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第4回 | 次世代型の夫へ。「家事マインド」を高める

サボればトラブルに。ペットの世話を夫婦で分担すべき理由

ペットは家族の一員であるだけでなく、夫婦の会話のきっかけとなって家族関係を良好に保つ潤滑油のような存在でもある。しかし、ペットの世話を妻に押しつけているなら話は別。その場合、逆にペットが夫婦間のトラブルの種となりかねない。ペットの世話を夫婦で分担すべき理由と心構えについて、住宅・家事ライターの藤原千秋さんに聞いた。
今回のアドバイザー
藤原千秋
家事・掃除・子育て ガイド
大手住宅メーカーの営業職を経て、現在は住まいや暮らしに関するガイドとして、生活に役立つ情報を多数発信している。ほかにも、『この一冊ですべてがわかる!家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)の監修や、『人生が整う 家事の習慣』(西東社)の執筆など、多くの書籍を出版したり、アドバイザーとしてメディアに出演したりと、その活躍は多岐に渡る。

「私だけがペットの世話をしている」。妻の負担が大きくなるといずれ不満が爆発する

言うまでもなく、ペットと暮らすとさまざまな責任が発生する。日々の食事の世話からトイレの片付け、散歩などによるストレスの軽減、体調の心配と、やるべきことがたくさん出てくる。それだけに、ペットと暮らす夫婦には世話をめぐるトラブルがつきものだという。

「子育てがそうであるように、ペットの世話も家事のひとつであり、夫婦のどちらかの負担が大きくなりがちです。傾向としては、妻の負担のほうが大きい家庭が多いのではないでしょうか。食事、トイレの交換などの細々とした作業に加え、犬なら散歩をしなければならない。こうした世話が妻に偏ると、『私だけが面倒を見ている!』という不満が蓄積されていってしまい、夫婦間のトラブルに発展する可能性があります」(藤原さん、以下同)

たしかに、それぞれの職場で重要なポジションに就いているミドル男性は、どうしても家庭より仕事を優先しがちで、ペットの世話は週末だけという人も多そうだ。

「ミドルエイジの男性にはペットの世話に関与していないケースが見られます。夫婦関係を良好に保つためにも、ペットの世話が妻に偏らないように配慮してあげてください」

ペットの世話を夫婦で分担するポイントは、精神的につらくならない負担の振り分け

しかし、どのようにペットの世話を夫婦で分担すればいいのだろうか。藤原さんは「ペットを家庭に迎え入れる前に、まず世話の分担を話し合うべき」とアドバイスする。

「ペットを迎えるということは、夫婦でひとつの命に責任を持つということなので、行き当たりばったりというわけにはいきません。日々の世話の分担など、決められることは事前に夫婦で相談し、万全な状態で受け入れる必要があります。妻が『私だけが世話をしている』と不満を漏らしてから夫婦で話し合うのでは、ハッキリ言って遅すぎます」

分担を決める際のポイントは、藤原さんによると「それぞれが苦痛を感じずにこなせる役割を受け持つこと」。そうすればお互いのストレスが最小限になるという。

「仕事と同じように、ペットの世話にも向き不向きがあります。また、ペットに向き合える時間帯にも夫婦それぞれでバラつきがあるでしょう。その点をすり合わせ、相手の苦手なこと、仕事上むずかしい時間帯の世話は自分が引き受ける。逆に、日中の散歩など自分ができないことは妻に任せるといった分担法がおすすめです。夫婦ともに苦手なことは交代制にし、互いの精神的な負担を半々にすれば、一方に不満が溜まる心配はないと思います」

つまり単純に世話の分担ではなく、精神的につらくない負担の振り分けをするわけだ。

自分の分担にとらわれすぎるな。日頃から担当じゃない世話もできるようにしておく

ただし、「自分の担当の世話だけすればいい」という考え方は禁物と藤原さんは指摘する。

「たとえば、妻が体調不良で寝込んでしまったときに、相手が担当していた世話を代わりにすることもできないようでは困ってしまいます。日頃から自分の担当ではない世話もできるようにし、お互いにペットの世話の全貌をきちんと把握するのがポイントです」

ペットを迎えれば自然と夫婦関係がうまくいくと考えるのは大間違い。子育てと同じように真剣に取り組めば、おのずと夫婦の関係も良好になっていくのではないだろうか。

最後にアドバイザーからひと言

「ペットの世話をしていくうちに『この世話は苦手かも…』と感じたら、自分のためにもペットのためにも我慢はNGです。すぐに家族に相談するようにしてください」

Text by Chie Yamanaka(Seidansha)
Edit by Miki Ohnuki(Seidansha)

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第8回 | 次世代型の夫へ。「家事マインド」を高める

家事は外注する。家事代行サービス・効率化アイテム最前線

家事について夫婦で話し合い、家事・育児の負担を平等に振り分ける。たしかにそれが理想的だが、必ずしも分担してうまくいくとは限らない。そこで一度試してみたいのが “家事の効率化”だ。最近では、共働き夫婦をサポートする家電アイテムや家事代行サービスが登場しており、それらをうまく活用すると、ストレスのたまった夫婦の不満解消につながるという。家事アドバイザーの矢野きくのさんに家事効率化のメリットについて聞いた。
今回のアドバイザー
矢野きくのさん
家事アドバイザー
家事の効率化、家庭の省エネなどを専門にテレビ、雑誌、講演などで活動。 時短家事、100円グッズ、便利グッズ、業務用食品の情報にも精通し、生活用品や便利グッズの企画にも携わる。ホンダ、イオン、東芝などの大手企業、日経新聞Webや共同通信などでの連載実績も多数。

家事を外注すれば負担が減るだけではなく「自分の時間」や「家族の時間」が増える

ひと口に家事といっても、やるべきことは極めて多岐にわたり、365日休みなく行わなければならない。矢野さんは「毎日のことだからこそ効率化してほしい」と話す。

「夫婦共働きが一般的になり、夫の家事参加も以前に比べて増えてきてはいます。しかし、いまだに妻の負担が大きかったり、慣れない家事に夫が苦戦して『面倒なもの』というイメージを抱いて消極的になったりと、お互いに家事への不満が溜まってしまうケースも多いようです。そうなる前に、最新の家事アイテムの導入や家事代行サービスに家事を外注すると、精神的、肉体的にもお互いに負担が軽くなりますよ」(矢野さん、以下同)

また、家事の効率化は夫婦の負担やストレスが軽減されるだけではなく、「『家族の時間』や『自分の時間』を有意義に過ごすことにもつながります」と矢野さんは話す。

「電気調理鍋」「ルンバ」「温水泡洗浄」…。ここまで進化した家事の効率化アイテム

さっそく矢野さんおすすめの家事の効率化アイテムを紹介しよう。

■電気調理鍋『クックフォーミー エクスプレス』(ティファール)
「150種類の時短レシピが内蔵されている鍋です。見た目は電気炊飯器に似ていますが、材料を入れてボタンを押すだけで加圧調理が始まり、肉じゃがなら3分、リゾットなら5分と、どのメニューも15分程度で料理ができあがるので重宝するでしょう。電気調理鍋なので火元を離れても安心ですし、旦那さんが手軽に料理できるのも魅力ですね」

■自動お掃除ロボット『ルンバ642』(アイロボット)※Amazon限定商品
「『ルンバ』は、昭和中期に登場した全自動洗濯機以来の革命的な家電です。その性能はどんどん向上し、畳、カーペット、フローリング、ラグなど、あらゆる場面に合わせて吸引口を調整し、階段の段差もしっかり回避するので、放っておいても大丈夫。ゴミの多い場所もセンサーが感知し、キレイになったと判断するまで徹底的に掃除してくれます。人間が掃除機をかける手間を、丸ごと『ルンバ』が請け負ってくれるんです」

■全自動洗濯機『温水泡洗浄WホワイトNA-FA120V1』(パナソニック)
「この全自動洗濯機の最大のポイントは、温水で洗濯できる『温水泡洗浄』。温水洗浄によって、汚れや黄ばみをキレイに落とすことができるのです。乾燥機能付きなので、洗濯物を干す作業を省略し、天気や時間を気にする必要もありません。好きなタイミングで洗濯乾燥ができると、洗濯物が溜まって夫婦でケンカになるトラブルもなくなりますよ」

豊富な経験を持つプロが基本的な家事をやってくれるイオングループの「カジタク」

こうしたアイテムに加え、食材の買い出しや家事全般をサポートするサービスもある。

■ネットスーパー(イオン、イトーヨーカドー、西友など)
「意外と大変な買い物の時間が短縮できるうえ、冷蔵庫の在庫を確認しながら発注することが可能なので、“ダブり買い”を防ぐことができます。イオンの一部店舗で提供している『置き楽プラスサービス』なら、不在中も専用コンテナに商品を入れて、玄関前に届けてくれます。1回100円の利用料がかかりますが、再配達の手間が省けるので利用価値は高いですね」

■カジタク(イオングループ)
「家事代行サービスは、豊富な経験を持つプロが掃除や片付け、洗濯、アイロンがけ、ゴミ出しなど、基本的な家事をしてくれるというもの。さまざまなサービスがありますが、おすすめはイオングループのカジタクですね。理由はプランの多さとコスパの良さ。家の広さにもよりますが、月4回の毎週プランなら最安月額が税抜いで2万5200円。月2回の隔週プランなら、最安月額が税抜きで1万6400円です。土曜・祝日も対応可能ですし、仕上がりに不満があったらやりなおしをお願いできる保証サービスもあります」

効率化アイテムや家事代行サービスの導入に妻が難色を示した場合どうすればいい?

とはいえ、コスト面や他人に家を預けるという心配から、家事代行サービスに抵抗を覚える人も少なからずいるかもしれない。効率化アイテムに比べて導入のハードルが高そうだが、「夫のフォローひとつで妻の意見も変わります」と矢野さんはアドバイスする。

「奥さんに『君の時間を過ごしてほしい』と伝え、コストは夫婦で相談しながら家計に合ったものを選んでください。家事代行サービスを利用し、空いた時間で『一緒に◯◯をしようよ』と提案してみると、良いきっかけになるかもしれません。他人に家事を任せるのが不安なら、奥さんの在宅時に利用することから始めてみると安心できると思いますよ」

家事の負担軽減は、夫婦で分担することだけではない。いずれの効率化を試してみるにしても、夫のほうから「これを利用してみよう」と提案してみることをおすすめしたい。

最後にアドバイザーからひと言

「いまや、家族だけで家事をやらなければならない時代ではありません。家計の中で使える金額内で家事代行サービスや最新家電を使いこなして、より充実した暮らしにしていきましょう!」

Text by Akihiro Fukuda(Seidansha)
Edit by Miki Ohnuki(Seidansha)

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