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【社会】

警察から同行控える要請か 札幌衰弱死 児相の説明一転

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 札幌市中央区の池田詩梨(ことり)ちゃん(2つ)が衰弱死し、傷害容疑で母親と交際相手の男が逮捕された事件で、同市は十日、記者会見を開き、北海道警が市児童相談所に対し、母子との面会に同行しないよう求めていたことを明らかにした。児相はこれまで、道警から同行要請があったが、緊急に対応する案件が発生しており、同行できなかったと説明していた。

 道警は、五月中旬に強制的に家庭に立ち入る「臨検」の検討を児相に求めていたと説明。面会に同行しないよう求めたとの発表について「そのような事実はない」と否定し、双方の主張が大きく食い違った。

 道警は「母親が児相を嫌っているようだと伝えたことで誤解したのではないか」とした。

 札幌市は説明が二転三転した理由について「勘違いしていた」と述べ、主張の食い違いについては「お互いの仕事の理解度が不十分だったからではないか」と指摘した。

 児相によると泣き声が聞こえるとの通報を受け、母親の池田莉菜容疑者(21)と詩梨ちゃんとの接触を試みていた道警は、五月十三日の時点では児相に面会への同行を要請していたが、児相は夜間態勢がないことを理由に応じなかった。

 翌十四日、面会の約束が取れた道警は一転して「同行は難しい感触で、訪問が終わるまで児相からの連絡は控えてほしい」と伝達したという。児相は了承し、自ら安全の確認をしないまま、同十五日に母子と面会した道警の「虐待が心配される状況ではなかった」との判断を追認した。

 児相によると詩梨ちゃんに面会した道警は、頬のあざや足の裏のばんそうこうを確認したが、池田容疑者の「台所の台から落ちた」「ヘアアイロンを踏んだ」との説明と矛盾しないと判断した。市は十日、事件を受け緊急対策本部を設置した。

 

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