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プレミア社の献体同意書はニセモノだった

 米国のABCニュースが2008年2月15日に報道特集『20/20』で米国のプレミア・エキシビション社の人体展『BODIES展』(BODIES... The Exhibition) で中国の死刑囚の死体が用いられている疑惑を報じて以来、ABCニュースが半年にわたってこの関連ニュースを継続的に報じて来た記事を中心に、当ブログではシリーズを組んで来たが、今回はプレミア社が開催するもう一つの人体展『人体の暴露展』(Bodies Revealed) で今年の夏に発覚した献体同意書偽装事件に関して扱ってみる。

 プレミア・エキシビション社が名称の異なる3種類の人体展ツアーを開催している事はこれまでのエントリーで触れているが[>>1] 、同社はこれらの人体展に対してそれぞれ異なる出所の死体を異なるルートで入手しているとウェブサイト上やメディアに対して表明しており、あたかもこれら3つがそれぞれ全く無関係な人体展であるとの印象を与えようとしていたにもかかわらず、ニューヨーク州クオモ検事総長の調査では、それら人体展の開始時の2004年にプレミア社の子会社が死体を大連医科大プラスティネーション社から入手していた事が明らかになっている。[>>9][>>10]

  『20/20』で問題にされた『BODIES展』に関してプレミア社側は、中国公安局から医学研究用として医療機関に提供された引き取り人のない死体であると入手元の大連医科大プラスティネーション社から保証されたとこれまでも説明しており、これはクオモ検事総長の調査でも確認されている。[>>11a][>>12][>>13]
 一方で『人体の暴露展』に関しては「北京医科大学生命科学研究院から入手した故人の意思による献体」と説明。[>>4a]


 「故人の意思による献体」というのは、中国の南京蘇芸生物保存実験工場から死体を入手している日本の『人体の不思議展』も同様の説明をしているもので[>>14]、抗議団体による献体の証明の質問に対して主催者は「中国国内で正規の手続きを経た献体との説明を受けた」と主張するのみで、その確認したとする「証明文書」の提示はプライバシーを理由に一切拒んでおり[>>15a]、つまりそれが献体である事が何一つ証明されていない状態のまま7年間開催されている。

 プレミア社も同様に『人体の暴露展』は献体と説明しており[>>16]、2月15日にABCニュース『20/20』でプレミア社の死刑囚使用の疑惑とゲラー代表の「中国の引き取り人のない死体を使用している」との発言が放送されカンザスシティで人体使用への批判が高まったために、2月29日開始の『人体の暴露展』のカンザスシティ展の前にその悪評判を払拭しようと、開催会場のユニオン駅が地元メディアやキリスト教団体に配布した「献体同意書」がニセモノだったというスキャンダルが今年8月に発覚している。


[特集『人体展と中国の人体闇市場』トップページに戻る]




プレミア・エキシビション社の献体同意書偽装事件


2008年3月16日、ユニオン駅前におけるプレミア社の『人体の暴露展』への抗議。 (The American Society for the Defense Tradition, Family and Property) [B]
 この事件を明らかにしたのは、地元のカトリック団体「カンザスシティ・セントジョゼフ教区」の機関紙『カトリック・キー』のジャック・スミス編集員であり、『カトリック・キー』は2月18日に中国の死刑と人権の問題や人体闇市場の問題を挙げて人体展の非モラル性を扱った記事を書くなど[>>17]、『20/20』の放送当時にカンザスシティで既に人体使用への疑問を呈していた団体の一つである。

 『カトリック・キー』によれば、ABC『20/20』放送日2日後の2月17日にユニオン駅から「中国語から翻訳された」という英文で書かれた「献体同意書」が配られたとの事。しかしそれは未記入フォームであり、単に「こういう同意書が用いられました」というサンプルに過ぎないものであり、何の証明能力もないものである。

 それを不審に思った『カトリック・キー』が調査をしたところ、その献体同意書の「サンプル」は、米国内の別な公認の献体団体が制作・使用していたものの丸写しであった事を3月に発見し、スミス氏がユニオン駅側に問い合わせを行ったところ、プレミア社のウェインガー顧問弁護士から電話が来て、それら人体の主が生前に誰一人献体同意書にサインをしていない事を認めたというとんでもない展開になっている。

 カトリック・キー側は中国の医大から人体が来ている事に疑いを持ったため、事件をその時には公表せず、独自調査を更に行って8月14日にブログエントリーでこの献体同意書詐欺事件の調査レポートを公表、スキャンダルが発覚したにもかかわらず事件を5ヶ月間握り潰していたユニオン駅に批判が集まるという流れになっている。


 この『カトリック・キー』のレポートはかなり深く掘り下げたものであり、3月に発覚したこの問題がなぜ8月まで握り潰されていたのか、誰が偽物の献体同意書を作ったのか、また人体の提供業者が献体使用を保証したという「宣誓供述書」がどこから来たかにまで言及、更に南京医科大学にまで問い合わせを行っ て中国国内の献体事情にまで言及しており、これは面白い内容なので以下にその『カトリック・キー』の一連のポストの訳を紹介する。

 この記事はもともと8月14日と18日の2つのエントリーで公表されたもので、9月12日にそこから編集された記事が「カトリックキー・ニュース」に掲載されており、書き加えられた部分やカットされた部分など編集の結果分りにくくなっている箇所があるため、本エントリーでは両バージョンから再編集を行っている。





人体展『人体の暴露展』の献体同意書詐欺を暴く
ジャック・スミス
カトリック・キー 2008年8月14日 9:06/カトリックキー・ニュース 2008年9月12日


 今年の2月、ABCニュース『20/20』がニューヨークでの同様の展示会の事を報じて間もなく、ユニオン駅で『人体の暴露展』の展示が始まり、人体の出所とその献体同意の信憑性に関して多くの疑問の声が上がった。『20/20』ではニューヨーク展で展示されている人体が同意の下の献体である事を示す証明がない事が報じられ、それらが中国の死刑囚である可能性の確かな証拠が浮上した。

 ニューヨークの人体展とカンザスシティの『人体の暴露展』は共にプレミア・エキシビション社が運営しているため、人体展『人体の暴露展』での同意の証明が実際に存在する事への太鼓判が求められた。

 その結果ユニオン駅は報道関係者に英語で書かれた献体同意書を配布した。それが中国語からの英訳であり、ユニオン駅に展示されている全ての人体が生前それにサインをしたとの説明がされていた。ユニオン駅側はカトリック・キーに対しこの説明を二回行っている。




 2月16日にカンザスシティスター紙が、ユニオン駅のアンディ・ウドリス代表の発言を報じている:

 ウドリス氏は「(『人体の暴露展』での) これらの人達が自ら進んで献体しなかったなどと信じる理由は全くない。それは毎日起こっている事だ」と主張している。

 しかし地元のカトリック関係者との会合を見越して、そしてABCの報道の前に、ウドリス氏はより高い安心度を求めていた。

 ウドリス氏は「私は駅のスタッフと会って『OK、ここで我々に必要な事は何らかの追加証拠である』と彼等に言った。プレミア社が我々に提供したのは英語の献体同意書のフォームであり、ここにそれらの献体者が承認サインをするものであると説明された。彼等が我々に公開していない物は、本人達による直筆サインのある実物である」と述べた。

 ウドリス氏はユニオン駅がその情報開示を要求出来るかどうか確信はしていない。

 プレミア社のチーフ医学アドバイザーのロイ・グローバー氏は以前カンザスシティスター紙に対して、プライバシーの観点から会社はドナーの身元を公表する事が出来ないと説明している。

Kansas City Star. "Willing donors gave bodies to Union Station exhibit, says official". TradingMarkets.com, February 20, 2008; 8:24 AM. [魚拓] [全訳]


* この献体同意書の全訳はページ末の関連資料参照
 これはユニオン駅が配布した献体同意書のフォームであるが、実際『人体の暴露展』に展示されている保存されスライスされた中国人が誰一人として生前にサインをしていないものである。

 事実として、その献体同意書は『アナトミー・ギフト・レジストリー』[解剖献体登録所] (AGR) という合法的な医学献体の非営利組織のものである事を我々は突き止めた。ユニオン駅が提供した献体同意書フォームはその組織名が削除されたものである。
 ユニオン駅で展示されている献体者が死亡しプラスティネーション処理された時期よりも後に、その英語の献体同意書を作成したAGR側に問い合わせたところ、AGRは『人体の暴露展』を主催するプレミア・エキシビション社とは何の接点もなく、献体同意書フォームを提供した覚えはないとの事である。

 我々が3月のこの証拠をユニオン駅に提示したところ、駅側がプレミア・エキシビション社に問い合わせる事になった。

 プレミア社のブライアン・ウェインガー法律顧問は我々に対し、プレミア社が人体展『人体の暴露展』に用いる人体の同意書を所持していた訳ではない旨をユニオン駅に対し既に説明していると述べた。それならどうしてユニオン駅のアンディ・ウドリス代表がこの同意書を入手しており、カンザスシティ・スター紙に対しそれがユニオン駅に展示されている人体に用いられたものだと言ったのか?

 ウェインガー法律顧問は、献体同意書が用いられたなどとユニオン駅に対して言った事は一切ないと主張している。ウェインガー氏によれば、その代わりプレミア社の誰か、たしか (医学アドバイザーの) ロイ・グローバー氏が献体に用いられるサンプルとしてその献体同意書フォームをユニオン駅の職員に示し、グローバー氏がその献体同意書にサインをして見せたのだという。


 ウェインガー法律顧問によれば、プレミア社が所持しているものは、彼等の人体提供業者の台湾のジェンライフ・バイオメディカル社から受け取った宣誓供述書であり、それらの人体が故人の意思による献体であるとの旨が陳述されているものだと言う。

 しかしジェンライフ社が死体を入手した訳でもプラスティネーション処理した訳でもなく、ジェンライフ社は既にプラスティネーション処理された人体を中国の南京蘇芸プラスティネーション研究所から入手している。つまりジェンライフ社からの宣誓供述書の証明に一体どのような価値があるのかを見極めるのは困難である。

 ユニオン駅から報道関係者に提供されたその他の資料は、南京蘇芸プラスティネーション研究所から受け取った人体は、「中華人民共和国公認の医科大学」から来たという主張を示すものである。

 しかし南京医科大学人体解剖学主任の丁炯教授は、カトリック・キーの問い合わせに対し以下のように返信をした:

 私達が受け取った自主献体の人体は、南京医科大学の解剖学の教育目的にのみ使用されていると明言します。私達はプラスティネーション人体の制作やいかなる商業目的のために、いかなる企業にも人体を提供した事はありません。米国内における南京から来たプラスティネーション人体は当大学とは何の関わりもありません。

 実際問題、丁炯教授は最近共同執筆した解剖学の同人ジャーナルにおいて、中国の全ての医科大学での解剖学教育用の人体の不足を嘆いているのだ。

Catholic Key. 'More "Bodies Revealed" Revelations', August 14, 2008; 9:06 AM. [魚拓]



 3月に我々はユニオン駅に対し、献体同意書の詐欺疑惑を指摘したにもかかわらず、駅側は社会に対してもカンザスシティ・スターに対しても一切の注意喚起を行わなかった。

 よって我々は上記の情報をブログ『カトリック・キー』に8月14日にポストした。

 カンザスシティ・セントジョゼフ教区はまた、カンザスシティ・スターやその他の地元メディアにこの問題を発表した。そしてその2週間後、人体展『人体の暴露展』の最終の週末に、公式スポンサーであるカンザスシティ・スターが地方欄で人体展『人体の暴露展』の献体同意書詐欺に関する記事を掲載した。

[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。


『カトリック・キー』のジャック・スミス氏 (Kansas City Business Journal) [H]
 それにしても、日本でもアメリカでも全く同じというか、お決まりの解答と言うか、主催側が人体展所有者から説明された事のみを根拠に、断定的に「献体である」との主張をしながら、ドナーのプライバシーを理由にその証明を拒否し、証明能力の認められないただの説明でそれを「献体」だと主張するに終始しているという点は丸っきり同じである。

 このアメリカのケースに関しては、とにかく表面的な演出で誤摩化そうと未記入の「献体同意書」という証明能力の全くない物を配った時点でユニオン駅はかなりずさんな対応であり、偽装がばれた後になって、顧問弁護士がプレミア社が同意書を所持していた訳ではない事や死体の主が生前に誰もサインをしていない事を認めながらも、「(サンプルの) 献体同意書フォームを駅の職員に示しそれにサインをして見せた」という殆ど意味不明としか言えないような苦しい説明に終始する辺りが、『BODIES展』のケースと同様に、プレミア社が人体の出所の証明能力がないにもかかわらず、米国内での批判や追求に対し中国側の説明のみを根拠に主張をするしか方法がないために、お茶を濁したり独断で偽造を行ってしまうという、非常に苦しい立場に見える。


 上記の『カトリックキー』のブログエントリーを受けて、8月28日にカンザスシティ・スターがこの献体同意書偽装事件を報じ、その後にカトリックキーが追加情報として29日に以下のエントリーをアップしている。

 ここでは、3月に献体同意書が偽物であると発見した『カトリックキー』が3月20日にユニオン駅にその事を伝えるメールを送ったところ、プレミア社のウェインガー顧問弁護士から電話が来て、人体の主が誰一人献体同意書にサインをしていない事を認めたにもかかわらず、その後になってもユニオン駅はその事を発表する事はなく、一般の問い合わせに対してはプレミア社の従来の「献体である」との主張を繰り返すという主催者側の二枚舌ぶりのエピソードが書かれている。




カンザスシティ・スターが『人体の暴露展』の問題を取り上げる
ジャック・スミス
カトリック・キー 2008年8月29日 12:22 PM

 『人体の暴露展』の死体が献体に同意した証拠としてメディアに提供された献体同意書とされるものが偽物だった件を本日カンザスシティ・スターが取り上げた。この問題は当ブログが最初に8月14日に扱ったものだが、これはカンザスシティ・スター紙が我々の調査に信頼を置いてくれたという事である。

 ユニオン駅のアンディ・ウドリス代表がカンザスシティ・スター紙に対して述べたこの興味深い主張には実は裏話がある。

 ユニオン駅のCEOのアンディ・ウドリス氏によれば、展示が始まって間もない頃の3月には担当者がその間違いに気付いていたという。しかし当時は社会的に問題提起がされていなかったため駅側はそれを公にしなかったと説明している。

 ウドリス氏は「正直、私達はその事自体をすっかり忘れていたので、意図的に隠したりミスリードしようとしたと取られるのは不本意」と述べた。


 3月に献体同意書が偽物だと分かったというのは我々が彼等に教えてあげたからである。以下が3月20日に私がユニオン駅側に送ったメールである。

 先日はお電話での件でお世話になりました。

 プレミア・エキシビション社のキャサリン・モーゲンスターンさんに連絡を取る必要があり電話とメールでご連絡を差し上げました。

 彼女に献体同意書の中国語原文のコピーの提供を求めたのですが、これには重要な目的があります。彼女がユニオン駅に提供した献体同意書フォームは、メリーランド州ハノーバーにあるアナトミー・ギフト・レジストリー (AGR) が作成して使用しているものと一字一句に至るまで同一のものです。

 AGRは医療研究用の献体と臓器提供者に関する業務を行う非営利団体です。その献体同意書を作成した人物と直接話して、それが彼自身が書いたもので一般使用目的のものではない事を確認しました。
 AGRはプレミア社や中国国内のいかなる団体とも関わりはなく、その献体同意書フォームはAGRのクライアントとメリーランド州法での条件を満たす限定された目的で作成されたものであり、それがどうして中国で用いられているのか全く心当たりがないそうです。

 例えば、中国国内の死体受け取り施設がその同意書を入手して中国語に翻訳して献体用に用いたとか、そういう可能性がないとは言えないにせよ、もしプレミア社が死体受け取り施設の名称入りの中国語の同意書フォームを作成していないという事であれば、『人体の暴露展』で用いている人体の入手に関してプレミア社がユニオン駅に対して嘘を言っていた可能性があるという結論に達する事になります。

 プレミア社の『BODIES展』における人体入手が疑惑の渦中にある現状を考えれば、もしプレミア社がこの件を偽装していたとしたら、非常にダメージの大きな事態になると思われます。


 このメールを送ってすぐ電話がかかって来たが、それは (プレミア社の) キャサリン・モーゲンスターン氏からではなく、電話の主はプレミア社のブライアン・ウェインガー法律顧問であった。私のメールと、人体の出所に疑問を呈したカトリック・キーの記事を、ユニオン駅がウェインガー氏に転送したのである。

 その献体同意書フォームがプレミア社のものでなく、ユニオン駅で展示されている人体の主が生前に誰一人としてそれにサインをしていない事をウェインガー氏は認め、どうやってユニオン駅が献体同意書フォームを入手したのかに関して説明したが、その内容は既にこのブログで報告している。

 会話の最後に、カンザスシティ・スターに連絡して訂正依頼をするかどうかをウェインガー氏に尋ねたが、検討してみるとだけ言われた。それは3月24日の事。

 この時点でユニオン駅は、私がカトリック・キーに記事を書くと予想していた筈で、駅側は一旦はメディア発表の準備をしたものの、数ヶ月経って私が記事を出さなかったため発表の必要性を感じなくなったのだという魂胆は見え透いており、それで「正直、その事を忘れていた」となったのである。


 その事を本当に忘れていたのかどうか知らないが、ユニオン駅は決定的証拠のない問い合わせに対しては、私の友人が7月に受け取った以下のメールのような回答を繰り返していた。

 プレミア・エキシビション社は人体展『BODIES展』で引取人のない死体を使用し、『人体の暴露展』では献体を使用しているとこれまでも説明して来ました。『人体の暴露展』に関する同社の説明に対して現時点で特に疑う理由はありません。


 私が3月に記事を掲載するのを見送った理由は、人体がどこから来たのかを正確に突き止めようと考えたからである。しかし私が中国語を理解出来ない事情もあって、この調査は非常に困難である事が分かった。それでも中国の医大から人体が来ているという説明はどう考えてもありそうにない話であり、中国のプラスティネーション工場の近くの医大は、プラスティネーション処理用に人体を提供した疑いをきっぱりと否定している。

 ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ検事総長はプレミア社のニューヨーク展の客が展示人体の出所に関して騙されていると感じたため、調査の結果を受けて最終的に、事実を知っていたら人体展に来なかったであろう全ての客に対しプレミア・エキシビション社が入場料の払い戻しを行うという合意に達した件は、ここで言及するのに意義深い話である。

[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。
Catholic Key. "Key 'Bodies Revealed' Story Gets Star Coverage", August 29, 2008; 12:22. [魚拓]


ユニオン駅のアンディ・ウドリス代表 (Kansas City Business Journal) [G]
 この事件を報じたカンザスシティ・スターやAP通信などの関連記事を一通り見ても、偽装献体同意書の配布がプレミア社の指示によって行われたのかユニオン駅の独断なのかが不透明ではあるが、少なくとも展示会開始の2週間前の2月15日のABC『20/20』の放送の直前まではユニオン駅側が死体の出所に関する具体的な説明をプレミア社から受けていなかった事、英文の献体同意書フォームを提供したのはプレミア社である事、それがメディアに配布されたのは2月17日、配布した理由は「地元のカトリック関係者との会合を見越して」、そして2月17日の時点でそれに証拠能力がない事をユニオン駅側が認識していた事は、ユニオン駅CEOのアンディ・ウドリス氏が2月17日のカンザスシティスターの記事でそのような主旨の発言をしている。[>>18]

 しかし8月14日にスキャンダルが公表された後には、ユニオン駅はプレミア社から提供された献体フォームが本物ではなくドナーのサインがない事を3月になってから分ったと発言を変えており[>>19]、要するに3月にカトリックキーに指摘されるまでは気付かなかったという、まるで単なる手違いのミスのような言い訳で、2月の時点での「(プレミア社が) 我々に公開していない物は直筆サインのある実物である」[>>20]との発言と完全に食い違っている。

 またこの背景にあるのは、財政状態の芳しくないユニオン駅が大収入を見込んで人体展に手をつけたとの指摘もある。


中国では医学教育用の献体が不足


南京医科大学の丁炯教授 (南京医科大学基础医学院) [D]
 またカトリックキーの調査で非常に興味深いのは、南京医科大学の教授が中国での医学教育用の解剖用献体が不足していると嘆いているいう記述だが、カトリック・キーはこのテーマで8月18日に以下のもう一つのエントリーを書いている。

 プレミア社は『人体の暴露展』で用いられている人体に関して2月17日のカンザスシティ・スターの記事で「北京医科大学の生命科学研究院から来ている」と説明しており、南京蘇芸生物保存実験工場の近場にある「中国政府公認の医科大学」という理由で南京医科大学の教授にコンタクトを取ったカトリックキーもやや明後日な事をやっているが (2002年に日本の『人体の不思議展』の協力団体に名前が載った事[>>21]で強烈に関わりを否定したのは「南京大学医学院」の方[>>22]。実際に南京医科大学が蘇芸工場に自分達で使用する人体標本の加工を委託していたのは事実) 、その経緯で丁炯教授が米国解剖学協会の『解剖科学教育』のために共同執筆したエッセイ[>>23]を見付けている。

 そこで指摘されているのは、労改基金会の呉弘達代表やフィオナ・マ議員の指摘と同様に、「遺体は無傷で埋葬したい」という中国の文化背景が献体を妨げている大きな原因であり、だから南京医科大学でも医学教育用の献体は年間30体にも満たないという現状であるという事。
 そして南京医科大学では解剖学課程に医療倫理学を取り入れ、献体者の尊厳に関する教育を行うなど、社会全体の倫理面を啓蒙する事で献体を増加させようという試みに関して言及されている。

 大連医科大のように本格的に死体標本業界に関わっていた大学がある一方で、南京医科大の場合その文面から伝わって来る物は欧米並のスタンダードで医療倫理に取り組んでいる様子であり、こういう両極端な面があるのが中国らしい一面ではあるが、カトリック・キーが丁炯教授のエッセイをここまで取り上げたのは恐らく、第6回エントリーで扱ったように、神の姿に創造された人体は尊厳を持ち、死後の人間の尊厳は尊重されるべきである[>>24] という、西洋における人権の概念に非常に大きな位置を占めるキリスト教的価値観から共鳴した部分が大きいのであろうとと思われる。


 ここで指摘されているのは当然ながら、中国国内では医学教育用の献体が慢性的に不足している状況で、どうして膨大な数の人体がプラスチック処理をされてアメリカなど海外展示に出回っているのかという疑問である。




『人体の暴露展』を更に暴露する
ジャック・スミス
カトリックキー・ニュース 2008年8月18日 11:15


 メディアで言われている事とは正反対に、ユニオン駅で展示されている中国人の死体の献体同意書が存在しない事実を先週我々が示したが、この問題はまた中国での合法的献体の不足に関する疑問を露呈させた。カンザスシティの世俗メディアはまだなおこの問題を無視している。
 今週我々はこの問題を更に掘り下げる。


中国では献体が不足していて... 米国には過剰にある

 人体展『人体の暴露展』の広報が、展示されている人体は公認の医科大学から来たものであると主張しているため、死体受け取り及び処理をした南京蘇芸プラスティネーション研究所の一番近場にある医科大学に連絡をしてみたが、南京医科大学人体解剖学主任の丁炯教授は、カトリックキーの問い合わせに対し以下のように返信をした:

 私達が受け取った自主献体の人体は、南京医科大学の解剖学の教育目的にのみ使用されていると明言します。私達はプラスティネーション人体の制作やいかなる商業目的のために、いかなる企業にも人体を提供した事はありません。米国内における南京から来たプラスティネーション人体は当大学とは何の関わりもありません。

 実際問題、丁炯教授は最近共同執筆した解剖学の同人ジャーナルにおいて、中国の全ての医科大学での解剖学教育用の人体の不足を嘆いているのだ。


 連絡先を検索していて、我々は南京医科大学の解剖学教授陣が共同執筆したアメリカ解剖学協会の2008年3月号のジャーナルを見つけた。「解剖学実習教育の中国の文化におけるチャレンジへの倫理的解決法」と題されたエッセイは、中国の大学の医学教育のための献体の不足の問題を嘆いているものである。

 その執筆者達はまた、その「献体を妨げている数多くの要素のうちの一つは、人体に対する中国人の伝統的考え方である」という文化背景の中、南京医科大学の献体を増加させる試みに関して説明している。南京の執筆者達は、南京医科大学で教育目的に年間80体が必要であるのに、実際受け取っているのは30体にも満たないと述べている。

 数百もの中国人の死体が全米をツアーをしている一方で、中国の医学教育の献体が不足しているとは一体どういう事なのか。医科大が教育のために必要としている人体がどうして海外でのエンターテインメント目的に流出しているのか?

 人体展の人体標本が医科大学から来ているという主張に冷水をかけるように、南京の執筆者達は指摘をしている。

 ジャーナルの序論で執筆者陣は以下のように述べている:

 ... 主に解剖などの研究目的のための人体の使用には倫理的問題が付きまとう。それは死と生の両面での人体の適切な処置に対する問題を問いかける。一体の死体は人体解剖学の科学的モデルなだけでなく、かつて生きていた人物は尊厳を持ち適切な敬意を受けるに価するものである。


 文化的障壁の中、医学用献体を増やすために、医学用献体の必要性とその価値、そして故人が倫理的に尊敬をもって扱われる事を保証するのに、南京医科大学は公衆に対して覚醒を促すいくつかの試みを行っている。

 ごく最近、南京大学は医学目的に献体をした人々のための『追悼の森』と共に、献体のウェブサイトを作った。自らの意思による献体に対し、南京大学は献体者の命の贈り物を示すキャンパス内の常緑の樹木の植樹式に献体者の親族を招いている。この森の中に医学用献体者に捧げる常設のモニュメントを設置する計画もある。

 全ての新入生は大学コミュニティに入る一環として追悼の森で過去の献体者にお参りをする事が奨励されている。全ての学生が追悼の森から献体という行いの高貴さを感じ取り、献体に伴うモラルと倫理に関して更に考える機会となるだろう。


 南京医科大学はまた、解剖学課程に医療倫理学を取り入れている:

 解剖学指導者として、私達は医療倫理学教育を人体解剖学課程に取り入れる責任がある。医学教育に用いられた献体者への敬意と謝意の適切な態度を学生が持つ事を奨励するのは私達の義務である...

 なぜなら献体者の身元は伏せられている点と、環境に伴うストレスによって、一部の学生が故人の人間性を無視するような不祥事が起こるかもしれないからである。この問題を訴えるため、人体解剖学部は新入生に対し課程の開始として献体者への正式な追悼式を開催している。故人の親族が招かれ、故人の肉体使用への感謝が示される。親族と学生が参加する追悼式を開く事は、故人の名誉と献体の崇高さを認識させる方法の一つとなる。


 次回は、献体同意書の出所に関する相反する説明に関して扱う。それが公表される以前にどのように改竄されたのか。


[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。
Catholic Key. 'More "Bodies Revealed" Revelations, Update1', August 18, 2008; 11:15 AM. [魚拓]


『人体の暴露展』カンザスシティ展のポスター。 (shake gently) [F]

 実際の順番はこれが2番目で、この後に8月28日のエントリーが続いている。

 2月15日のABCニュースによればプレミア社が所有している人体と人体パーツは1000体に及ぶとの事であり、プレミア社の人体展自体がこの4年ほどの話であり、年間30体しか入手出来ない南京医科大を尻目に桁違いの数のプラスティネーション人体が出回っている事になる[>>25]

 2006年には中国衛生局が、年間1万件にのぼる中国の臓器移植のうち95%の臓器が死刑囚のものであると認めており[>>26]、献体や臓器提供が出ない事の大きな理由が「埋葬は無傷で」という中国の文化背景であるという指摘はこれまでも多方面でされていたが、そういう状況でなぜ「人命を救う」臓器提供ではなく「展示用」プラスティネーション人体展には献体が殺到するのかという、この大きな矛盾に対する疑問は当然出て来て然るべきものである。





同意の証明

 これまでのカリフォルニア州など米国の議会での人体展規制法案で必ず議題に上がっていたのが「故人や近親者の同意があった事への証明のない人体の商業展示を規制するべき」であり、この証明に対する認可は政府機関によって行われるというものだった。

 そしてそういった法的規制の動きが出て来る大きな原因となっていたのが、プレミア社が『BODIES展』で「中国公安局から提供された身元不明死体」を使用していると表明していた事[>>11b]、そして『人体の暴露展』に関して「献体を使用」と表明しながらそれに対して「有効な手段での証明」を一切行っていない事である。

 身元不明死体に関しては「死亡時に引き取り人がいない事で故人の意思と尊厳が無効化する」事に対する倫理的疑問が生じるのは当然ながら、その説明だけでは「身元不明である事はそれが死刑囚でない事の証明にならない」という事にしかならず、献体に関しても「解剖され展示される事を故人が理解したうえでの意思による献体である事が証明されなければ、献体を理由に展示を合法化出来ない」というのが米国で論議されて来た事である。

 これは日本の『人体の不思議展』でも全く同じ状況であり、例えば2006年の仙台展の主催者であった河北新報は「人体の不思議展に疑問を持つ会」による死体の出所とその証明文書に関する公開質問に対し、プライバシーを理由にその証明を一切拒否している。[>>27]


平成18年9月8日
「人体の不思議展」に疑問を持つ会
        代表 刈田啓史郎 殿


河北新聞社代表取締役社長   
一力 雅彦
東北放送代表取締役社長   
永野 為光


 河北新聞社並びに東北放送に対し、8月24日付で頂戴いたしました公開質問状について、以下の通り回答を申し上げます。

 質問1に対するお答え
 中国国内で正規の手続きを経た献体との説明を受けており、問題はないと考えております。また、それに関する書類はプライバシーに関するため提示できません。

 質問2に対するお答え
 質問1に対する答えと同じです。

 質問3に対するお答え
 中国国内の問題が絡むためお答えしかねます。

 質問4に対するお答え
 特に問題があったとは考えておりません。

 質問5に対するお答え
 さまざまな受け止め方があるとは思いますが、悪影響を及ぼすようなことはなかったと考えております。

以上

「人体の不思議展」の主催者・後援者へ宛てた公開質問状 への主催者・後援者からの回答文より;河北新聞社・TBC東北放送 (河北新聞社代表取締役社長・一力雅彦、東北放送代表取締役社長・永野為光), 2006年9月8日. 「人体の不思議展」に疑問を持つ会

 質問1は展示標本になる事への故人と遺族の書面による承諾の有無に関して、質問2は胎児の標本の意思はどのように確認したのか、質問3は死刑囚使用の倫理的問題に関して、質問4は死体にポーズを取らせて展示する事の倫理的問題、質問5は死体展示の子供への悪影響に関してである。

 河北新報と東北放送の社長名義によるこの回答は残念ながら、質問の本質的な部分には全く答えずに、限りなく「問答無用」に近いものにしか見えない代物である。特に質問2と3は全く答えになっていない。



プライバシーの保護

 カトリックキーに対し、プレミア社のウェインガー顧問弁護士もプライバシーを理由に献体者の情報の開示を拒否しており、これは勿論、身元を公にしても良いという故人およびその親族の同意がなければその開示が倫理的に問題になる訳であり、プレミア社も河北新報も「プライバシー」を盾に献体の証明を一切行わないという事が通用してしまっているのが現状で、その状態のまま展示会は引き続き開催されているという、日米共に何ともグレーな展示会となっている。

 カリフォルニア州の法案の場合は、ドナーの身内のプライバシーを守る事の重要性よりも社会的関心の重要性が優先するとの項目があり[>>28]、プライバシーを盾にした証明拒否の抜け道を与えない点にも注意が払われている。

 米国各州の法案では、それが医療や教育目的である場合、および故人本人による展示への同意の証明がされたもののみ展示を許可するものが多く、それを認可するのは政府機関など人体展主催者やプロデューサーとは無関係の公認の第三機関が行うものとなっている。

 献体ドナーやその遺族のプライバシーは当然保護されるべきものだが、プライバシーを隠れ蓑に証明が免除されるという事が通用するなら、中国において需要により刑が執行される死刑囚使用の可能性のみならず、呉弘達氏が指摘するように誘拐、殺人、意図的な医療行為放棄、献体詐欺、遺体盗難などのありとあらゆる犯罪行為が跋扈出来る抜け穴だらけの現状では、「故人の崇高な意思による献体」や「正規な手続きを経た献体」と説明されたところで、その説明に一体何の意味があるのかという話にしかならないというもの。

 少なくとも献体プログラムのあるハーゲンス氏の『ボディワールド』と違い、『人体の不思議展』や『人体の暴露展』など中国系の人体展はその人体の死因すらも分らないという全てにおいて不透明であり、2002年に日本に進出、2004年に欧米進出したこの数年で突然巨大産業になったこういった中国系人体展に対して各国で法整備が追いついていないのが現状であり、各国ともに現状をふまえた上での早期の法整備が求められている。






後書き

 このシリーズを始めたきっかけは、労改基金会のウェブサイトで中国の銃殺死体の闇取引現場の写真を見て、そのニュースを扱っているABCニュースや労改基金会の記事に関心を持った事であるが、7月にこのシリーズを始めた段階ではABCニュースなどの記事を数本訳して数回程度のシリーズにする位の予定だったものが、調べれば調べるほどどんどん情報が見つかり、この複雑怪奇な中国の人体市場の問題を数回のエントリーでは到底まとめ切れなくなったため、当初の予定を大幅に上回る長大シリーズとなってしまった。現時点ではそれ以降に新たな情報が出ている様子はないので、取りあえずこのシリーズは今回で一段落とする。

 特に当ブログとしては日本語資料では得られない情報に焦点を当てて、ABCニュースの報道を軸にそれに関連した中国語記事をセットにして、英語記事だけでもはっきりとしない情報を中国語資料と付き合わせて点を繋ぐようにして全体像を明らかにするという作業に徹底した。

 今回のシリーズはニュースとして読み流すには量的にも内容的にもヘビーなものになったが、これらのエントリーを情報源として今後何かの役に立つ事もあるだろうと思いまとめる事にした。

 実際アメリカの各州では人体展規制法案の動きは現在進行であるので、この問題でまた新たな動きや追加情報が出て来るようであればまた取り上げる事もあるかもしれない。最後までお読みいただきありがとうございました。







関連資料:

ユニオン駅からメディア関係者に配布された虚偽の「献体同意書」の全訳
解剖用献体フォーム

 私、_______________ は少なくとも満18歳であり、自らの死にあたってこの解剖用献体が発効する事とする。適切な枠の印は私の希望を示す。

火葬の遺灰を遺族に返却
医学研究目的に利用されない身体および部分が火葬される事に同意する。__ (イニシャル)
遺族への火葬の遺灰の返却はなし
このタイプの献体は身体全体が利用され、その後の処分は法に基づき行われ遺灰は返却されない。__ (イニシャル)

医学治療、研究や教育施設、および展示による一般教育の目的で _______ に私の全身を献体する。

 _____ が献体に伴うコストに責任を負うものである事を理解する。私の身体や細胞を、医学、科学および教育への恩恵を最大にするためにその多くの施設に ______ が提供する事を理解する。医学治療、研究や教育施設、および展示による一般教育への更なる恩恵のために、私の身体の関節解体や部分除去を含む大規模な解剖が制限なしに行われる可能性を理解する。提供された私の身体や細胞が尊厳、思いやりと注意をもって扱われる事を理解する。

 私のカルテや検死報告を所有する個人や施設がそれらを ______ に提供する事を許可し、そして解剖用献体の安全と適合を決定するために私の身体がチェックされ、伝染病のテストのために血液が抜かれる事を理解する。同意の目的には私の身体が危険で不適当な場合に許可をしない権利を、唯一 ___________ が保有するものとする。

 自分の身元と親族や証人の身元が匿名である事、そして秘密性を確実にするために私の身体、細胞やパーツの身元表示が暗号化される事を理解している。

 また、献体の最終段階として、またはそれ以前にも健康上の理由として火葬又は焼却処分が必要である事を、そしてこの献体同意書により私の身体の全体または部分の火葬を許可し、そして解剖用献体の目的の最終段階としての私の遺体を焼却する事を許可する。私の身体の火葬は、他人の健康に危険を及ぼす可能性のある伝染病その他の悪コンディションの検査が陽性の場合、解剖用献体なしにも私の身体の火葬が行われる事を理解する。火葬または焼却処分は _______ の単独の費用負担によって行われ、希望者の遺族への遺灰の返却は解剖用献体の実行とは関係なしに適時に行われる事を理解する。

 この献体とその許可は人道的動機によるもので、如何なる報酬や補償も期待するものではない。この書類は私の死の前に書面による申告が __________ に提出された場合に無効となる事を理解し、私の死亡によるこの献体が受領された段階において取り消しは出来ない事を理解する。以下にサインをした証人の同席の下、私はこのフォームにサインをした。

ドナー ________________証人 __________________
証人 __________________
ドナーの住所 __________________________________
日付____________
[訳=岩谷] (原文:英語)
jrsmithIII. "donation form". midwest voices, August 14, 2008. [魚拓]


2003年時点での南京市政府ウェブ上での南京蘇芸生物保存実験工場の紹介。

南京蘇芸生物保存実験工場

 南京蘇芸生物保存実験工場は江蘇省教育委員会の直接指導の校弁企業 (大学経営企業) である。

 北は世界的に知られる雨花台烈士陵園や南京南駅、南は祿口国際空港、東は上海や杭州に通じる国道104号、西は南郊外景勝地に近接、交通の便は良く、環境優美、現在世界で唯一の塑化標本専業工場である。

 工場は自社開発による「生物塑化シリカゲル及び標本制作」新技術の科学研究成果を持っている。南京市科学委員会の組織する専門家鑑定を通じ国際的先進水準を達成し、その無形資産は法定機関によって1236人民元の価値と評価された。
 1996年に中国発明特許の申請、そして1999年4月には国家知的所有権局主催の中国特許技術博覧会の金賞に選ばれた。
 「生物塑化シリカゲル及び生物塑化標本制作」は、科学技術省など5部局から国家重点新産品に評価され、1998年に江蘇省と南京市からそれぞれハイテク製品に認定され、同年江蘇省人民政府、南京市人民政府からそれぞれ科学技術進歩二等賞を授与された。  第9回国際生物塑化年事例会で多くの学術論文を発表し、会議に出席した専門家や学者の賞賛を受け、世界の生物塑化技術の普及に大きな貢献をした。

 生物塑化技術は、国際生物医学会にとって20世紀で最も前例のない生物研究成果の進展の一つである。
 生物塑化技術制作による生物標本の採用は、医学院の人体解剖、病理解剖教育、科学研究や展示会などに応用出来、博物館の希少生物の標本保存と科学研究にも応用可能であり、特に小中学校の生物教育に本物の形態で無毒無味、教育効果の高い標本を提供し、人体に有害なホルマリンを排除する事が出来る。

 当工場で発明した「生物塑化シリカゲル及び生物塑化標本制作」の新技術は、常温下での脱水と断続負圧浸透により、ドイツの低温下の脱水と連続不圧浸透の技術に比べて標本制作コスト (ドイツ比50%減) と設備投資 (ドイツ比40%減) が大幅に抑えられる。

 工場では既に年間300トンの生物塑化シリカゲルと3万の塑化標本の生産規模であり、世界最大のΦ800×2200の塑化標本真空器とアセトン回収装置8台を装備している。
 400年前の明代の古い死体の塑化に成功し、現在これはオーストリアに貸し出され、全世界に人体塑化保存技術を発信し、中国人の知恵と生物塑化技術レベルを十分に体現している。
 巧みで完璧で斬新な技術と信頼の置ける製品品質は国内外に定評があり、設備技術の技術はすでに北京医科大学、上海医科大学など10を越える有名な大学や、日本、イスラエル、サウジアラビア、オーストリアなどの国に供給をし、ユーザーの好評を得ている。

 私達は誠心誠意国内外の生物塑化保存技術の仲間を歓迎し、協力を展開、交流を強化し、共に生物塑化技術の発展と人類に幸福をもたらす創造性の業績を推進する。

住所:南京中華門外花神廟村
郵便番号:210012
電話:025-2434549
[訳=岩谷] (原文:中国語)
南京市政府. 『南京蘇芸生物保存実験工廠』. (2003年の時点で存在). [魚拓]


2009年8月時点での『愛幫網』上の南京博奇科教器材社の会社紹介。

南京博奇科教器材有限公司
営業電話: 025-52434549 025-52435844
詳細住所: 南京雨花台花神廟村
附近地標: 雨花台烈士陵園


查看大図
 南京蘇芸生物保存実験工場は1996年3月に成立し、中国教育器具設備業者協会に参加企業である。また江蘇省教育器具指定生産企業である。主にプラスティネーション標本の制作と加工 (国家特許取得項目) を行っており、教育用模型、ガラス入り生物などの製品を制作している。我が国の医学教育領域では比較的高い知名度を誇る。 この企業は高品質の製品と教育従事に尽力しており、企業資源の合理利用により、現在資産再編を行い、新企業名は南京博奇科教器材有限会社である。

 プラスティネーション標本制作には本物の生物体を用い、新型高分子材料を通じて体組織内の水分をシリカゲルに置き換え、組織細胞間の隙間を充当、それで生物体の原型保持と長期保存効果を達成する。 プラスティネーション標本は新型の教育用標本であり、それは従来のホルマリン浸け標本の欠点 (刺激性が強く、直接観察が出来ず、保管が不便など) を克服し、解剖学の教師と学生に広く好まれている。 プラスティネーション標本は、無毒無味で、色合い良好、自然な形態、直接観察出来、教育効果が良く、室温や吹きさらし、乾燥した環境での長期保存が可能である。 従来のホルマリン浸けと比較して、保管が容易で耐性があり、更にホルマリンの害から教師や学生を遠ざけた。

 2001年6月に、国際プラスティネーション協会第七期中期年次例会が当社の工場で開催され、その期間に、会議に出席した専門家や学者が当社の工場のプラスティネーション技術と製品に高い評価をした。

 当社は国内外のプラスチネーション技術研究の専門家や学者が長期的な相互交流を進行させ、プラスティネーション技術のレベルの着実な高まりを確保する事、そして同時にプラスティネーション標本が普及するよう共に努力出来る事を願っている。

[訳=岩谷] (原文:中国語)




関連記事:

『カトリック・キー』で引用されていたカンザスシティ・スター紙の2月17日の記事の全訳。 カンザスシティー・スター紙は『人体の暴露展』カンザスシティ展のスポンサーであり、この時点でやや疑惑打ち消しのトーンが見られる。ちなみにこの記事は2月15日のABCニュースのスクープ番組の放送の二日後に出たもの。



自由意志での献体がユニオン駅の展示で使用されている 関係者が明かす
カンザスシティ・スター 2008年2月17日

 ユニオン駅関係者は土曜日、人体展『人体の暴露展』の標本は故人の意志による献体であるとのプレミア・エキシビション社が保証した事に安堵したと述べた。

 金曜日の夜のABCニュースの報道では、展示ツアーを行っている複数の人体展に展示されている人体の一部が中国の死刑囚である可能性があると報じられたが、プレミア社はそこで問題にされている。

 アトランタに本拠地を置くプレミア社は疑惑を否定し、全ての人体は引取人のないものか、意志によって医科大に献体され、それらは全て合法的に入手したものであると説明している。

 2月29日にオープンするユニオン駅での人体展は、『20/20』で問題にされたものとは違う事は明らかである。


 ユニオン駅のアンディ・ウドリス代表は土曜日に、プレミア社の別な人体展『BODIES...The Exhibition』を追跡しているABCニュースに対し、『BODIES展』は引取人のない死体を使用しているが、『人体の暴露展』では生前に献体同意書にサインをして自然死をした人々を展示しているとプレミア社に説明されたと語った。

 ウドリス氏は「(『人体の暴露展』での) これらの人達が自ら進んで献体しなかったなどと信じる理由は全くない。それは毎日起こっている事だ」と主張している。

 しかし地元のカトリック関係者との会合を見越して、そしてABCの報道の前に、ウドリス氏はより高い安心度を求めていた。

 ウドリス氏は「私は駅のスタッフと会って『OK、ここで我々に必要な事は何らかの追加証拠である』と彼等に言った。プレミア社が我々に提供したのは英語の献体同意書のフォームであり、ここにそれらの献体者が承認サインをするものであると説明された。彼等が我々に公開していない物は、本人達による直筆サインのある実物である」と述べた。

 ウドリス氏はユニオン駅がその情報開示を要求出来るかどうか確信はしていない。

 プレミア社のチーフ医学アドバイザーのロイ・グローバー氏は以前カンザスシティスター紙に対して、プライバシーの観点から会社はドナーの身元を公表する事が出来ないと説明している。

 プレミア社がユニオン駅に提供した献体フォームには「私は自分の身元が・・・匿名のままで、自分の体、細胞やパーツの身元はこの秘密性を確実にするために記号化される事を理解する」と書かれている。


 プレミア社の広報担当のキャサリン・モーゲンスターン氏は、『人体の暴露展』における全ての標本は北京医科大学の生命科学研究院から来ていると説明している。ユニオン駅側はそれらの人体はそれから中国の南京にある南京蘇芸プラスティネーション研究所で処理されたものと述べた。[脚註5に戻る]

 ABCの報道は、中国の大連に焦点を当てており、プレミア社は『BODIES展』の標本はそこから入手したと説明している。ABCは人体は実際は倉庫を運営する会社から来ていると報じている。ABCへの情報提供によると、人体の多くが死刑囚のものであるとの事。プレミア社は放送の直前に「これらは事実に基づかないセンセーショナルな主張である」との声明を発表している。

 ユニオン駅が人体展『人体の暴露展』の計画を発表した10月にグローバー氏はカンザスシティを訪問しているが、それらの人体が政治犯その他の囚人である可能性が人権団体によって懸念されている事に関してカンザスシティ・スター紙に質問を受けている。

 ミシガン大学の解剖学と細胞生物学の名誉教授のグローバー氏は「それらは死後に身体を医科大に献体する事を決めた自然死した人々であり、中国でも米国でも献体希望に関しては全く同じ事である。...そして医科大はそれを教育又は研究目的に使用する事は法的に義務づけられている」と述べた。

 そのプレミア社の声明では、同社の医療専門チームが全ての標本を「トラウマや肉体的損傷、処刑や拷問ののいかなる痕跡もない事を保証した」と表明している。


 別なバージョンの『BODIES展』が開催されているシンシナティの管区は、カトリックの学校がそれらの人体が自由意志で献体されたものでないという理由で展示会への社会科見学を行わないとの態度を明らかにしている。

 ピッツバーグ管区は昨年、教育的メリットが明らかであるとの理由で『BODIES展』を承認している。

 ユニオン駅側は、カンサスシティ/セント・ジョゼフのカトリック管区やカンザス州カンザスシティ管区との会合を持ち、『人体の暴露展』と『BODIES展』の違いを説明するための会合を計画中である。

[訳=岩谷] (原文:英語)
Kansas City Star. "Willing donors gave bodies to Union Station exhibit, says official". Article carried in TradingMarkets.com, February 20, 2008; 8:24 AM. [魚拓]


 8月28日にカンザスシティ・スターが献体同意書詐欺を報じた記事。同紙は『人体の暴露展』のカンザスシティ展の公式スポンサーのためか、実際その献体同意書の正体が何なのかにすらも触れておらず、一体何の不正があったのかも良く分からない書き方。カトリック・キーのレポートに関しても簡単に述べるに留まっている。



『人体の暴露展』の献体同意書は中国人ドナーによってサインされたものではなかった ユニオン駅
マット・キャンベル
カンザスシティ・スター 2008年8月28日


プレミア・エキシビション社が人体展で中国の死刑囚の死体を使用しているとの疑惑がテレビでは報じられている。(GARVEY SCOTT | The Kansas City Star)
 人体展『人体の暴露展』の最終日が迫る中、数ヶ月前に報道機関に提供された献体同意書が本物でなかったとユニオン駅側が認めた。

 ユニオン駅のCEOのアンディ・ウドリス氏によれば、展示が始まって間もない3月には担当者がその間違いに気付いていたが、当時は社会的に問題提起がされていなかったため駅側はそれを公にしなかったと説明している。

 ウドリス氏は「正直、私達はその事自体をすっかり忘れていたので、意図的に隠したりミスリードしようとしたと取られるのは不本意」と述べた。


 ユニオン駅側は、人間の本物の死体の展示会ツアーを主催しているプレミア・エキシビション社から解剖用の献体同意書を受け取っていると表明していた。それは『人体の暴露展』で展示されている中国人が生前に自らサインをしたオリジナルの献体同意書の英訳であるとプレミア社の社員から説明されたと、駅側はそのように説明していた。

 去る2月にABCニュースの『20/20』で、プレミア社の人体展での中国の囚人の死体使用の疑惑が報じられているが、その放送の後、本紙はその (ユニオン駅から提供された) 献体同意書をウェブサイトで公表した。

 プレミア社側はまた、ABCが報道しているのは同社の別な人体展『BODIES展』であり、ユニオン駅での『人体の暴露展』とは別なものであると主張している。


 カンザスシティ/セントジョゼフ教区発行の『カトリック・キー』は今月ウェブサイトで独自の調査レポートを発表している。そのレポートにはユニオン駅が所持している献体同意書に正当性がない事をプレミア社は認めながらも、故人の意思での献体を証明する「宣誓供述書」を人体取引業者から提供されていると主張していると書かれている。

 ウドリス氏は、プレミア社側から受け取った献体同意書に中国人献体者のサインがなかった件に関してプレミア社は既に承知しているとし、その宣誓供述書を引き合いに出して同社との関係を「今後も誠実さを信じる」と述べた。

 カトリック・キーはまた、その宣誓供述書の信憑性に関する疑問を投げかけている。

 プレミア社の広報担当者は先週、同社ののブライアン・ウェインガー法律顧問に問い合わせをしたが、ウェインガー氏は今週プレミア社のポジションを辞任し、現在のコンサルタントの立場で会社を代弁して発言する権限があるかどうか分からないと答えるに留まった。

 ユニオン駅の次の計画は、健常者に盲目状態をバーチャル体験させるプレミア・エキシビション社の展示『暗闇の中の対話』(Dialog in the Dark) である。

[訳=岩谷] (原文:英語;写真は元記事付録)

8月29日のカンザスシティー・スターの記事を基にしたAP通信の報道。
『人体展』への献体書類は本物でなかった
AP通信 2008.8.30

 【ミズーリ州カンザスシティ】ユニオン駅で開かれている人体展『人体の暴露展』に展示されている人体の、献体をした故人によってサインがされたとする解剖用献体同意書のフォームが本物ではなかったと、ユニオン駅の関係者の証言で分かった。

 人体の使用に疑問の声が上がって以降、その献体同意書が各メディアに配布されていた。

 ユニオン駅のCEOのアンディ・ウドリス氏は、駅側が受け取ったそのフォームが実際ドナーのサインがされたものでない事を3月に発見し、展示会開始のすぐ後にその説明の声明を準備していたと述べた。

 ウドリス氏は「正直、私達はその事を完全に忘れていた。隠蔽したりミスリードしようとしたと取られるのは不本意」と述べた。

 またウドリス氏は、展示会をプロデュースしているプレミア・エキシビション社からその献体フォームが提供され、それがドナーのサインがされていないものである事が後になってから分かったとしている。

 公開展示されているプラスティネーション処理された死体は、その身体やパーツの主である中国人が生前に遺体が展示される事に同意した事実はないと主張する反対運動を引き起こした。

 2月に放送されたABCニュースの『20/20』では、プレミア社が展示に用いた人体の一部が中国の囚人である可能性が報じられた。それに対してプレミア社側は、その報道で扱っているのはユニオン駅での『人体の暴露展』とは別な展示会の『BODIES展』の事であると表明している。

 しかしユニオン駅はなお、それが意志による献体であるとのプレミア社の宣誓供述書を引き合いに出し、同社との関係を「引き続き信頼関係に基づく」と表明している。

 カンザスシティ・スター紙によれば、プレミア社の広報部長はブライアン・ウェインガー法律顧問へ問い合わせをしたが、ウェインガー氏はプレミア社でのポジションを辞任し、コメントする権限がないとKCスター紙に語ったとの事である。

 金曜日にAP通信が残した留守電メッセージに対しプレミア社からの返信はなかった。

Information from: The Kansas City Star, http://www.kcstar.com

[訳=岩谷] (原文:英語)
Associated Press. "Origin of bodies in exhibit questioned". Article carried in LJWorld.com, August 30, 2008. [魚拓]


最初の報道の翌日のカンザスシティー・スターの社説。ここに書かれている情報の多くはカトリック・キーから得られたもの。
土曜社説:『人体の暴露展』のスキャンダルがユニオン駅を直撃
シェリー・バーブ
カンザスシティ・スター 2008.8.29, 18:02

 人体展『人体の暴露展』がオープンする前、ユニオン駅関係者は献体同意書の英訳を作成する事で社会の懸念を和らげようとした。

 CEOのアンディ・ウドリス氏は、カンザスシティ展で展示されている人体は全て、科学と教育のために身体が使われる事を許可した中国国内の人物である事をそのフォームが示していたと述べた。

 人体展が開始してすぐ後に、駅側はそのフォームが本物でないとの情報を得たが、彼等はその情報を直ちに公表しないという誤った判断を下した。

 ウドリス氏は、カンザスシティ展での人体が同意の下に献体された事を確信していると述べたものの、それを立証する方法が全くない事を認めている。

 今回の発覚は、プラスティネーション人体と人体パーツの展示でツアーをしている展示会への調査を議会に促す更なる理由の一つとなっている。

 主催者側は、彼等がどこで人体を入手したのか、そしてそれらが故人の意志で献体されたものである事を証明する義務がある筈である。

 ユニオン駅側は、プレミア・エキシビション社の関係者から献体フォームを見せられたと主張しているが、それを見せた人物は死体提供業者が実際に使用しているフォームの訳であるとしている。

 ウドリス氏はプレミア社に問い合わせをしたと言う。同社はユニオン駅の展示会における人体の全てがドナーの同意の下に入手されたとする宣誓供述書を作成している。それは現在、信用するには疑わしいと見られている。人体展『人体の暴露展』のカンザスシティ展の月曜日の最終日に先駆けて死体に関する新たな疑惑が発覚した事は社会に幻滅を起こさせている。

[訳=岩谷] (原文:英語)
Shelly, Barb. "Saturday editorial: 'Bodies Revealed' scandal hurts Union Station". midwest voices, August 29, 2008; 6:02pm. [魚拓]





脚註:(脚註を見る)


写真:

  1. ^ KMBC-TV. "Union Station to Display Bodies", Oct 17, 2007, 1:33 pm CDT.
  2. ^ 南京市人民政府. 『南京蘇芸生物保存実験工廠』 [魚拓] [新URL - 魚拓]

  3. ^ The American Society for the Defense Tradition, Family and Property. "“Bodies Revealed” Protest in Kansas City", March 2008. [魚拓]
  4. ^ 南京医科大学基础医学院. 『丁炯,碩士,教授,碩士生導師』.
  5. ^ 中国標本網. 『主頁』. [魚拓]
  6. ^ shake gently. 『Bodies Revealed coming to Union Station in Kansas City』, February 20, 2008 – 9:31 am. [魚拓]
  7. ^ Kansas City Business Journal (Jim Davis, Staff Writer). "Udris steers Union Station ahead", January 11, 2008.
  8. ^ Nice Deb (Jim Davis, Staff Writer). "Bishop Finn:Dialogue Came To A Screeching Halt At Notre Dame", May, 20, 2009.
[特集『人体展と中国の人体闇市場』トップページに戻る]





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はてなブックマーク - プレミア社の献体同意書はニセモノだった

コメント

あの展示の裏で、人の死体がいいかげんな扱いを受けていたとは、なんとも胃の重くなる事ですね。ここで取り上げられなければ、自分がこの問題について詳しく知る事はなかったと思います。
12個ものエントリ、お疲れ様でした。

  • 2008/12/22(月) 22:42:34 |
  • URL |
  • たくじ #Gq7MI2XM
  • [ 編集]

たくじさん

ありがとうございます。
数年前にネットで日本の『人体の不思議展』のニュースを初めて見た時はそこで献体と説明されていたのでそうなのかと思いつつも、しかし献体された遺体を見物客に触らせるという消耗品的な扱いの展示はどういったものかという違和感は当時からありました。

それでも実際、実際蓋を空けてみればその「意志による献体」すらも疑わしく、それをカモフラージュするための様々な嘘が見えるだけであって、この中国公安局も絡んだ世界規模の巨大ビジネスの営利主義に、医療も生命倫理すらもないがしろにされながら、それが「医療の発展」という耳障りの良いもっともらしい建前とエンターテインメントに誤摩化されてまかり通ってしまっているという現状は何とも言えないものがありますね。

  • 2008/12/23(火) 11:42:05 |
  • URL |
  • 文太 #gJtHMeAM
  • [ 編集]

川崎で

これつい最近まで川崎でやっていたみたいですね。
電車の広告に出てましたから。
人権に煩いはずの神奈川で何の疑問も出ない辺り奇妙な話です。

  • 2008/12/23(火) 21:17:41 |
  • URL |
  • 松崎 #ch2f7abI
  • [ 編集]

松崎さん

『(新)・人体の不思議展』は2002年から通算24カ所で開催していますが川崎が最新の展示ですね。以前はズラズラ並んでいた後援も今回はなぜか全く表示がなくなっています。

こういう問題はアメリカ同様に日本でも本来ならメディアが取り上げるべき話なのですが、日本の『人体の不思議展』は、各地の新聞社や日本赤十字や医師会や教育委員会などが後援などをやっていて、要するにメディアや医師会を抱き込んでの開催なので批判されにくい構図にはなっていましたね。

>人権に煩いはずの神奈川で何の疑問も出ない辺り奇妙な話です。

日本で人権に煩いはずの人達は中国が絡むとなぜか黙りますね。

  • 2008/12/24(水) 13:43:11 |
  • URL |
  • 文太 #gJtHMeAM
  • [ 編集]

文太さん、こんばんは。

一連のシリーズ、興味深く拝読しておりました。
夏からの12個ものエントリー。Red Foxは、この問題について最も詳しく触れたブログの一つと言っても良いのではないでしょうか。

しかし、なんというか…
第一回目に書き込んだ
>「埋葬も無く、見世物として興業に使用される」という同意が、果たしてあったのか。これが無ければ、尊い意思に対する悪質な背信であり、献体の美名を悪用した精神に於ける詐欺に他ならなく。
という自身のコメントを思い返し、どうやらその通りの実態であったらしいという事に鬱々とした気分になってしまいます。

そこまでやるのか。そこまでやるのかよ、と。
死体の扱いに関しては様々な価値観がありますから、一口にこう、という言い方は難しい物がありますが、同意書の偽造という事であればこれは死者ならぬ生者の話という事になります。
人間を、遺志のみならず意志までもを、そういう扱いにするか。
私には、死者を冒涜しているのは勿論、生者をも愚弄する話であると読めるシリーズでありました。

そういえば、「人権とは生者の有する物であり、死者に人権は無い」と発言した大馬鹿者の弁護士がおりましたが、こういった輩がこの話題にどういう寝言を捻り出すのか、一度聞いてみたいものです。

本当にお疲れ様でした。

  • 2008/12/28(日) 01:30:58 |
  • URL |
  • ぐい呑み #-
  • [ 編集]

ぐい呑みさん

このシリーズを始めたのは丁度某地に滞在していた時ですが、あれからもう5ヶ月ですね。

ぐい呑みさんに最初にコメントを頂いた第一回のエントリーで扱ったのは、ABCニュースの特集番組放送の前日の、いわば予告編のような、人体展の紹介に重点を置いた記事であったため、それを見て「このような形での展示に本当に同意があったのか」というのが当然出て来る疑問であったと思います。あの時点では私もまだ調べ始めたばかりで、エントリーを書きながら内容を理解している状態でした (笑)

当初ABCニュースなどで集中的に報道されていたのが「引き取り人のない死体」を用いているとする人体展『BODIES展』で、そもそも中国における身元不明者や死刑囚の使用における同意など意味がないのは明らかであり、第7回エントリーで扱った中国の現地レポートでようやく献体に関するテーマが出て来て、それで今回のカトリック・キーの『人体の暴露展』の調査でようやく問題の核心に迫ってそういった疑問への答えが出て来たかなという感触です。

死者の扱いに関する文化的価値観に関しては、キリスト教的背景を第5回、中国の文化背景を第4回と第7回で多少扱いましたが、いずれにしても文化宗教を問わず人類に共通しているのが死者を弔ったり供養して鎮めるという慰霊行為であり、故人に対する追悼やもはやこの世のものでなくなった者に対する畏敬の念という、死生観というものは宗教や文化の根幹の部分に関わる問題であり、こういった「死」をエンターテインメントにする事自体が人類の文化や歴史に対する冒涜にすら見えます。

プレミア社の場合はそういった人類のタブーを興味本位のレベルにまで落とし、それを正当化するために偽造まで行った訳であり、これも死の商人など悪魔の産業のメンタリティの一種なのでしょう。

以前読んだ記事で興味深かったのが、ジョン・レノンのお姉さんが「弟も両親も故人であり自ら反論も名誉回復も出来ないのだから無責任なゴシップは謹んで欲しい」とコメントしていたものですが、宗教や文化背景を抜きにした人道的見地でも、死者には人権がないと果たして言えるのかは甚だ疑問ではあります。

  • 2008/12/29(月) 09:40:53 |
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  • 文太 #gJtHMeAM
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