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2019-06-12

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・じぶんがどういう性質を持っているのか。
 これを、じぶんで知ることは、なかなかむつかしい。
 気軽に「おれ、ちょっとマゾだからさ」なんて言ったり、
 「あまいもの、食えないんだよ」とか宣言したりするが、
 そこらへんまでなら、わかるんだよな。
 背が高いとか、足が速いとか、そういうこともわかる。
 でも、もっといっぱいあるんだよ、じぶんの性質って。

 こういう人とは馬が合うとか、
 こんな人を好きになるような気がする、とかね、
 人間関係のなかで発見するじぶんの性質もある。
 ひとつの場に定着したいか、
 それとも旅をするように新しいところにいきたいか。
 海を好きなのか、山にいると落ち着くのか。
 生きて、いろんな経験をしているうちに、
 「おれって、なに?」ということが、
 少しずつわかってくるものなのだと思う。
 ぼくは、今日も、ひとつじぶんの性質を発見した。

 だれにもあるのだろうけれど、ぼくにも、
 「思い出し笑いしてしまうネタ」というのがある。
 忘れないどころか、何度でもこころをよぎって、
 その都度、にまにまと笑ってしまうのだ。
 どうしょうもなくくだらないのだけれど、
 そんなことはどうだっていい、つい笑ってしまうのだ。
 具体的に、どういうネタなのかは、あえて言わない。
 番組が変わるように、時期によって変わるのだけれど、
 共通して言えるのは、「邪気がない」ということだ。
 そう考えてみると、ぼくのいちばん好きなことって、
 「邪気がない」ものに会いたがることも、
 ぼくの性質なのかもしれないと思いついたのだった。

 そういえば、赤ん坊がけらけらよく笑うことで、
 それを見ている大人たちも、つい笑ってしまう。
 この関係が、ぼくのいまの「幸福感」に近い。
 そのことも、覚えておこう、じぶんで。
 そしたら、なにかのときに、幸福感を得やすくなる。
 あんこと、コロッケとお好み焼きがあって、
 お天気がちょうどよくて、邪気のないもので笑う…。
 この条件さえ整ったら、ぼくはおそらくゴキゲンである。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
どんな景色が好きとかも、わかってて覚えておきたいねー。


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