東南アジア有数の都市、ホーチミンを舞台に開催されるベトナム最大の自動車見本市
ベトナムモーターショーは、同国最大の都市であり、東南アジア有数の世界都市でもあるホーチミン(旧サイゴン)を舞台とするベトナム屈指の自動車見本市である。
じつは、ベトナムの自動車ショーは2017年まで、ベトナム自動車工業会(VAMA)が主催する「ベトナムモーターショー」と輸入車ブランドに特化したベトナム自動車輸入業会(VIVA)による「ベトナム国際モーターショー」が別々に開催されていた。
しかし2018年は初めて両団体の共催となり、VMS 2018(Vietnam Motor Show 2018)へと一本化。5日間の会期中には、およそ18万人の来場者が訪れたという。
アオザイを意識? 大きくスリットの入ったセクシー衣装をまとうベトナムの美女たち
とはいえ、出展ブランドの数はやや物足りない。ヨーロッパ勢はアウディ、メルセデス・ベンツ、ジャガー、マセラティ、フォルクスワーゲン、ランドローバー、ボルボの7ブランド。アメリカ勢はシボレーとフォード。そして日本勢では、トヨタ、レクサス、日産、ホンダ、スバル、三菱の6ブランドが参加した。つまり計15ブランドである。
これは会場となったサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC)のキャパシティが足りなかったことが原因だ。もっと大きな会場を確保すれば、2019年以降はBMWやポルシェ、フランスのシトロエンやルノーなどもこぞって参加するに違いない。
事実会場はアジア特有の熱気に満ち溢れている。目を奪われたのは、露出度の高い衣装をまとい、高級車の傍らで笑顔を見せるモデルの美しさだ。アウディやマセラティなどはブランド専属のモデルを連れてきていたが、大半は美しくエキゾチックなベトナム美女たち。全体的に腰から裾へ長いスリットの入ったセクシーなドレスが目立つ。これはおそらくベトナムの民族服であり正装でもあるアオザイを意識してデザインしたものだろう。
ベトナムは今後5年間でプラス6〜7%の成長。大手メーカーが注目する自動車市場
ベトナムの新車販売台数は年間25万台程度で、クルマの所有率は人口1000人あたり約20台にとどまっている。ベトナムの庶民にとってクルマはまだ手の届かない存在だ。今も昔もホンダ『スーパーカブ』が日々の生活のなかで欠かせない足となっている。
それは逆にいえば、ベトナムの自動車市場が成長の可能性を秘めているということ。ベトナム経済全体では、今後5年間でプラス6〜7%の成長が見込まれており、世界各国の自動車メーカーが熱い視線を注いでいる。ベトナムモーターショーは今後、タイ国際モーターショーとともに自動車業界で大きな注目を集めていくのではないだろうか。
Text by Kenzo Maya
Photo by (C) VMS 2018
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)