短編集 アインズの召喚 作:大三元
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アインズは魔法の確認を行っていた、この世界に来た当初の出来事を鑑みての事だ。
召喚されたアンデットは死体があれば永続的に使役できる、ユグドラシル時代ではなかった仕様だったからだ。
しかしアインズの予想通り通常攻撃魔法やバフ・デバフ魔法等は変わらずの効果だった、そしていよいよ超位魔法を試す事になったのだがナザリック第六階層円形闘技場では試せないものもあったのでトブの大森林の奥地で試すことになった。
1日目、天地改変・失墜する天空を発動し辺りは更地と化し生存しているのはアインズと護衛のセバス、護衛にと強引に付いてきたアルベドとシャルティアそして森という事でアウラとマーレそしてリザードマンの集落が近い為に来たコキュートスとたまたま統治のアドバイスの為に集落に訪れていたデミウルゴス、いつものメンバーだけであった。
2日目、更地の土地に同じメンバーが集まった。
「今日は天軍降臨から発動させる、昨日と同じく皆離れるように」
アインズがそういうと皆は軽くお辞儀し離れる、その姿を確認した後詠唱を開始した。
詠唱中アインズは不思議な感覚に襲われた、全身がピリピリ痺れる様な軽い痛み、ダメージを受けると発動は中止される筈だがそれもないことからそのまま続行したのだった。
無事に発動できたのだが現れたのはパンチパーマの成人男性とロン毛で茨の王冠をかぶった成人男性二人だ、服装は変な言葉が書かれたTシャツにジーンズといういたって普通の格好だ。
二人は何やら話しているが状況を確認すべく二人に話しかけた、曰二人はイエスとブッタだと言う、確か発動させた超位魔法の効果は高レベルの天使を召喚するもの、二人の言う事が正しければ神を召喚したことになる。
仕方がないので今の状況を二人に説明したらブッダがイエスに笑顔で、しかしどこか怒りを思わせる雰囲気で問いただした。
「ねぇイエス、君何か変な事したかい?」
「えっ? ………何もしてないよ!」
「本当に何もしていないのですね?」
「あ…いや………たぶんこの前父さんにおすすめのライトノベル小説を聞かれたんだ、その時に下界では今異世界転生ものが流行ってるって言ったからかな………」
その言葉を聞いてブッダは何処か達観した顔になり天に顔を向ける。
この後いろいろな事があった、アルベド、シャルティア、デミウルゴスはこの二人には決して近づかず遠巻きに睨みながら警戒したりアウラとマーレがブッダの額の白毫を押そうとしたりコキュートスとセバスが二人に対して拝み始めたりした。
そして驚いたことがある、この二人はユグドラシルでもリアルでもこの世界の住人でもないことが分かったからだ、なんとも申し訳ないことをしたと謝ったのだが二人は気にする様子はなく笑顔で許してくれた。
聖☆おにいさんのイエスとブッダです。