骨と吸血鬼兄弟   作:大三元
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十話 ワニと吸血鬼兄弟 下

「さて、なぜあんな事をしたんだ?」

 

偽ナザリックに着いた御一行。アインズは兄弟を見ている、絶望のオーラ3って感じで。

 

「「………」」

 

兄弟はデミウルゴスをジッと見ている。このやり取り前にも見たような感じだな~っとアインズは思いながらデミウルゴスを見る、どや顔でアインズを見返す。

 

「… はぁ、まぁ良いか」

 

アインズは考えるのをやめた。

 

 

 

 

 

 

夕暮れ、神話の軍隊は剣で盾を叩き地面を踏みしめる。その地鳴りが止む、そして森から出てきたのはコキュートス。

 

「あれがコキュートスだと言うのか」

 

コキュートスは堂々と歩みリザードマン達の前まで出ると話し始めた。

 

「サテ、至高ノ御方々モゴ覧ニナラレテイルコトダ、オ前タチノ輝キヲ見セテクレ。ダガソノ前ニ… アイスピラー!」

 

手を翳すと二本の氷塊が沼地より出現する。

 

「戦士トシテ! ココニ来タ覚悟ヲ持ツ者達ニハ無礼ダガ告ゲサセテモラオウ! ソコヨリコチラ側ハ死地、進ムトイウノデアレバ死ガ待チ受ルトシレ!」

 

リザードマン達に緊張が走る。

 

「おいおい、以外にいい奴じゃねぇか」

 

そういうとゼンベルは前に進む、それに釣られ他の族長達も前に進むがシャースーリューは後ろに振り向き他の戦士たちに告げる。

 

「お前たちは村に帰れ」

 

「なぁ! 俺達も一緒に戦わせてくれ!」

 

若いリザードマンが懇願するがシャースーリューはその願いを一掃し答える。

 

「引くのは臆病ではない! 生きてこそだ! 引けないリザードマンも居る、族長たる地位の者が戦わずして支配を受け入れるわけないだろう!」

 

「だが族長! 俺達は戦うぞ!」

 

若いリザードマンが尚も言う、すると年配のリザードマンがそこに割って入る。

 

「若い奴は帰れ! 後は年寄り達の仕事だ!」

 

そういうと年配のリザードマン達もコキュートスに向け前へ進む。

 

「待たせたなコキュートス!」

 

シャースーリューが代表してコキュートスに声を上げる、コキュートスはそれに応えるように手招きをする。

 

「突撃ィイイッ!!」

 

掛け声と共に一斉に駆けるリザードマン達。

 

「戦士達ニハ悪イガマズハ数ヲ減ラサセテモラオウ、フロストオーラ!」

 

コキュートスが腕を振るうとリザードマン達が冷気でバタバタと倒れていく。立っているのは族長達とルークにヤンだけだ。

 

「よくも仲間を殺ってくれたなコキュートスゥウウッ!」

 

ヤンが声を上げコキュートスに駆け寄る、そこで族長達はルークとヤンの存在に気付いた。コキュートスもそこで気づいたのか慌てているのが目に見えていた。

 

 

 

激しい戦いだった、族長達は一人、また一人とコキュートスに討たれていく。ルークとヤンはその戦いの中で時には族長達にバフをかけたりコキュートスにバフをかけたり、時にはコキュートスの武器になり両足を鷲掴みにされ振るわれたり、また時には後ろで待機しているスケルトン軍を滅ぼしたり… それはそれは激しい戦いだった。

 

 

 

 

 

 

「コキュートス、見事な戦いぶりだった」

 

「アリガトウゴザイマス」

 

偽ナザリックでアインズは先の戦いの事を話している。そこには当然兄弟も居るのだが簀巻き状態にされ顔は見るも無残にボコボコにされていた。

そしてコキュートスにはリザードマンの統治を言い渡された。そしてなんやかんやあって族長達は蘇生される運びとなった。これにてリザードマン編は終了した。

 

 

 

 

 

 

時は数日進みナザリックのルークの部屋、そこにはルークとヤン、そしてデミウルゴスが居た。

 

「っで、デミウルゴス… あの時の話は本当なんだろうなぁ?」

 

「はいヤン様、本当でございます」

 

「ほぅ、ならアインズは既に知っていると?」

 

「そうでございますルーク様、しかし知っていると言うよりもアインズ様の計画の内かと」

 

そういうと三人は悪い笑みを浮かべたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

ところ変わってリ・エスティーゼ王国の王都、そこのセバスとソリュシャンの情報収集拠点の屋敷では拾われたツアレとセバスが話している。

 

「ここに居れば何も危ないことはありません、この私が保証します。目を覚ましてもこのベットの上に居ますよ」

 

「あ… りが… とう……… ござ、 い、 ます………」

 

「お気にされずに、私が拾い上げたからには貴女の身の安全は出来る限り保証しましょう」

 

ツアレは泣き崩れる、セバスは優しく抱きしめなだめる。そのタイミングでゲートが開く、そこから出てきたのは至高の御方々であるバレンタイン兄弟だ。

 

「「……… 失礼しました」」

 

「待って下さい! これは違うのです!!」

 

兄弟はゲートで帰っていったのだった。

 

 

 

 



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