【GROOVE COASTER】
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基本操作:単押し、同時押し
特殊操作:アドリブ、スライド、ビート、スクラッチ
長押し:あり
ノーツ表示方法:特殊

ー判定ー
GREAT
COOL
GOOD
MISS

ー難易度(10段階)ー
SIMPLE
NORMAL
HARD
[EXTRA]



【概要】
 2011年7月28日にタイトーよりアプリ「GROOVE COASTER」が配信開始。アプリは有料。タイトーの曲に加えZUNTATAによるオリジナル曲も収録。
 2012年11月20日に続編となる「GROOVE COASTER ZERO」が配信開始。前作購入者は限定曲がDLできる特典あり。今作ではアプリが無料となり、多くのオリジナル曲が無課金で遊べる。後に課金による新曲配信も行われ、版権曲も登場した。
 2015年7月1日に「GROOVE COASTER 2 ORIGINAL STYLE」へ大型アップデート。今まで非対応だったAndoroid向けも配信開始となる。マルチタップに対応し、アーケード版に収録されている全曲にアーケード版の譜面が追加された。

 2013年11月5日にアーケード版「GROOVE COASTER」が稼働開始。2つのブースターが取り付けられており、どちらを操作してもノーツ処理が可能。ヒット(タップ)はボタンを押す、スライド(フリック)はブースターを傾けるといった形でアプリ版の操作を再現している。
 アーケード版ではブースターが2つであることを活かし、同時押しノーツが追加されたり、16分ノーツなど左右交互の操作が求められる配置が出てきたりと、譜面にもスマホ版から変化がある。

 2014年5月26日に「GROOVE COASTER EX」へ大型アップデート。イベントプレイや難易度EX、ランクSの上にS+、S++が追加された他、7月30日のアップデートでグルーヴステージに対応。これは足元に設置される周辺機器で、曲に合わせて振動する。設定で振動頻度を変更する事ができる。店舗によっては設置されていない。

 2015年1月22日に「GROOVE COASTER 2 HEAVENLY FESTIVAL」が稼働開始。レベル制度の廃止、楽曲由来の称号追加(全難易度で高スコアを獲得したり、100回プレイしたりすると獲得)、ゲーム内通貨「GC(グルコ)」の追加など。グルコはwebでアクセスできるマイページにて、アイテムや楽曲の購入に使用することができる。

 2016年3月10日に「GROOVE COASTER 3 LINK FEVER」が稼働開始。ナビゲートキャラクター「リンカ」の登場、曲解禁に使われていたミュージックパネルの廃止、効果音の切り替え機能追加、新評価「PERFECT」の追加、イベント開催中にオンライン対戦が実装されるなど。7月21日のアップデートでは曲ごとに設定されていた判定幅が統一された。

 2017年3月16日に「GROOVE COASTER 3 EX DREAM PARTY」が稼働開始。ナビゲートキャラクターが多数追加され、切り替えできるようになる。 グルコによる曲解禁がゲーム内だけでも出来るように。

 ゲーム名は『グルー「ヴ」コースター』であり、間違ってもグルーブコースターと書いてはいけない。略称は「グルコス」「ヴ」など。



【特徴】
 スペースインベーダーを元にした音楽ゲーム。画面表示が非常に独特で、レール上を動くアバターとノーツが重なった瞬間に操作を行う。
 視点は基本的にアバターが中心となっているが、進行方向やレールの形状によって目まぐるしく変化する。まるでジェットコースターのような疾走感を味わうことができる。

 アドリブという見えないノーツが存在し、操作出来るとタンバリン(設定で変更可能)の効果音が鳴る。アドリブ以外のノーツを全て繋げると「NO MISS」だが、アドリブも含め全て繋げると「FULL CHAIN」の評価が得られる。



【収録曲】
 選曲にはクセがあるが、J-POP、アニメ、ボカロ、ゲーム、オリジナルと満遍なく収録した状態で稼働開始した。

 J-POPはさほど追加されていないが、その中でも目立つのはでんぱ組。でんぱ組とは関わりが深く、メンバーの古川未鈴(かなりのゲーマーで弐寺では十段らしい)が2のPVに登場したり、3ででんぱ組イベントが開催されたりした。
 ボーカロイドはスマホ版から推していたカゲプロ曲が大量に追加され、じんがニコニコ動画に投稿した曲全てが収録(他にはエネの電脳紀行、少年ブレイヴ)。ボカロは頻繁に曲追加が行われており、人気マイナー、新旧問わず様々な曲が収録されているのが特徴。ボカロ自身がアバターとして登場することも多く、初音ミクはナビゲーターとしても設定できる(解禁はいずれも期間限定)。

 東方は稼働開始時こそ収録されていなかったが、やがて頻繁に追加されるようになる。こちらもボカロと同じく人気や新旧問わず様々な曲が収録されている。
 ゲームはてくてくビート、ガンスリンガーストライトス、ブレイブルー、パズドラなどなど、コラボによってまとめて数曲収録されることが多い。
 オリジナルは他機種に比べると控えめ。初期頃はアプリ版からの移植が大半を占め、その後は音ゲーで有名なアーティストによる書き下ろしが目立つように。

 曲数の少なかったポップス、アニメは3EXよりアニメ・ポップスという1つのジャンルに統合された。ボカロ、東方、ゲーム、オリジナルの曲数は現在それぞれ同じくらいになっている。



【譜面】
 グルコスの場合は譜面よりステージと呼んだ方がいいだろう。曲を表現した様々な演出が魅力的で、1曲1曲を新鮮な気持ちで楽しむことができる。
 初期の頃によくあった、視点がアップになりノーツが見にくい、アドリブが分かりにくいなどの問題点はかなり改善されており、古いステージの一部はリニューアルが行われている。






【beatstream】
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基本操作:タップ(8レーン)、リップル(7箇所)
特殊操作:ストリーム
長押し:あり

ー判定ー
Fantastic(サイコー!)
Great(ヨッシャー)
Fine(オシイ)
miss(スカッ)

ー難易度(10段階、9と10は+-の区分あり、1曲のみ神)ー
LIGHT
MEDIUM
BEAST
[NIGHTMARE]


【概要】
 2014年7月11日にコナミより稼働開始。ゲームは全てタッチパネルで操作する。画面中央にある正八角形のジャッジリングへと流れてくるノーツを処理する。中央からノーツが出るmaimaiとは逆のシステムといえる。
 他にも外側に6つの枠があり、リップルが重なった瞬間にタッチする。ストリームは上下左右4箇所のどこかに弧を描くように表示され、矢印の方向になぞる。

 2015年2月19日のアップデートでビーストハッカーが追加。ここでナイトメア譜面が解禁できる。1クレジットでにつき1回プレイでき、指定された曲で指定されたノルマを達成すればOK。1つの譜面に対し5回(アニムトライヴ以降の追加譜面は5回以下のもある)繰り返せば解禁できる。
 ナイトメア譜面では中央でのリップルや、ジャッジリングと外枠の間を結ぶ直線ストリームが追加されている。

 2015年12月21日にアニムトライヴが稼働開始。ナイトメア譜面専用だった配置がビースト譜面にも登場。さらにストリームの表示位置が無制限となった。ストリームが始点をスライドするだけで反応するようになったり、ロング中の指替えが可能になったりとシステム面の変更もあった。



【特徴】
 プレイ画面の背景に動画が表示されるのが大きな特徴。上画面にも表示され見ている人が鑑賞できる。ローカルマッチングを行うと連動して、1つの動画が数画面にも渡る大きな表示になる。
 アニソンやボカロも公式映像が表示され(一部は汎用ムービー)、オリジナル曲には全て専用動画が作られている。

 ナビゲートキャラクターのBisCoはボイス付き。インターフェースの分かりやすさに貢献している他、プレイヤーに寄り添うメッセージや可愛らしい姿と声(あとおっぱい)など、BEMANIにしては魅力的なキャラクターだった。他にもオリジナルキャラクターはいたがボイスはない。

 アニムトライヴではナビゲートキャラを1人設定する事ができ、マッチング待ち中やスコア画面等で登場する。ビーストのキャラクターの他にボルテのレイシス、ライト、レフトやミュゼカのイリル、ここなつの2人などが設定できた。指で直接触るとメッセージや表情で様々な反応をみせる。


 あまり注目されていないが、猫耳型スピーカーは可愛い見た目を演出しているだけでなく、隣と音が混ざらないという画期的な役割も果たしている。





〜ビースト稼働停止問題〜


 2016年2月にノルタルジアの筐体がお披露目されたときから、ビーストの筐体を再利用しているのではないかと話題になりました。しかしこの頃ビーストはアニムトライヴにバージョンアップして間もなく、以後も定期的に楽曲追加がなされていたので、まさか入れ替わりで(少なくとも僕は)サービス停止になるとは思いませんでした。

 ただ2016年秋頃より急に楽曲追加が減り、追加されたとしても移植曲のみという手抜き。アニムドライヴ稼働で集まり始めていたプレイヤーもどんどん減っていきました。そしてKAC2016への不参加が決定。2017年2月には稼働終了を示唆するようなjubeatへの楽曲移植イベントが開始。ビースト稼働停止がいよいよ現実味に帯びてきました。

 3月1日にbeatstreamからノスタルジアへバージョンアップすると、ゲーセン側より告知がありました。ノスタルジアのサービス開始後もbeatstreamのまま稼働出来るが、8月31日にサービスが完全に終了されるとのこと。更新を終えた音ゲーは今まで数多くありましたが、完全終了してしまう音ゲーはビーストが初めてです。


 KAC2016不参加を始め、ノスタルジアへのコンバートなど公式からの説明が全くありません。おかげでうやむやになったまま自然消滅してしまいそうです。8月あたりにしれっと全曲解禁して終了お知らせするのでしょうか…。(追記:2月24日に公式サイトでこっそり発表されました)

 なぜビーストはサービス終了に追い込まれたのか?当然人気が出なかったからだと思いますが、ではなぜ人気が出なかったのか。ここでは不人気の理由について考察してみます。




▲視認性の悪さ


 普通の人は音ゲーをプレイする際、判定ラインの少し上あたりで視点をほぼ固定しています。全体をボヤッと見ることで譜面を把握しているのです(音ゲー苦手な人はノーツを1つずつ目で追って認識してる可能性がありますね)。
 しかしビーストは画面外側からノーツが流れてくるため、必要となる視野が非常に広いです。さらに画面端にはリップルノーツも出現します。そのためビーストでは、視点を頻繁に動かさないと譜面を認識出来ないのです。なので僕は、この譜面の流れならこのリズムでしょとノーツを見ずに処理することも多いです。

 画面の1点を見ながら反射神経に任せて反応するプレイが出来ない、つまり従来の音ゲーのやり方が通用しないということです。これでは他機種で培った譜面認識力もあまり強みにならず、多くの音ゲーマーにはプレイのし辛さが印象に残り好感度を得られなかったのだと予想します(よく言えば新鮮な感覚でプレイできるとも言えるんですが)。


 また縦落ち型のようにノーツが横並びで流れてこないため、詰まった配置が来るとノーツのタイミングが非常に分かりにくいです。そこに同時押しやリップルが絡んでくるともっと酷いことになります。
 この対策として、大抵の譜面は配置の繰り返しなどでパターン化する工夫がされています。しかし多くの音ゲーマーは繰り返す配置より変化に富んだ配置を好む傾向があります(あくまで僕の譜面制作してきた経験による印象ですが)。なので譜面の工夫があまり受け入れられなかったのではと。だからと言って変則的な譜面にすると覚えゲーになってしまうジレンマ…。

 他の工夫としては、部分的な音抜きでノーツ自体を減らした譜面も多くありました。しかしそれはメロディー通り叩かせてくれないストレスを与えたかもしれません。






▲苦行でしかなかった解禁作業


 アニメ「えとたま」とコラボし、なんとOPやED、キャラソンなど合計20曲追加するという盛大なイベントが開催されました。アニメの1タイトルからこれほど収録されるのは、音ゲーで後にも先にもえとたましかないでしょう。
 しかし一部の曲は隠し曲となっており、それを全て解禁させるにはえとたま曲を72回もプレイしないといけませんでした。この解禁方法の面倒さはユーザーが離れる原因となり得ます。

 大量に曲が追加されたことがスコア埋めを億劫にさせた...という原因もあります。ただ曲がどれも好きだとかこれきっかけにアニメにハマったとかいうプレイヤーもいて、収録自体は良い点もありました。


 あとは語るまでもない、「怪盗BisCoの挑戦状!!」。音ゲー史上最悪のイベントでした…。恐らく稼働停止はこれの影響が最も大きいと思います。
 コナミは年に一度、BEMANIシリーズ全体を巻き込んだ楽曲解禁イベントを行っています。怪盗ビスコもこれの一環であり、ビーストに主眼を当てたものとなっています。「ビーストを触ったことがない人にもやってもらおう!」という趣旨のイベントでしたが、そのやり方が非常にマズかった。

 神経衰弱がイベント参加していた全機種分用意されており、カードを全てめくり終えるとその機種にはビーストの曲が(何故かビーストと関係ない曲もあったが)、ビーストにはその機種の曲が解禁されるというのが基本的なルールです。このイベントの何が問題だったかというと、その神経衰弱を終えるのに途方もないクレジット数が必要になることです。
 1クレジットにつきカードを2枚めくることが出来ます。絵柄が合ってても違っててもそれ以上はめくれません。全てのカードをめくり終えればクリアとなり楽曲解禁されます。カードの場所はプレイ毎に数秒復習でき、不安なら写真を撮ればいいのでその点は安心。

 しかし恐ろしいことにカードの枚数は20枚(10ペア)。1機種分終えるのに最短でも10クレジットかかります。神経衰弱を全て一発で当てるのはほぼ不可能なので、実際にはそれ以上かかります。さらに複数機種で解禁させるには、その機種分だけ新たに神経衰弱をやらなければいけません。曲解禁のためだけに何千円というお金とプレイする時間をつぎ込まされたのです。
 ビーストメインのプレイヤーはプレイのついでに解禁出来るから楽…という訳ではありません。全曲解禁させるには全機種分の神経衰弱をやる必要があるのです。そのためどの機種よりも時間がかかってしまいます。

 イベント開始後、他機種プレイヤーは何十クレも興味のない機種につぎ込まされ、ビースト勢は人が来てプレイ出来ないわ解禁は長いわと、誰も得しない苦行イベントとなってしまいました。これでビーストは非常に強いヘイトを買ってしまうことに…。音ゲーマー全体からのコナミに対する信用も一時大きく損ないました。
 このイベントがなければもっと長く続けられただろうか。いや、先がなかったからこそ無理矢理にでも集客させたかったのだろうか。いずれにせよもっといいやり方は必ずあったはず…。






▲収録曲のアイデンティティの喪失


 稼働開始時は収録曲が全てライセンス曲という思いきった試みがなされました。明るいデザインでキャラクターを押し出していることからも、コナミが何度も試みながら失敗しているライト層獲得を狙ったことが伺えます。ただ今回はやや年齢層が高め、いわばオタク向けに作られています。移植曲一発目が電波曲だったことからも、そっち方面で固めるつもりだったのでしょう。

 しかしその路線は徐々にブレていきます。メインジャンルの1つだったボカロは、そもそもボカロ自体が衰退気味になってしまい目立った新曲が追加されなくなります。複数タイトルと本格的にタイアップしていたアニメも、J-POPの代わりにアニソンを強化し始めたjubeatが、うまるちゃんやNEW GAMEコラボなどでビーストの役割を果たしてしまいます。
 コナミオリジナルが少なめのビーストでは版権曲に力を入れないといけません。maimaiやチュウニズムのように版権に露骨に媚びる選曲が出来れば良かったかもしれませんが、人気の停滞とともに手抜き気味になった印象です。もしくは電波曲やポップスのビーストオリジナル曲をどんどん追加する手もありました。

 稼働停止前はコナミオリジナルの移植曲が多く収録されました。収録にあたって著作権に関する契約が不要だからでしょう。しかし元々オタク向け選曲でしたから既存プレイヤーの興味は薄く、ヘイト溜まってる状態では他機種からの新規プレイヤーもつかない。ビースト不人気の改善には至りませんでした。






▲タッチスクリーン


 これはビースト以外にリフレクビート、シンクロニカ、クロスビーツにも言えることです。自然消滅したcytusアーケード版もそうですね。これらの音ゲーが全て不振に苦しんでいることを鑑みると、アーケード音ゲーにおいて重大な問題であることが分かります。

 アーケードゲームというのは、家で出来ない体験が出来るという点がメリットです。ギタドラの本物の楽器さながらの筐体、ボルテのアナログデバイス、チュウニのAIRセンサー...。どれも家庭用ゲームでの実現は難しいでしょう。
 一方でタッチスクリーンはというと、スマホや携帯ゲームなどでも簡単に出来る操作です。アーケードゲームとしてのメリットが活かされません。体感型ゲームとして、タッチスクリーンでは他の音楽ゲームにどうしても劣ってしまいます。

 ただ、ビーストは大画面を目一杯使うことがアーケードならではの操作になってたようにも感じました。理由の1つには上げましたが、そこまで大きな原因じゃないと僕は思ってます。






 僕がちょうどゲーセンに通い始めた頃に稼働したのがbeatstreamでした。BEMANIではボルテ以外では初めてのプレイ機種となりました。ゲーセン慣れしていない自分は大画面による没入感に興奮したものです。
 終わるにしてもせめて終わり方くらいスッキリして欲しかったですがw ビースト今までありがとうイベントを開いてパーっと!…っていうのも難しいかなやっぱり。やり込んだゲームが終わるなんて初めての経験だし悲しいです。

 とにかくお疲れ様でした。せめて後継のノスタルジアが人気作となることを期待します。その筐体にはビーストという音ゲーがあったことはみんな忘れないでほしい。