短編集 アインズの召喚 作:大三元
<< 前の話 次の話 >>
シャルティアは困っていた、それはもう相当困っていた。
何時もの階層の見回りから自室へ帰ってきたらヴァンパイア・ブライド達を口説く見知らぬ男が居たからだ。
「君かわいいねぇ、良かったら僕と遊ばない?」
ヴァンパイア・ブライド達は嫌そうにする者もいればまんざらでもない感じの者もいる、そんな事は置いといてこの男いったい何処から来たのか、何が目的で口説いているのか、そして一番重要な事が何故部外者のはずなのにこうも仲間意識があるのか解らなかった。
コキュートスは何とも言えない顔になっていた、目の前の光景に。
鍛錬をしていたのだが背後が騒がしくなり振り向くと見た事のない者が氷の上を楽しそうに滑っているのだから。
「ひゅ~すっべるぅ~」
辺りに居るフロスト・ヴァージンもコキュートスと同じく滑っている者を何とも言えない表情で見ている。
その者の見た目は髪は白で目はたれ目、なんとも気が抜けてる感じの者だった。
アウラ、マーレは楽しく遊んでいる。
蹴鞠をしたり日本人形で遊んだり4人で楽しく遊んでいる。
「「「「あはははははははは」」」」
一緒に遊んでいる者はアウラ、マーレより年下だと思われる、一人は黒髪でもう一人は白髪の着物姿の日本人形みたいな少女二人だ。
デミウルゴスは見なかったことにした。
溶岩の川で大きな男が溺れてるなんて知らない。
「ちょっと!そこの君!助けてよ!!てか無視しないで!!!」
王と書かれた赤い帽子をかぶり立派な髭を蓄えている人物なんて見ていないしこれからも知る事が無いだろう。
そのままデミウルゴスはその場を通り過ぎて行ったのだった。
アインズは睨まれている、カミツキガメみたいな目に。
いつも通り職務をしていた、そして休憩という事でベットに横になりまた職務に戻る、椅子に座り机の上にある報告書に目を通そうとした時異変に気付いた。
いつもの様に側にはアルベドが居たのだが、そう休憩前までは。
「あの……… 誰だ?」
「鬼灯です」
アルベドの代わりに鬼灯という者が立っている、黒の和服に三白眼で、額に1本の角が生えている男。
こんなNPC居たっけ?等と考えたのだが心当たりがないしアルベドが居ない事も疑問に思った。
「アルベドはどうした?」
「さぁ?」
興味なさげに答えるこの者を見ながら心の中で疑問符が多数浮かぶアインズだった。
その頃アルベドは彷徨っていた。
行けども行けども不思議な花畑から出れないのだ。
そんなアルベドを見るのは金魚だけだ。
鬼灯の冷徹の白澤と春一と一子と二子と閻魔大王と鬼灯と金魚草です。