新型『Z4』のボディサイズは先代よりも大型化。欧州に導入されるのは3グレード
標準仕様の『Z4』は、2019年3月にヨーロッパで導入されるモデルで、3つのグレードからなる。『Z4 sDrive 20i』『Z4 sDrive 30i』、そしてスポーティな特別装備を搭載した『Z4 M40i』だ。この『Z4 M40i』には、「アダプティブ Mスポーツ・サスペンション」や「Mスポーツ・ディファレンシャル」、「Mスポーツ・ブレーキ」が標準装備される。
公式サイトではスペックが記された技術仕様書が公開されている。ボディサイズは全モデル共通で、全長4324mm×全幅1864mm×全高1304mm。長さは先代よりも+85mm、幅は+74mm、高さ+13mmと、やや大きくなっている。一方でホイールベースは短縮され、俊敏性は増した。もちろん、BMWの伝統である後輪駆動、前後50:50の重量配分は健在である。
新型『Z4』のパワートレインは、2.0L直4と3.0L直6の2種類のガソリンターボ
パワートレインを見ていこう。エントリーモデルの『Z4 sDrive 20i』は2.0L 直列4気筒ガソリンターボエンジンで、最高出力197ps/4500-6500rpm、最大トルク320Nm/1450-4200rpmを発揮。走行性能は0-100km/h加速6.6秒、最高速度は240km/hに達する。
『Z4 sDrive 30i』のパワートレインも2.0L 直列4気筒ガソリンターボエンジンだが、最高出力は258ps/5000-6500rpm、最大トルクは400Nm/1550-4400rpmへとチューニングされており、走行性能も0-100km/h加速は5.4秒、最高速度は250km/hに向上している。
『Z4 M40i』のパワートレインは、3.0L 直列6気筒ガソリンターボエンジン。最高出力340ps/5000-6500rpm、最大トルク500Nm/1600-4500rpmを発揮し、0-100km/hの加速は4.5秒とかなり短縮されている。最高速度は『Z4 sDrive 30i』と同じく250km/h。このスペックは、ペブルビーチ コンクール デレガンスで公開された『Z4 M40i ファーストエディション』も共通だ。
組み合わされるトランスミッションは、全車共通の8速の「ステップトロニック」オートマチック。また、先代にあった「コンフォート」「スポーツ」「スポーツ+」の走行モードセレクトも引き続き採用されている。
キドニーグリルはメッシュに。筋肉質でスパルタンになった『Z4』のエクステリア
エクステリアは、全体的に筋肉質でスパルタンな印象。新しくメッシュデザインが採用されたキドニーグリルが目を引く。そのキドニーグリルを中心としたフロントマスクには大型のスポイラーが配置され、迫力のある雰囲気を醸し出す。サイドには存在感のあるエアブリーザ、リアには細長いLEDライトとディフューザーを備え、マッシブな印象となっている。
インテリアでは、『Z4 sDrive 20i』『Z4 sDrive 30i』では、Vernasca(ヴェルナスカ)レザーのスポーツシートを標準装備。『Z4 M40i』はレザーとアルカンターラの組み合わせが標準となる。
ルーフは電動格納式のファブリック・ソフトトップ。50km/h以下なら走行中でも10秒で開閉可能だ。また、ファブリック・ソフトトップを採用したことにより、荷室容量は先代より50%以上も拡大して281Lとなった。そのほか、BMWのオープンカーとして初めて、オプションでヘッドアップディスプレイを装備できる。
BMW『Z4』とトヨタ『スープラ』、フォルムは似ていても雰囲気や乗り味は違う?
新型『Z4』から『スープラ』の市販モデルを予想する向きもある。たしかに、プラットフォームが同じなのでフォルムは似てくるだろう。
しかし、BMWの伝統であるキドニーグリルの存在などもあり、全体的な雰囲気はそれぞれのブランドに紐づくはずだ。乗り味のセッティングにいたっては、言わずもがな。比較する楽しみは、来年以降、両車が導入されたあとの直接対決までとっておきたい。
Text by Tsukasa Sasabayashi
Photo by (C) BMW AG
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)