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第33回 | ランボルギーニの最新車デザイン・性能情報をお届け

200台のランボルギーニ──日本人はなぜランボ好きなのか

日本人はなぜ昔からランボルギーニが好きなのか。そう問うても、好きな理由は人それぞれ異なるので答えは出ないだろう。しかし、日本人がアラブや中国の人々よりもランボルギーニが好きだということは、ちゃんと数字が証明している。ランボルギーニは2018年に前年比51%増となる5750台の新車販売台数を記録したが、市場別に見ると、日本は前年比36%の559台で第3位のシェアとなっているのだ。ちなみに、1位は北米の1595台、2位はイギリスの636台。通常の年は日本が北米市場に次ぐ第二の市場だ。昨年11月のことになるが、この日本人のランボルギーニ好きを象徴するシーンが横浜で見られたので紹介しよう。200台以上のランボルギーニによるオーナーパレードである。

「ランボルギーニ・デイ・ジャパン」でアジア初披露された『アヴェンタドールSVJ』

「ランボルギーニ・デイ・ジャパン」は、日本各地のランボルギーニオーナーが集う年に一度のビッグイベントだ。会場となったのは横浜スーパーファクトリー。目玉のひとつは、ランボルギーニの新たなフラッグシップモデルとなる『アヴェンタドールSVJ』がふたりの美女によってアンベールされたこと。むろんアジアではこの日が初披露となった。

このほか、『ウラカン ペルフォルマンテ スパイダー』『ウルス』、そしてサブ会場には、ランボルギーニ・ポロストリコによってレストアされた『エスパーダS3』『イスレロ400GT』などのヒストリックカーも展示された。驚かされたのは、このイベントのためにステファノ・ドメニカリCEOをはじめとするランボルギーニの経営幹部までわざわざ来日したことだ。これはランボルギーニが日本市場を重視していることの証といえるだろう。

そしてある意味、このイベントの最大の見どころとなったのが、集結した200台超のランボルギーニによるパレードだ。もちろんすべてオーナーによるドライブである。

約200台のランボルギーニが近未来的都市のみなとみらい地区をオーナーパレード

集まったモデルはじつに多彩だ。『アヴェンタドール』『ウラカン』『ウルス』の現行モデルのみならず、『ミウラ』『カウンタック』といった往年のランボルギーニの姿も見られた。数でいうと、一番売れているモデルだけにやはり『ウラカン』が多かっただろうか。

約200台のランボルギーニは、ステファノ・ドメニカリ氏の挨拶のあと、みなとみらい地区から横浜市の横浜スーパーファクトリーまでのおよそ8kmをパレード。多くのスーパーカーが集まる場所といえば、日曜日や年末年始の首都高速湾岸線「大黒パーキングエリア」が有名だが、ランボルギーニ・デイ・ジャパンのパレードはその比ではない。

まず全台がランボルギーニの単一ブランドであること。さらに、みなとみらいはオフィスビルや高級ホテル、テーマパークなどが計画的に区画されたエリアに並ぶ近未来的都市であるうえ、パレードが夕刻だったことが大きい。灯りで彩られたみなとみらいをこれだけの数のランボルギーニが隊列を組んで走るさまは、まるで『ワイルド・スピード』だ。

ランボルギーニにとって日本は重要マーケット。『ウルス』導入でより成功を収める

イベント会場の横浜スーパーファクトリーでは、ランボルギーニの経営幹部がオーナーたちを出迎えた。以下はステファノ・ドメニカリ氏によるスピーチである。

「ランボルギーニにとって日本は重要なマーケットです。日本のお客様に長きにわたりご愛顧いただき、わたしたちのブランドとの強い絆を築いていただきましたことに感謝申し上げます。私たちは常にお客様のことを考えており、ウルスを市場に導入したことにより、世界、そして日本でも今まで以上の成功を収めることができると期待しています」

日本人がランボルギーニを好きなように、ランボルギーニもまた、自社のスポーツカーをより多く購入してくれる日本人オーナーを間違いなく好ましく思っているに違いない。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) Automobili Lamborghini S.p.A.
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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第37回 | ランボルギーニの最新車デザイン・性能情報をお届け

最強オープン──アヴェンタドールSVJロードスター

『イオタ』の名は、ある世代の男たちにとって特別な響きをもつ。言わずとしれたランボルギーニの幻のスーパーカーである。この『イオタ』に由来する車名を与えられ、900台が昨年限定発売された『アヴェンタドールSVJ』は、“史上最強のアヴェンタドール”として大きな話題となり、瞬く間に完売となった。その興奮が収まらぬなか、さらなる魅力を加えた一台が登場した。オープントップモデルの『アヴェンタドールSVJロードスター』だ。至高のV12サウンドをオープンエアで愉しむ。こんな贅沢がほかにあるだろうか。

伝説の「J」再び。最速記録をもつ『アヴェンタドールSJV』のオープンバージョン

スーパーカー世代の男性は、「SVJ」という三文字に胸を踊らせるに違いない。1969年に先行開発の名目でたった一台だけが作られ、のちに事故で失われた伝説の実験車両「J」。その純正レプリカにつけられた名前だからだ。レプリカは『イオタ(Jota)』、あるいは『ミウラSVJ』と呼ばれている。「SVJ」は「スーパーヴェローチェ イオタ」の略だ。

ベースとなったのはランボルギーニ初のミッドシップスポーツカー『ミウラ』。生産台数については諸説あるが、6台、または8台ともいわれる。まさに幻のスーパーカー。だからこそ、『アヴェンタドール』シリーズの頂点に立つ存在として「SVJ」の名をもつモデルが登場したとき、ランボルギーニファンやスーパーカーファンが沸き立ったのである。

『アヴェンタドールSJV』が搭載するのは、最高出力770ps/8500rpm、最大トルク73.4kg-m/6750rpmを発生する6.5L V型12気筒エンジン。出力とトルクは、標準モデルよりもそれぞれ30hpと30Nm高められている。その圧倒的なパフォーマンスは、ニュルブルクリンク北コース“ノルドシュライフェ”での量産車最速タイム(当時)で証明済みだ。

従来の最速タイムは、昨年9月にポルシェ『911 GT2 RS』が記録した6分47秒3。『アヴェンタドールSJV』は、それを2秒以上も短縮する6分44秒97という驚異的なタイムを記録した。この最速クーペのオープンバージョンとなるのが、3月のジュネーブモーターショー2019でお披露目された『アヴェンタドールSJVロードスター』だ。

0-100km/h加速は驚異の2.9秒。ランボルギーニ史上“最速・最強”のロードスター

オープントップには『アヴェンタドールSロードスター』と同様の脱着式ルーフを採用した。ルーフは左右2分割式のカーボンファイバー製で、これを手動によって取り外す。クルマを降りなければならないが、オープン化の作業は非常に簡単で、ルーフも軽量。取り外したルーフはフロントのボンネット内にきれいに収納できるように設計されている。

電動で開閉するリヤウインドウを新たに採用したのもトピックだろう。ルーフを着けたクローズドの状態でも、ここを開ければV12サウンドをより愉しむことができるのだ。

脱着式ルーフにあわせてリヤのエンジンパネルの形状もフラットなものへと変更された。ただし、パネルにデザインされたランボルギーニファンにおなじみのY字は健在だ。そのほかのエクステリアはクーペを継承。大型エアインテーク、ワイドなサイドスカート、ヘキサゴン型スポイラー、リヤでは高い位置に設置された大型リアウィングが目を引く。

オープン化によって車重はクーペより50kgほど重くなっているが、それでも1575kg程度に収まっている。全長4943mm×全幅2098mm×全高1136mmものボディサイズをもち、12気筒エンジンを搭載するスーパーカーであることを考えると望外に軽量だ。それにより生み出されたパワーウエイトレシオはわずか2.05kg/hp。0-100km/h加速は驚異の2.9秒、0-200km/h加速は8.8秒でこなし、最高速度は350km/h超をマークする。

可変型エアロダイナミクスの搭載により、トップスピードを落とさず空力性能を強化

特筆すべきは「ALA2.0(アエロディナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ2.0)」と呼ばれるテクノロジーの装備だろう。『アヴェンタドールSJVロードスター』が搭載するのは、クーペと同じ最高出力770ps の V12エンジン。この強力なパワーユニットを軽量ボディに積めば、車体を制御できず、フロントから浮き上がって一回転しかねない。

そこで、トップスピードを落とすことなくダウンフォースを強化する、ランボルギーニの特許技術である「ALA」が必要となるのだ。「ALA」は、簡単にいうと能動的に空力の負荷を軽減してくれる可変型エアロダイナミクスのこと。速度ではなく、車両状態に連動するという特徴をもつ。フロントスプリッタとエンジンフードのアクティブフラップをモーター制御することにより、フロントとリヤの空気の流れをコントロールしてくれる。

この「ALA」と、搭載されたすべての電子装置をリアルタイムで管理し、加減速やローリング、ピッチング、ヨーイングといった車両の挙動を常に把握する「ランボルギーニ・ピアッタフォルマ・イネルツィアーレ」(LPI)が連動し、あらゆる走行条件下で最高の空力設定を整えてくれる。さらに、曲がる方向に応じて「ALA」の設定をスポイラーの左右いずれかに切り替え、どちらかに多く気流を発生させる「エアロ・ベクタリング」も備える。

駆動方式は四輪駆動で、フロントアクスルとリアアクスルとの間トルク配分は道路条件、グリップ、ドライビングモードに応じて、リアルタイムに変化する。また、後輪操舵システム「ランボルギーニ・リアホイール・ステアリング」や磁性流体プッシュロッド式のアクティブサスペンションを採用し、高次元のドライビングダイナミクスを実現した。

走行モードは、標準の「STRADA(ストラーダ)」、スポーティな走りの「SPORT(スポーツ)」、サーキット走行向けの「CORSA(コルサ)」、そしてこの3種類をベースに自分好みにカスタマイズすることができる「EGO(エゴ)」の4種類から選択可能だ。

『アヴェンタドールSVJロードスター』は800台限定生産。価格は6171万4586円

インテリアは航空機に着想を得たデザインとなっており、ドアやメータークラスター、コンソールなどにカーボンファイバーを採用。シートやダッシュボード上部、コンソールボックスにはレザーやアルカンターラを使用している。また、コクピットの随所にもY字デザインがあしらわれ、「SVJ ロードスター」のインテリアプレートも装備する。

限定生産台数はクーペよりも100台少ない800台。日本での価格は、クーペからおよそ600万円高となる6171万4586円(税込み)と発表されている。しかし、これはあくまでも参考価格だ。ランボルギーニは、顧客の要望に応じてボディカラーやインテリアに事実上無限の選択肢を用意しており、それらによって価格も大きく変動する。

ランボルギーニのフラッグシップモデル『アヴェンタドールSVJ』のずば抜けたパフォーマンスはそのままに、オープン化をはたした『アヴェンタドールSVJロードスター』。シリーズ最速・最強の称号をもつオープンモデルの上陸がいまから楽しみでならない。

Text by Muneyoshi Kitani
Photo by (C) Automobili Lamborghini S.p.A.
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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Lamborghini Press Conference – ジュネーブモーターショー2019
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