狙われたのは名門校…登戸19人殺傷事件と池田小事件の接点
岩崎容疑者が死亡した以上、真実が語られることはないが、裕福で教育熱心な家庭の児童が通う小学校が狙われたという点では、2001年6月に大阪府池田市で発生した大阪教育大付属池田小の事件と似ている。包丁2本を持った宅間守元死刑囚(当時37)が、小学校の教室に侵入。児童8人が殺害され、教師を含む15人が重軽傷を負うという、前代未聞の事件だった。
「宅間元死刑囚はかつて池田小の受験を断念した経緯があり、それがねたみや学歴コンプレックスに変わっていった。裁判では、犯行動機は自分を捨てた3番目の前妻に対する恨みが、社会全体に対する恨みに転化したと結論付けた。宅間元死刑囚は『自分の苦しい思いをできるだけ多くの人に分からせてやりたい。小学生なら逃げ足も遅く、小学校は大人の人数が少ないから大勢殺せる。名門の小学校を襲った方が社会の反響が大きく、大量に人を殺せば(妻が)オレと知り合ったことを後悔する』と考えた。実に身勝手な理由でした。過去に統合失調症との診断を受け、逮捕後、刑事責任を逃れるため、精神疾患があるように装っていた。法廷では遺族が国から賠償金を受け取ったことについて、2家族を名指しで『儲かったやろ』と冒涜した。04年9月に死刑が執行されるまで、一度も謝罪の言葉を口にすることはなかった」(司法関係者)
歪んだ思想や思い込みが、凄惨な事件を引き起こしたのか。