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第6回 | 次世代型の夫へ。「家事マインド」を高める

効果は絶大。妻への「ひとり時間」プレゼントは利点だらけ

誰にとってもひとりの時間は大切なものだが、共働き夫婦で小さい子どもがいる場合、家事の負担が偏りがちな妻に「自由な時間」はないに等しい。だからこそ、家事や子育てから解放されて自由に過ごすことのできる「ひとり時間」は、妻への最高のプレゼントとなる。夫婦におけるひとり時間のメリットについて、夫婦の家事シェアを推奨する三木智有さんに聞いた。
今回のアドバイザー
三木智有
NPO法人tadaima! 代表理事
2011年NPO法人tadaima!を設立。「ただいま」と帰りたくなる家庭を実現するため、男性が家庭をもっと楽しむ必要を感じ 「関係(家事シェア)」と「環境(インテリア)」の両面からサービスを展開する。

ひとりになってリフレッシュすると心身の負担が軽くなり、夫婦間の衝突が減少する

共働きの妻は言わずもがな。専業主婦の場合も、子どもにつきっきりの時間が長くなりすぎるとストレスがたまる。そこで妻に「ひとり時間」をプレゼントすると大きなメリットがあるという。

「共働きの妻も仕事を時間内で効率良く回し、帰宅後には夕食作りなどの家事をして目まぐるしい毎日を過ごしています。特にお子さんが小さい頃は、食事の時間は戦争のようなもの。『遊んで!』とせがまれてゆっくり本を読む時間もないでしょう。そんな日々が続いても、ひとりになってリフレッシュや息抜きする時間があると、心身の負担が軽くなり夫婦の衝突が減ります」(三木さん、以下同)

家事慣れしていないのに張り切ると逆効果。無理せず「ひとり時間」を習慣化する

だからといって、妻にひとり時間をプレゼントして張り切りすぎるのは禁物だ。たしかに「せっかくだから普段手が回らない場所を大掃除しよう」「シェフ顔負けのディナーを作ろう」などとがんばれば妻は喜ぶかもしれないが、三木さんは「ふだん通り過ごすこと」をすすめる。

「ひとり時間のプレゼントは、日常生活に溶けこむのが理想です。毎回大々的なことばかりやろうとすると、次第に夫の腰が重たくなっていくでしょう。また、子どもに家事を教えようとか、そこまで考える必要もありません。『頼まれた買い物を済ませておく』『洗い物を片付けておく』などのサポートだけで十分です。ただし、『あれ見当たらないけど、どこにしまってある?』等々と、つまらない用件でひとり時間を過ごす妻に何度も連絡するのは迷惑なので、やめたほうがいいですね」

そのためには家事・育児のやり方、必要なものが置いてある場所などを事前に把握しておきたい。

「なかには、夫と子どもに外出してもらい、自分は家でのんびり過ごしたいという女性もいます。妻がひとりで外に出かけることだけがひとり時間ではないのです。午前中は妻のひとり時間、午後は夫とシェアするというのもいいでしょう。頻度としては、月1〜2回くらい自由な時間が設けられるようになると、『習慣化した』という感覚が持てるようになるのではないでしょうか」

ひとり時間を終えて帰宅した妻を出迎えるときの態度や声がけにも気をつけたい。なぜなら、そうした態度いかんで自分に対する妻の印象がガラッと変わってしまう可能性があるからだ。

「たとえば、家事に追われる妻の在宅中は部屋が散らかりがちだとしましょう。それなのに、『俺ひとりのときはキレイだぞ』とアピールされたらどう思うでしょうか。カチンときてケンカになるかもしれません。そうではなく、『ここまでは片付けられたけど、なかなか難しいね』という言葉で妻への共感を表現したり、ほめたりすれば、家事の大変さが共有されて夫婦仲が深まるかもしれません」

夫婦で「ひとり時間」を贈り合うのが理想。家庭環境に合わせてカスタマイズしよう

三木さんによると、ひとり時間は妻だけではなく夫婦双方にとって重要なものだという。

「夫から妻へ一方的にプレゼントするだけでは長続きしません。休日のたびに『妻を助けなきゃ』という気持ちでいると、夫も疲れてしまいます。理想は、お互いにひとり時間をプレゼントし合える関係を築くこと。ふだんは二人でこなしている家事や子どもの世話を相手に任せることになるので、『ひとり時間を大切に過ごそう』という意識にもつながり、安心して任せられるという確証ももてます。すごく価値ある時間を有意義に過ごそうと思うため、充実した時間を過ごせるようになるでしょう」

ひとり時間のプレゼントは、無理なく習慣化できれば大きなメリットを得られる。妻がリフレッシュできるだけではなく夫にも主体的な家事が身につく。まず一度試してみることをおすすめしたい。

最後にアドバイザーからひと言

「陸上競技に例えると、日常的に家事をしている妻は『長距離選手』、サポート的な立場の夫は『短距離選手』といえます。夫が1日だけ家事をできたからといって、ドヤ顔するのはやめましょう。100メートルを走れたとしても、マラソンを走れるわけではないですからね」

Text by Chiharu Matsushima(Seidansha)
Edit by Miki Ohnuki(Seidansha)

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第8回 | 次世代型の夫へ。「家事マインド」を高める

家事は外注する。家事代行サービス・効率化アイテム最前線

家事について夫婦で話し合い、家事・育児の負担を平等に振り分ける。たしかにそれが理想的だが、必ずしも分担してうまくいくとは限らない。そこで一度試してみたいのが “家事の効率化”だ。最近では、共働き夫婦をサポートする家電アイテムや家事代行サービスが登場しており、それらをうまく活用すると、ストレスのたまった夫婦の不満解消につながるという。家事アドバイザーの矢野きくのさんに家事効率化のメリットについて聞いた。
今回のアドバイザー
矢野きくのさん
家事アドバイザー
家事の効率化、家庭の省エネなどを専門にテレビ、雑誌、講演などで活動。 時短家事、100円グッズ、便利グッズ、業務用食品の情報にも精通し、生活用品や便利グッズの企画にも携わる。ホンダ、イオン、東芝などの大手企業、日経新聞Webや共同通信などでの連載実績も多数。

家事を外注すれば負担が減るだけではなく「自分の時間」や「家族の時間」が増える

ひと口に家事といっても、やるべきことは極めて多岐にわたり、365日休みなく行わなければならない。矢野さんは「毎日のことだからこそ効率化してほしい」と話す。

「夫婦共働きが一般的になり、夫の家事参加も以前に比べて増えてきてはいます。しかし、いまだに妻の負担が大きかったり、慣れない家事に夫が苦戦して『面倒なもの』というイメージを抱いて消極的になったりと、お互いに家事への不満が溜まってしまうケースも多いようです。そうなる前に、最新の家事アイテムの導入や家事代行サービスに家事を外注すると、精神的、肉体的にもお互いに負担が軽くなりますよ」(矢野さん、以下同)

また、家事の効率化は夫婦の負担やストレスが軽減されるだけではなく、「『家族の時間』や『自分の時間』を有意義に過ごすことにもつながります」と矢野さんは話す。

「電気調理鍋」「ルンバ」「温水泡洗浄」…。ここまで進化した家事の効率化アイテム

さっそく矢野さんおすすめの家事の効率化アイテムを紹介しよう。

■電気調理鍋『クックフォーミー エクスプレス』(ティファール)
「150種類の時短レシピが内蔵されている鍋です。見た目は電気炊飯器に似ていますが、材料を入れてボタンを押すだけで加圧調理が始まり、肉じゃがなら3分、リゾットなら5分と、どのメニューも15分程度で料理ができあがるので重宝するでしょう。電気調理鍋なので火元を離れても安心ですし、旦那さんが手軽に料理できるのも魅力ですね」

■自動お掃除ロボット『ルンバ642』(アイロボット)※Amazon限定商品
「『ルンバ』は、昭和中期に登場した全自動洗濯機以来の革命的な家電です。その性能はどんどん向上し、畳、カーペット、フローリング、ラグなど、あらゆる場面に合わせて吸引口を調整し、階段の段差もしっかり回避するので、放っておいても大丈夫。ゴミの多い場所もセンサーが感知し、キレイになったと判断するまで徹底的に掃除してくれます。人間が掃除機をかける手間を、丸ごと『ルンバ』が請け負ってくれるんです」

■全自動洗濯機『温水泡洗浄WホワイトNA-FA120V1』(パナソニック)
「この全自動洗濯機の最大のポイントは、温水で洗濯できる『温水泡洗浄』。温水洗浄によって、汚れや黄ばみをキレイに落とすことができるのです。乾燥機能付きなので、洗濯物を干す作業を省略し、天気や時間を気にする必要もありません。好きなタイミングで洗濯乾燥ができると、洗濯物が溜まって夫婦でケンカになるトラブルもなくなりますよ」

豊富な経験を持つプロが基本的な家事をやってくれるイオングループの「カジタク」

こうしたアイテムに加え、食材の買い出しや家事全般をサポートするサービスもある。

■ネットスーパー(イオン、イトーヨーカドー、西友など)
「意外と大変な買い物の時間が短縮できるうえ、冷蔵庫の在庫を確認しながら発注することが可能なので、“ダブり買い”を防ぐことができます。イオンの一部店舗で提供している『置き楽プラスサービス』なら、不在中も専用コンテナに商品を入れて、玄関前に届けてくれます。1回100円の利用料がかかりますが、再配達の手間が省けるので利用価値は高いですね」

■カジタク(イオングループ)
「家事代行サービスは、豊富な経験を持つプロが掃除や片付け、洗濯、アイロンがけ、ゴミ出しなど、基本的な家事をしてくれるというもの。さまざまなサービスがありますが、おすすめはイオングループのカジタクですね。理由はプランの多さとコスパの良さ。家の広さにもよりますが、月4回の毎週プランなら最安月額が税抜いで2万5200円。月2回の隔週プランなら、最安月額が税抜きで1万6400円です。土曜・祝日も対応可能ですし、仕上がりに不満があったらやりなおしをお願いできる保証サービスもあります」

効率化アイテムや家事代行サービスの導入に妻が難色を示した場合どうすればいい?

とはいえ、コスト面や他人に家を預けるという心配から、家事代行サービスに抵抗を覚える人も少なからずいるかもしれない。効率化アイテムに比べて導入のハードルが高そうだが、「夫のフォローひとつで妻の意見も変わります」と矢野さんはアドバイスする。

「奥さんに『君の時間を過ごしてほしい』と伝え、コストは夫婦で相談しながら家計に合ったものを選んでください。家事代行サービスを利用し、空いた時間で『一緒に◯◯をしようよ』と提案してみると、良いきっかけになるかもしれません。他人に家事を任せるのが不安なら、奥さんの在宅時に利用することから始めてみると安心できると思いますよ」

家事の負担軽減は、夫婦で分担することだけではない。いずれの効率化を試してみるにしても、夫のほうから「これを利用してみよう」と提案してみることをおすすめしたい。

最後にアドバイザーからひと言

「いまや、家族だけで家事をやらなければならない時代ではありません。家計の中で使える金額内で家事代行サービスや最新家電を使いこなして、より充実した暮らしにしていきましょう!」

Text by Akihiro Fukuda(Seidansha)
Edit by Miki Ohnuki(Seidansha)

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