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2019年6月12日 紙面から
オリックス-中日 8回表2死二塁、大島の右前打で生還する亀沢。捕手若月(伊藤遼撮影)=京セラドーム大阪で
中日は11日、日本生命セ・パ交流戦のオリックス戦(京セラドーム大阪)を1点差で制した。同点の8回2死二塁から亀沢恭平内野手(30)を代走で投入すると、直後に大島洋平外野手(33)の右前適時打で勝ち越した。与田剛監督(53)の采配がズバリ的中して連敗を2で止め、交流戦は2勝5敗の10位タイとなった。
1点勝負。絶対このチャンスを逃さない。つかみとる。与田監督が強い信念を持って動いた。8回、2死から三ツ俣が四球で出塁。次打者・大島に対しての2球目の暴投で、三ツ俣が二塁へと進むと、指揮官は迷うことなく代走・亀沢を告げた。「外野が前にくるのは分かっていたけど、その中でも勝負ができる選手を」。抜群のスピード、走塁技術に託した。
大島も執念で粘ってフルカウントに持ち込む。そして8球目、オリックス・近藤の143キロ速球を、やや詰まりながら、右前へはじき返した。打球の行方など見ることなく亀沢は激走。右翼・小田からの送球を受け、捕手・若月がタッチにくるが、わずかに早くスライディングから左手でホームベースに触れた。西村監督がリクエストを要求したが、後の祭り。亀沢は「250%セーフと思ってました」と確信していた。
「ワンチャンスに大島はファウルで粘りながら集中できたと思うし、亀沢もよく走った」
指揮官がそう口にしたように、力を結集して、待望の1点をもぎとった。連敗中で借金は10まで膨れ上がっていた。しかも1点のリードを守り切れず、同点に追い付かれた。ガタガタと音を立てて崩壊していくような嫌な流れを止めることができたのは、指揮官のタクトがあってこそだ。
「求められているところでしっかりやるのがサブの役目。準備して臨めた。なんとか塁に出た三ツ俣の代わりなので、無我夢中で走りました」と亀沢も胸を張った。開幕1軍だったが調子が上がらず4月8日に2軍落ち。5月26日に1軍昇格するまで、若手とともに懸命に練習した。「ズボンがぶかぶか」と笑うように、ベルトの穴1個分やせたほど。流した汗が、大事な場面で最高の結果に結び付いた。
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