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第15回 | ベントレーの最新車デザイン・性能情報をお届け

コンチネンタルGT Convertible──回転扉をもつベントレー

速さ、贅沢さ、爽快さ。もしこの三つが自動車に求められる快楽だとするなら、ベントレー『コンチネンタルGTコンバーチブル』はすべてを備えたクルマだ。しかし、約2年前に先行デビューしたクーペモデルをベースとする新型『コンチネンタルGTコンバーチブル』は、あらゆる面でグレードアップされ、コクピットにはわくわくするようなおもしい仕掛けも新たに用意されている。最新のラグジュアリーオープンの世界を紹介しよう。

富裕層を満足させるために培った技術が注ぎ込まれた極上の4シーターオープンカー

『コンチネンタルGT』は、現在のベントレー唯一の2ドアモデルだ。初代がデビューしたのは2002年。当時は2000万円を切る安価な価格(ベントレーとしては)だったことから、ブランドに新たなファンをもたらしたクルマでもある。コンバーチブルは歴代モデルのすべてに設定され、第三世代のデビュー時からオープン仕様が待たれていた。

昨年11月に発表された新型『コンチネンタルGTコンバーチブル』は、今年で創業100周年を迎えるベントレーが彼らの顧客である富裕層を満足させるため、その培ってきた技術を注ぎ込んだ極上の一台だ。自動車に求められる性能や愉しみのほぼすべてを備え、ラグジュアリーオープンらしく4シーターであることも特徴のひとつとなっている。

パワートレインは、最高出力635ps、最大トルク900Nm を発揮する6.0L W型12気筒ツインターボエンジン。8速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)を組み合わせ、駆動方式にはフルタイム4WDシステムを採用した。パフォーマンスは圧倒的で、0-100km/h加速3.8秒、最高速度333km/hと、ピュアスポーツカー顔負けである。

あえて伝統的なファブリック製のルーフにすることでエレガントな雰囲気を作り出す

エクステリアでは、英国らしさが際立つ素材を用いたソフトトップが印象的だ。ラグジュアリーカーにもかかわらず、RHT(リトラクタブルハードトップ)ではなく、あえて伝統的なファブリック製とすることで、じつにエレガントな雰囲気を作り出している。

ルーフのカラーは、英国の伝統的なツイード模様を現代的にアレンジした素材を含めて7色をラインナップ。そして、前輪を135mmも前に出すことで実現したロングノーズの伸びやかなボディにまとうカラーは70色に及ぶ。これらを組み合わせて“選ぶ愉しみ”は、新車でベントレーを購入するオーナーだけが味わうことのできる醍醐味である。

とりわけコンバーチブルの場合、オープン時に室内が外部に露出するために、内外装のコーディネートが非常に重要になる。内装もエクステリアの一部となるからだ。

ボタンを押すとウッドパネルが回転して12.3インチのタッチディスプレイが現れる!

インテリアで注目したいのは、ベントレーのエンブレムのように、センターコンソールを中心にして左右に伸びるウッドパネルに施された回転扉のような仕掛けである。

ベントレー・ローテーションディスプレイと名づけられたこのウッドパネルでは、スタートボタンを押してエンジンを始動させると、中央部が回転してベントレー史上最大となる12.3インチのタッチディスプレイが現れる。しかも、じつは3面式になっており、「コンパス」「外気温」「クロノメーター」の三つのアナログメーターを並べることも可能となっている。格調高い伝統的なスタイルのインテリアに、デジタルディスプレイは必ずしも似合わない。そこで、ボタンひとつで伝統から先進へと変わる仕掛けを施したのだろう。ベントレー・ローテーションディスプレイには、そんなブランドの考えが表れている。

その伝統のウッドパネルには、持続可能という観点で入手した希少なコア材やダークフィドルバックのユーカリ材など8種類が設定され、使用範囲は10 平方メートル以上にも及ぶ。ベントレーキルティングが施されるシートのレザーは15種類から選択でき、さらにカーペットは15種類、ルーフライニング(天井)も8色から選ぶことが可能だ。

センターコンソールには、パテック・フィリップやフランク・ミュラーといったスイスの高級機械式時計のムーブメントなどの仕上げに用いられる、「コート・ド・ジュネーブ」と呼ばれる繊細な装飾が熟練の職人の手によって施されている。

シートは20WAYの調整式で、マッサージ機能と冬場のオープン時にうれししいネックウォーマー(首元から温風を排出)を装備する。ステアリングだけでなく、アームレストにまでヒーターが入っていることも特筆すべきだろう。なお、オーディオは18スピーカー、出力2200W の「Naimオーディオシステム」など3種類が用意された。

新型『コンチネンタルGTコンバーチブル』の納車は夏以降。価格は2818万円から

ロングノーズとなだらかに下りていくルーフラインを持つ『コンチネンタルGT』は、ラグジュアリーではあるが、スポーティな印象も強い。それがファブリック製のルーフを持つコンバーチブルになると、ぐっとエレガントさが強まるから不思議なものである。

ボディカラーも自然とクーペとは違う雰囲気のものを選びたくなるが、このクルマにはホイール、ルーフカラー、インテリアカラー、ウッドパネル、カーペット、ルーフライニングと、一つひとつを吟味して自分だけの一台を作り上げる“選ぶ愉しみ”がある。そこから『コンチネンタルGTコンバーチブル』との暮らしが始まるといってもいい。

日本での価格は2818万円から。今年の夏以降に納車を開始すると発表されている。

Text by Muneyoshi Kitani
Photo by (C) Bentley Motors
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

動画はこちら
The New Continental GT Convertible オフィシャル動画
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第16回 | ベントレーの最新車デザイン・性能情報をお届け

ウルス超えの最速SUV──Bentleyベンテイガ スピード

ベントレーの創業者であるウォルター・オーウェン・ベントレーは、1888年生まれだ。「ベントレー・モーターズ」を設立したのは31歳のとき。1919年のことである。今年は、それから100周年のメモリアルイヤー。その記念すべき年に、世界最速、最強の一台が発売される。『ベンテイガ スピード』。「スピード」は、ベントレーのなかでも高性能モデルが冠する名称で、『ベンテイガ スピード』はその名の通り、SUVである『ベンテイガ』の高性能モデルだ。ベントレーいわく「世界最速のSUV」である。

最高速度306km/h。ランボルギーニ『ウルス』を上回る世界屈指のパフォーマンス

燃費や利便性が話題になりがちな、昨今の新車発表。しかし、カーガイにとっての興味は、そこだけに留まらない。世界最速をうたう雲上の一台は、手に入らずとも憧れの的だ。そういった意味で、ベントレーが「ラグジュアリーを極めた世界最速SUV」と自称する『ベンテイガ スピード』は非常に気になるクルマだろう。

『ベンテイガ』は、“超”高級SUVという新しいセグメントを切り拓いた一台。ラグジュアリー性だけでなく、スピードやパワーにも究極的にこだわった。すでに頂きにあるモデルのさらなる高性能モデルとは、どういったポテンシャルを秘めているのか。

その実力を客観的に示すために、パワートレインの数字を述べよう。定評ある6.0L W12ターボエンジンのハイパワーバージョンを搭載し、最高出力635ps、最大トルク900Nm、最高速度306km/h、0–100 km/h加速3.9秒。これらは、標準の『ベンテイガ』よりも最高出力で27ps、最高速度で5km/hのパワーアップ、0-100kmの加速で0.2秒短縮している。いわずもがな、SUVとしては世界屈指のパフォーマンスだ。最高速度にいたっては、世界最速のSUVである、あのランボルギーニ『ウルス』を上回っている。

世界最高速のスピードで走る約2.4トンの車体。そのエネルギーを受け止めるのが、ベントレーのなかで最大・最強、6000 Nmの制動力を発揮するカーボン・セラミック・ブレーキだ。足回りに関しては、『ベンテイガ』と同じく全輪駆動で、エレクトロニック・デファレンシャルロック(左右のタイヤの回転差を固定する機構)を採用している。

オンロードとオフロードを合わせて計8種類のドライブモードを搭載する充実ぶり

走りの性能については、状況に応じて4種類から選択できるオンロード用走行モードも重要な役割をはたす。乗り心地を最優先させた「コンフォート」、走りを重視した「ベントレー」と「スポーツ」、そしてドライバーが好みに応じて設定できる「カスタム」だ。

特に「スポーツ」モードは専用にチューニングされており、W12エンジンと8速ATのレスポンスに加え、サスペンションと電動アクティブスタビライザー「ベントレーダイナミックライド」の応答性も向上。これまで以上にダイナミックで一体感のある走りを実現した。コーナリング時のロールを即座に抑え込み、タイヤの接地性を最大限に高め、クラストップのキャビン安定性と快適な乗り心地、優れた操縦性を実感することができるだろう。

SUVであるだけに、オフロード用の走行モードも準備されており、その場合は「雪道・草道」「土道・砂砂利」「泥道・小道」「砂道」の4種類が選択可能。合わせて計8種類の走行モードは『ベンテイガ』と同じで、ほかのラグジュアリーSUVを圧倒する充実ぶりだ。

専用スティッチングや「Speed」があしらわれたスポーティでラグジュアリーな室内

エクステリアは『ベンテイガ』を踏襲しつつ、専用装備が与えられた。フロントマスクでは、深い色調のダークティントヘッドライトが質の高さを物語る。また、サイドスカートや前後バンパーのスプリッター、テールゲートスポイラーなどをボディと同色でまとめることで統一感を演出。また、新設計の22インチ10本スポークホイール、ダークティントで統一されたラジエターグリルとバンパーグリル、3種類の仕上げに対応する22インチ専用ホイール、ボディにあしらわれた専用バッジもスポーティなデザインを引き立ててくれる。

キャビンは職人の技が光るハンドクラフト。英国モダンデザインが濃縮された空間に仕上がっている。注目のひとつが、『ベンテイガ』シリーズ初となるアルカンターラの採用だ。後席が2人乗りの4シートモデルでは、クッションボルスターやバックレスト上部、ドアパッド、バックボードのダイヤモンドキルトにもコントラストステッチを施すことができる。

専用の意匠では、「Speed」のロゴをブラインド/コントラストステッチのいずれかで入れることが可能だ。コクピットには、イルミネーション付き「Speed」トレッドプレートが、助手席側フェイシアにはメタル製「Speed」バッジが輝きを添える。

発売は2019年後半。価格や日本導入時期は発表されていない。ちなみに、『ミュルザンヌ スピード』は、『ミュルザンヌ』と比較すると約10%高い。『ベンテイガ』は2786万円なので、3000万円程度になるのだろうか。世界最強のSUVにふさわしい価値である。

Text by Tsukasa Sasabayashi
Photo by (C) Bentley Motors
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

動画はこちら
Bentley Bentayga Speed オフィシャル動画
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