付いていたが、連れて行かれたのはミシュラン三つ星のフランス料理レストランだった。

俺たち以外に他の客はなく、貸し切り状態。(追記:少し時間が早かったので空いていた。貸し切ったわけではないが、そもそもこのレストラン20席くらいしかない)

本日料理について説明してくれるウェイターの笑顔がまぶしかった。でもテンパっててよく聞いていなかった。

緊張して仕方がないので気付けにワインを頼んだ。「じゃあとりあえずワイン適当に」と頼んだあとで飲み物メニューをみたら、すごい値段が並んでいた。

運ばれて来たワインだけで、居酒屋で1回飲める位だったので、貧乏性な俺はちょっと後悔した。

前菜が運ばれてきた。テーブルマナーなんて知らないけれど、常識的に外側のナイフフォークから使うことくらいは知っていたのでなんとか食べられた。

少し経つと、テーブルの隣で生演奏が始まった。もう一度書くけど客は俺たちだけ。専属演奏だ。

彼女のお母様は優雅にナイフを使いながら、「かすかに香る○○の風味が味に深みを与えているわね」と、美味しんぼの栗田さんみたいな口調で料理の隠し味についてウェイターと談笑していた。

俺はちょっと味が薄いな、くらいの感想しかなかった。

世間話をしながら食事をすすめていく。「こないだのパーティでは福井さんがね…」 近所の知り合いみたいに話すから、どこの福井さんかと思ったら、元日総裁の話だった。世界が違っててまるで会話に混じれない。

俺はあまり会話に入れなかったが、「○子を今後もお願いしますわね。おほほ」と当たり障りのない会話をしてくれて食事は終わった。

家に帰って調べたら、このとき食べたコースは俺の一ヶ月の食費よりも高かった。

前々から金銭感覚齟齬があるような気がしていたけど、家の格が違いすぎる。今後この人とつきあっていくには、この家族とつきあっていくことになるのだろう。小市民な俺には荷が重すぎる。自信がなくなった。

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